「さあB級ランク戦RAUNNDO2も序盤が終了!各部隊態勢を整えていよいよ戦闘が始まるか!解説の犬飼先輩と東先輩、改めてよろしくお願いします!」
「「どうぞよろしく」」
さて、と桜子が現在の状況を説明する。
「未だベイルアウトした隊員は0ですが、戦闘が起きそうな展開です!転送位置的には玉狛が不利かと思いきや、砲撃で荒船隊を崩すことで三雲隊長と空閑隊員が合流を目指す!荒船隊は砲撃を警戒して移動開始!諏訪隊は分断して敵を狙う!ここまでの動きを解説のお二人はどう見ますか?」
「そうですね。荒船隊は荒船と半崎が高台を取れたのでそのまま荒船隊有利で進むと思いましたが、玉狛の雨取隊員が横から砲撃で荒船隊を高台から下ろせたのが大きいですね。」
東がそう言うと、犬飼もそれに続くように話し始めた。
「これで玉狛はメガネくんと空閑くんが合流しやすくなった。それに今なら荒船隊が浮いてるから点も取りやすい。合流出来れば玉狛有利で進むと思うよ。」
「なるほどー!諏訪隊はどうですか?」
「諏訪隊には今の所大きな動きはないですね。何か狙いがあるのか、今後の動きに注目です」
東達の解説を聞いた所で、桜子は再び実況を始める。
「さあここから各部隊どのように動いていくのか、注目です!」
「空閑、あとどのくらいで合流出来そうだ?」
修はスナイパーの斜線を切りつつ、ゆっくり合流ポイントに向かっていた。
「もうそんなかからんな。このまま何もなければだけど。あ...」
「どうした?」
優真はバッグワームを付けて移動している穂刈を発見した。
「荒船隊の穂刈先輩を見っけた。合流する前に仕掛けていい?」
優真もバッグワームを起動しているため、穂刈は気づいていなかった。
(お互いにバッグワームを起動してるから気づいているのは空閑だけ...)
「よし、穂刈先輩を倒してから合流だ!」
「了解」
そう言うと、優真はバッグワームを解除して高速で接近して行った。
「穂刈くん!東側から誰か来てる!」
「おいおい、まじかよ」
優真がバッグワームを解除したため、接近に気づいた加賀美が穂刈に知らせる。
「やっぱりきついか、スナイパーが上を取れないのは。」
穂刈がそう言いライトニングに切り替えると、後ろに下がりながら構える。
(でも何でバッグワームを解除したんだ?)
通常奇襲する時はバッグワームを解除せずに接近して、気づかれる前に攻撃するのだか、優真は敢えてバッグワームを解除した。
「何かサブトリガーに仕掛けがあんだろうな」
しかしそれが分かった所で穂刈には出来る事はなかった。こりゃ俺死んだな、と心の内で思うと、穂刈はライトニングを優真に向けた。
「少しでも削ってから落ちねーとな、流石に。」
穂刈は弾速の早いライトニングを連射するが、優真の反応速度があればシールドが間に合う。そのまま穂刈の懐めがけて一気に肉薄した。
入った、と思ったその瞬間、優真は何か悪い予感がした。幼い頃から本物の戦争をしてきた優真は、戦闘において勘が良かった。これはまずいと直感的に感じ取った優真は、左手でグラスホッパーを出し、そのまま触ることで横に回避しようとした。
その瞬間
『ドンッ、』と大きな音がすると共に、穂刈の胸を貫き、優真の右手に掠った。
『戦闘体活動限界、ベイルアウト』
穂刈のベイルアウトを見送った優真は、先程狙撃が来た方向を見ると、そこにはイーグレットを肩に担ぎ、ニヤっと不敵に笑っている颯太郎の姿が見えた。
「ここで荒船隊の穂刈隊員がベイルアウト!空閑隊員が1点を取るかと思ったら、諏訪隊のスナイパー諏訪颯太郎隊員が横取り!先制点は諏訪隊に入ります!」
「今のは穂刈、空閑両隊員を狙っていましたね。」
東がそう言うと、犬飼が感嘆したような声を出して続いた。
「今のは狙撃も上手かったけど、避けた玉狛の空閑くんも凄いね。もうすぐ獲物を仕留めるって時にすぐ回避に移れるってのは難しいから。」
2人の解説を聞いた桜子は、では、と言い、質問をする。
「1点取った諏訪隊が有利に進むと思いますか?」
「そうとも限りません。諏訪隊は4人全員生き残っているとはいえ、スナイパーの位置が割れました。スナイパーさえ落とせたら、3部隊均衡に持って行くことが出来ると思います。」
「修、すまん点取れなかった。」
「そんな気にしなくて良い。でも誰に横取りされたんだ?」
「諏訪隊の颯太郎先輩だな。」
「...!そうか...仕方ない。空閑は颯太郎先輩の位置が分かっているうちに狙ってくれ。」
「オサムはどうするんだ?」
「僕は空閑が来るまで何とか持ちこたえる。」
(諏訪隊は4人編成、スナイパーを落とせれば主導権を握れる。後は、合流してる諏訪先輩と笹森先輩をどうにか分散出来れば...)
