「B級ランク戦中位は、5:3:2で諏訪隊が勝利しました!」
「今回はかなり接戦でしたね。」
興奮冷めやらぬ雰囲気が閲覧席に漂っている中、東と犬飼が解説に入る。
「転送位置はかなり荒船隊有利でしたね。このマップはスナイパーが上を取れれば強いですから。」
東の言う通り、市街地Cは、上を取れればかなりスナイパーが有利になる。
2人が上を取れた荒船隊が試合を有利に進めるかと思われた。
「しかし、玉狛の三雲隊長が自ら囮になることで相手の場所を掴み、そこを雨取隊員が砲撃で足場を崩したことにより荒船隊長と半崎隊員は狙撃ポイントを変えなくてはいけなくなりましたね。」
「メガネくんはそれで腕が一本になっちゃったけど、スナイパーの位置がわからないと砲撃も出来ないし、空閑くんと合流出来ないから出ざるを得なかった。苦肉の策だったね。」
犬飼の発言を聞いた後、桜子は次の場面に移る。
「そして、荒船隊が崩れた事で一気に他の部隊が動きます!玉狛は空閑隊員が三雲隊長との合流を目指す途中で偶然穂刈隊員と対敵します。お互いバッグワームを起動していて気付かなかった!穂刈隊員がライトニングで迎撃するも、空閑隊員がグラスホッパーで一気に接近!このまま空閑隊員の得点かと思いきや、颯太郎隊員が横取りしてこの試合初めての得点となりました!」
「2人が重なるギリギリまで待ってから撃っていたので、ダブルキルを狙ってましたが、空閑はよく避けました。」
「しかし、何故空閑隊員は避けれたのでしょうか?」
「穂刈の背後からの狙撃だったので空閑から見たら正面から飛んできました。それでなんとか反応出来たんだと思います。」
犬飼は、普通気付くかー?と苦笑いしていた。
攻撃が決まったと思う瞬間は先頭に置いて1番油断してしまう時である。
なのに空閑は攻撃を止めて、しかも回避したのである。
そうなるのも無理はない。
「颯太郎隊員はすぐに移動を始めますが空閑隊員がすぐに追跡しましたが、三雲隊長とに合流を優先しませんでしたが、それについてはどう思われますか?」
「颯太郎はサイドエフェクトの効果もあり、他のスナイパーより隠密性が高いので見失う前に捕捉したかったのでしょう。」
東がそう言うと、会場がざわついた。
昔からボーダーにいた人間は知っているが、今のボーダーの中では知っている人の方が少ない。
それは桜子も例外ではなく、口を大きく開けて驚愕を隠せないでいた。
「さ、サイドエフェクトですか!?」
「はい。因みに、この場であいつのサイドエフェクトの話をするのは事前に本人に許可を得ていますからご心配なく。あいつのサイドエフェクトは、強化嗅覚。その名前の通り、常人より嗅覚がかなり発達しているというものです。玉狛には木崎や小南がいるので事前に聞いていたのでしょう。」
「遠距離戦が苦手な諏訪隊に颯太郎先輩が入ったから一気に弱点が消えた。そりゃ強くなるね。」
なるほどー!と言うと、早速を進める。
「そして空閑隊員が颯太郎隊員を追いかける中、三雲隊長に堤隊員のショットガンが襲いかかります!その後は空閑隊員と颯太郎隊員が、荒船隊長と諏訪隊長が対敵し、各地で戦闘が始まりましたね。」
「颯太郎先輩と日佐人くんの連携と、堤先輩のフルアタックで空閑くんとメガネ君がピンチになったから、大砲で形勢を変えた。メガネくんは大勢を崩した堤先輩を倒せたし空閑くんと合流できたから、玉狛にとっては良い結果になったね。」
「堤はやられる間際に三雲にスタアメーカーをつけていました。今回は直接得点には結びつきませんでしたが、自分が落ちてもチームのために行動できたのは素晴らしかったですね。」
ー諏訪隊作戦室ー
「点取れてないのに褒められるのもなんだか複雑ですね。」
作戦室で堤が複雑そうな表情をしていた。
「そんな気にしてんじゃねーぞ、堤!お前はしっかりやったんだからよ。」
「洸太郎の言う通りだ。確かに点は取れてないが、お前はチームのために出来ることをやった。ありがとな。」
「そうすよ!堤先輩がスタアメーカーをつけてくれたおかげで敵の動きがわかったんですから。」
「つつみんはよくやったよー。」
そうだ、だからこのチームが好きなんだ。
堤は微笑みながら、ありがとう、と言った。
