「さあ各部隊が転送されました!各隊員は一定の距離をとってランダムに転送されます!まずは荒船隊の3人と諏訪隊の颯太郎先輩、そして玉狛の雨鳥隊員がバッグワームを起動!レーダー上から姿を消しました!半崎隊員が良い位置に転送されたか!」
「このステージは高台をスナイパーが取れればかなり有利なので、は積極的に上を狙っていきたいですね。」
「パッと見た感じ、荒船隊が良い感じに転送されてるなー。穂刈はかなり遠いけど、半崎が高台に1番近いし、荒船もまあまあ近いからスナイパー2人が上を取れればかなり有利に進められる。」
桜子が初動を伝えて、東と犬飼が補足を入れて行く。
「お二人が仰ったように、半崎隊員と荒船隊長は真っ直ぐ高台を目指します!穂刈隊員は敵を警戒して動かない!諏訪隊は合流を優先してから。上を目指します!」
東の言う通りスナイパーは一斉に上を目指して行くが、上に行かない者もいた。
「おや、玉狛は合流を優先させるようですね。颯太郎隊員も合流に向かっていないように見えますが...」
「何か狙いがあるのかもしれないね」
犬飼がそう言っている時、東は1人考え事をしていた。
(颯太郎、留学で腕が鈍ってないって所を見せてくれよ)
「諏訪さん、この後どうしますか?」
集合を目指す諏訪隊は、日佐人の発言を皮切りに作戦を確認する。
「まずは敵の位置だな。兄貴、敵は今どんな感じだ?」
「お前の南側にポカリがいるな。その奥に玉狛の空閑がいるぞ。後は分からないが、大地の北東方向に写ってるのが三雲だな。」
「じゃあ、俺は三雲くんを狙いますかね。」
「つつみん、あんまり突っ込み過ぎないでよー」
「了解」
堤の言う通り、修はこの中で1番狙いやすい駒なので、既に合流している日佐人と諏訪との合流より、修を狙うことになった。
「よし日佐人、俺らはスナイパーを狙うぞ」
「了解です」
「兄貴はどうする?」
「俺は隠密に徹する。サイドエフェクトで敵の位置を探しつつ、狙える時は狙うよ。」
「わかった。よし、いくぞ!」
「くそ、転送位置が悪すぎる...!」
修はそう言いながら、歯を食いしめ物陰に隠れていた。
「空閑!合流は出来そうか?」
「グラスホッパーを使えば行けなくもないけど、もうすぐスナイパーは上を取るだろうから、ダメージは受けるかもな。」
(空閑と合流が厳しいなら、僕1人で戦わなくちゃいけない...どうする...)
修は少し考え、指示を出す。
「空閑!お前は敵が高台をとる前にバックワームを使ってなるべくこっちに向かってくれ!ただし、無茶はダメだ。」
「了解」
「千佳は僕が合図を出したら、指示した場所を撃ってくれ!」
「うん、わかった」
(転送位置は最低。だけど、まだやれることは沢山ある。僕は落とされても、チームか勝てればそれでいい。やるしかない...!)
修は覚悟を決めると、移動を開始した。
「高台は取りました。」
「よくやった。俺も今狙撃ポイントに着いた。穂刈は厳しいか?」
荒船は穂刈に聞くと、穂刈はハア、とため息をつき答えた。
「悪すぎたな、転送位置が。鉢合わせするな、上を目指したら。」
「そうか、分かった。2人高台を取れたなら合格点だな。穂刈は隙を見て、登れそうならこっちに来い。」
「了解」
そう穂刈が答えると、半崎が焦った様子で声を上げた。
「玉狛の三雲が出てきました!」
「なに?何か狙いがあるのか...?いや、あいつ1人じゃなにもないか。よし、2人で狙うぞ」
「了解」
「おーっとー!玉狛の三雲隊長が出てきました!犬飼先輩はどう見ますか?」
そうだなー、と言いながら犬飼はニコニコしながら答えた。
「これは多分釣りじゃないかな。」
「釣り、ですか?」
そ、と言い話を続ける。
「玉狛は合流が難しいし、メガネ君1人じゃ点を点を取りにくい。だから敢えて荒船隊に撃たせることで、少しでも隊の勝率を上げようとしてるんだと思うな。」
「なるほどー!犬飼先輩の言う通り、荒船隊は三雲隊長狙いか!」
「く...!」
荒船隊2人の攻撃を受け、右腕が飛ばされてしまっていた。
「宇佐美先輩!敵の位置は分かりましたか?」
「バッチリだよ、修くん。千佳ちゃんに位置情報を送るね。」
「千佳、その場所を撃つんだ!」
「了解!」
千佳はそう言うと、アイビスを構え、荒船と半崎がいる地形めがけて発砲した。
凄まじい音を立てながら、千佳の砲撃は荒船達目掛けて途中の建物を破壊しながら進んでいった。
「!半崎跳び降りろ!」
「え、まじか...!」
荒船と半崎は砲撃にいち早く気付き、建物から飛び降りることで、なんとか回避することが出来た。
「くそ、馬鹿みたいな威力しやがって...。仕方ない、狙撃ポイントを変えるぞ。」
「了解」
「よし、荒船隊が移動した。空閑!今のうちにこっちに来い!」
「OK修」
「諏訪さん、大砲が!」
堤は修に攻撃するために近づいていたが、千佳の砲撃で動きが止められていた。
「落ち着け堤。メガネは見えてるか?」
堤が慌てて諏訪に報告するが、諏訪は落ち着いた様子で状況を確認する。
「はい、でもレーダーに写ってる俺を警戒してるのか、あんまり動いてません。」
堤がそう言うと、今度は颯太郎が入ってきた。
「空閑は今堤の方に向かって来てるぞ。レーダーに写ってないからバッグワームを起動してるな。」
「え、颯太郎さんって玉狛の空閑くんにあったことありましたっけ?」
颯太郎のサイドエフェクト『強化嗅覚』は匂いで相手の動きが分かるが、相手の匂い自体を知らないと判断できないのである。
「前玉狛に挨拶に行った時にな。あの時に3人とも覚えた。」
まさか...と諏訪が言うと、颯太郎はああ、もちろんそのために行った、と笑いながら言う。
「あと、日佐人達の崖の下にポカリがいるから気をつけろよ。さて洸太郎、どうする?」
颯太郎がそう言うと、諏訪は少し考え、隊員に指示を出す。
「堤は空閑が着く前に三雲を片付けろ。荒船の狙撃が復活したら無理せず引け。」
「了解」
「日佐人は玉狛のチビをやれ。相手はお前の新技を知らない。しっかり決めてこいよ。兄貴、援護してやってくれ。俺はポカリを倒すまでは日佐人と一緒に行って、その後荒船たちを狙いに行く。」
「了解!」「分かった。」
大砲には全員注意しろよ、最後にいい、諏訪が合図を出す。
「よし、作戦開始だ!」
諏訪の合図を皮切りに、一斉に動き出す諏訪隊。その中で日佐人は、自分に言い聞かせた。
(サシでやったら勝てないけど、俺には新技がある。絶対勝つんだ...!)
日佐人はそう自分に言い聞かせて、諏訪と一緒に走って行った。
犬飼の口調が分からなくなってしまった。