修が考えていると、宇佐美が敵の接近を知らせる。
「修くん、後ろから敵が近づいてる!」
「な...」
修は咄嗟にレイガストのシールドモードを起動したが、その瞬間レイガストが大きく削られた。
「こちら堤、メガネくんを捕捉しました!」
「く...アステロイド!」
修は堤のショットガンを受けきると、アステロイドで牽制する。しかし堤はそれを避けると、再びショットガンで修を追い込む。
いくらシールドモードがあると言っても、修はトリオン量も少なく、ショットガンの高威力の攻撃もあり、かなり押されていた。
(このままだといずれレイガストが破られる。どうにか空閑が来るまで堪えないと...)
「兄貴、そっちはどうだ?」
「今空閑から全力で逃げてる所だ。かなり距離があったけど逃げ切るのは難しいかもな。」
諏訪隊は、颯太郎が穂刈と空閑を両方倒して、諏訪と日佐人を援護するはずだったのだが、空閑が狙撃を交わしたことによって作戦の変更を余儀なくされていた。
「どうする?洸太郎」
「...兄貴は堤のとこまで空閑を引っ張っていけるか?」
「お前のとこまでならなんとかいけるが、堤のとこってなると厳しいな。」
現在諏訪隊は、マップ中央よりやや上の位置に諏訪と日佐人。颯太郎はマップ左下で、堤はマップ右上にいる。空閑はグラスホッパーも持っているため、堤の所まで逃げ切るのはかなりかなり厳しい。
「よし、日佐人。お前は兄貴の援護に行ってやれ。堤はメガネを倒したらこっちに合流だ。」
「了解!」
「小佐野!兄貴の道案内頼んだぜ。」
「おっけー。颯太郎さん迷子になんないでねー。」
「そうならないために頼んだよ...」
「日佐人はこのまま俺と荒船狙うぞ。」
「了解です!」
「匂いで大まかな場所は分かったから位置データ送るよ。」
颯太郎のサイドエフェクトの『強化嗅覚』は、主にバッグワームやカメレオンを使っている敵を見つけるの優れている。全員がスナイパーの荒船隊には、その面ではかなり有利を取れる。
「さあ、行くぞ!」
荒船隊の2人は、千佳に足場を崩されたため高台から下ろされてしまった。
「これからどうします?」
半崎が荒船に尋ねると、荒船は直ぐに答えた。
「お前はもう1回上に行って、援護してくれ。恐らくもう颯太郎さんのサイドエフェクトで俺らの位置さバレてるだろうが、颯太郎さんは今空閑から逃げるのに手一杯のはずだ。堤はメガネと戦ってるからこっちには来れない。となると来るのは諏訪さんか日佐人だ。どっちかは颯太郎さんの援護に行くだろうから、俺らはこっちに来た方を倒すぞ。」
「了解」
「さあ行くぞ。」
各部隊が激突する。
遅くなり申し訳ないです。戦闘を書くのはやっぱり難しい。