諏訪颯太郎①
作戦会議を終えた颯太郎と洸太郎は、笹森ソロランク戦を見学しにきていた。
「やっぱり緑川相手に中々勝てないな...」
ブースから出てきた日佐人は、ふぅっと息を吐きながら出てきた。
「だが三本は取れてたじゃないか」
「でも玉狛の空閑は緑川に8ー2してるのに、三本しか取れないんじゃ...!」
颯太郎がそう言いながら声をかけると、日佐人は焦りを露わにした。
「そんな焦んなくてもいいじゃねーか。緑川なんであの年でA級のアタッカーやってんだ、負けて悔しがるのはいいことだが、あんま気負いすぎんなよ。」
「はい...」
「確かに空閑や緑川に真正面から挑んだら厳しいかもしれないが、相手の裏をかけれ勝てない相手じゃないぞ。」
「相手の裏をかく、ですか?」
そうだ。と言いながら颯太郎は頷き、話を続けた。
「日佐人は確かまだトリガーに余裕があったよな?」
「メインとサブに1つずつ空きがありますけど、俺はトリオン少ない方なんで新しいトリガーを入れるのは厳しいです。」
「そうだぜ兄貴。今のまま挑んでいいんじゃねーか?」
「いや、今のままだと厳しくなるだろうな。今回は勝てるかもしれないが、Round3以降が難しくなる。」
どうゆうことですか?と日佐人が聞いた時、1人の少年が声をかけてきた。
「あ、諏訪さんだ!やっほー」
「てめーもっと先輩を敬いやがれ!」
諏訪がそう言い、軽く首を絞める。
「うちの日佐人の相手してくれてありがとな。おっと挨拶が遅れたな、俺は諏訪颯太郎だ。よろしくな」
「全然大丈夫だよー。今更だけど、緑川駿だよ。こっちこそよろしくね!」
緑川は中学生ながらもA級4位の草壁隊のアタッカーで、両手にスコーピオンを持ち、複雑な動きに対応できる技術とセンスをもつ。グラスホッパーを張り巡らし、空中を飛び回るトリッキーな動きで相手を翻弄する。
「そういえば、なんで急に俺とランク戦やろうと思ったの?」
「それは緑川が空閑と戦い方が似てるなって思ったからだよ。緑川から見て、俺はどうだった?」
「うーん、攻撃も防御も出来るし、機動力もそれなりにあるんだけど、突出したところがないからそこをどうにかしたほうがいいかもね。」
日佐人はなるほど、と言いながら考えている間に、緑川は総太郎に声をかけた。
「颯太郎さんはどうして隊長やってないの?諏訪さんのお兄ちゃんなんだし、普通なら颯太郎さんがやると思うけど。」
「隊長なら洸太郎のほうが向いてるさ。確かに戦術を組み立てるのは俺の仕事だが、あいつには俺が持ってない人望がたくさんある。それに、影から支えるってほうがかっこいいだろ?」
そう言い、颯太郎はにかっと笑うと、諏訪が声をかけた。
「おい、なんの話してんだよ。」
「いや、なんでもないさ。」
「諏訪さんの弱点について話してたんだよー。」
「まじか!教えろよ!」
緑川が悪戯っぽく言うと、諏訪が緑川に詰め寄った。
「えーどうしよっかなー。」
「クソ!兄貴、教えてくれよ!」
「まあまあ落ち着けよ。因みに緑川が話す前にお前がきたから俺は聞いてないぞ。」
「え、颯太郎さんちょ...」
「緑川ー!さっさと吐けー!」
「ちょ痛い痛い痛い!日佐人くんも考えこんでないで助けて!」
日佐人は考えこんでいて、諏訪達の様子に気づいていなかった。
「え?諏訪さんあんまり強くしちゃダメですよ。」
「わーってらい!」
「え、もっと強く止めてよ!ぎゃーーーー!」
諏訪達が騒いでいるのを颯太郎は少し離れて見守っていた。
(頑張れ日佐人。次の戦いはお前が鍵を握ってるぞ。)
そう心で言いながら、颯太郎は諏訪達の元へ近づいていった。
そして...
2月5日(水)
B級ランク戦Round2 開幕
次回からランク戦RAUNNDO 2です。