「そして諏訪隊、荒船隊、そして三雲隊全ての部隊が一堂に会しました!簡単に纏めますと、乱戦の中で笹森隊員が空閑隊員を奇襲し、それを返り打った空閑隊員がアステロイドを食らったため、雨取隊員の大砲で援護するも、荒船、半崎両隊員がそれぞれ空閑隊員と雨取隊員を倒して得点しました!」
桜子が大まかな流れを振り返り、犬飼が解説する。
「荒船隊は上手くこの乱戦を利用したね。諏訪隊と玉狛がやり合ってる間にしっかり浮いた駒を狙ってた。」
「そして3人がベイルアウトした後は、三雲隊長が荒船隊長を奇襲するも返り討ちにあってしまいましたが...」
「荒船は元アタッカーですからね。しかし、かと言って諏訪を狙うのも出来ません。スタアメーカーを付けられた時点で諏訪への奇襲は出来なくなっていたので、それが分かっていた諏訪は、最初から荒船狙いでしたね。」
スタアメーカーは赤いポイントがつくため付けられた側も分かるが、今回修は足に付けられたため外すことが出来なかった。
実際修は荒船を狙い、諏訪は修が荒船に仕掛けた時点で既に動き出していた。
ー玉狛第二作戦室ー
「すまない、僕の作戦が甘かったみたいだ...」
「そんなことないぞ修。お前はよくやった。謝るならあそこで落とされた俺だ。」
「私もすぐ落とされちゃったし、ごめんね。」
修の謝罪に2人が答える。
しっかり作戦を立てれば、中位でもやれると思っていた。
しかし、その壁はやはり高かった。
試合は常に有利に進められ、なんとか2点取ったものの、満足のいく結果ではない。
だからと言って、止まるわけにはいかない。
「この負けは確かに痛いが、試合はまだある。次こそ勝つぞ!」
おー!と全員が返事をする。
今回もただで負けたわけではない。
次こそは。と全員が意気込んでいた。
ー荒船隊作戦室ー
「みんなお疲れ様。」
加賀美が作戦室に集まっている3人を労う。
「まあまあだな、今回は。」
「3点取れましたしね。」
穂刈と半崎の言う通り、荒船隊は振り回される展開が多かった。
その中でやれることをやり、3点を取った。
それは素晴らしいことだが、負けは負け。
これで満足するわけにはいかない。
「次は勝つぞ。」
「そして、三雲隊長を落とした荒船隊長でしたが、ここで諏訪隊長のフルアタックショットガンで一気に追い込まれてしまいました。」
「荒船はここで半崎の狙撃を狙っていましたが、ここまで静かにしていた颯太郎が半崎を落としましたね。」
もしかして、と犬飼が何か気づいたように言った。
「半崎の狙撃を諏訪さんが防いだ時にもうマークしてたのかな?」
「かもしれませんね。半崎も狙撃の度に移動していましたが、颯太郎にはサイドエフェクトがあります。匂いの濃い方を辿っていけばいずれ追いつきます。」
半崎が思っていたより遠かったですが。と最後に付け加えると、桜子がそれを確認し、話を続ける。
「半崎隊員が落とされたことで援護がなくなった荒船隊長もそのままベイルアウトして試合終了!諏訪隊の勝利で幕を下ろしました!」
「各部隊自分の出来ることをやろうという強い意気込みが感じられました。勝った諏訪隊も、今回は負けてしまった2部隊も今後の試合に活かせる所は多いと思います。」
「さて、ROUND2の結果を受けまして、順位の方を確認しましょう!」
桜子がそう言うと、スクリーンに順位と得点が映し出される。
1位 二宮隊:23P
2位 影浦隊:22P
3位 生駒隊:19P
4位 東隊 :18P
5位 諏訪隊:18P
6位 王子隊:16P
7位 弓場隊:15P
8位 香取隊:15P
9位 来馬隊:13P
10位 那須隊:13P
11位 荒船隊:10P
12位 三雲隊:10P
13位 漆間隊:9P
14位 柿崎隊:9P
「ROUND 2 が終了し、次の対戦の組み合わせも決定しました!今回上位入りを果たした諏訪隊の相手はこちら!」
そう言うと、画面に4部隊の名前が浮かぶ。
「暫定1位の二宮隊、3位の生駒隊、5位の諏訪隊、そして6位の王子隊です!」
その後、他の対戦も発表し、ランク戦は終わった。
やっとROUND 2が終わりましたね。次の四つ巴はネーム考えるのがより楽しい。
颯太郎掘り下げ回とか諏訪全体的に日常を書きたいなー。