諏訪の兄は狙撃手   作:塩田貝

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諏訪颯太郎①

「あ、颯太郎さんじゃないっすか」

「米屋か。ソロランク戦か?」

「もちろん。颯太郎さんもですか?」

「俺はスコーピオンの練習にな。最近は起動すらしてないからな。」

 

場所はソロランク戦の会場。

颯太郎がそう言うと、米屋は少し驚きながら聞いてきた。

 

「てことは次のランク戦で使うってことか。」

「まあそうだな。今ちょうど相手を探していたんだが、今暇か?」

「俺もバトりにきたんで全然大丈夫ですよ。早速やりましょうよ!」

「よしやるか」

 

2人は話がつくと、ブースに入っていった。

 

 

 

 

2人が市街地Aに転送されるとランク戦の開始を知らせるアナウンスが流れた。

 

「手加減なしで行きますよ!」

 

米屋はそういうといきなり顔目掛けて槍孤月を突き刺す。

 

それをギリギリかわすと、右手でスコーピオンを構えて距離を詰める。

 

斬りかかるが戻した槍でガード。鍔迫り合いになるが、米屋が颯太郎を弾き飛ばす。

 

その隙を逃さない。

 

再び槍孤月を突き刺しにきたのを確認し、さっきと同じように避けた。

 

 

しかし

 

 

 

「なに...!」

「ここ最近は顔じゃなくて足にハマってるんですよね。」

 

米屋の攻撃は颯太郎の左下を切り落としていた。

 

先程と同じところを攻撃されると思っていた颯太郎は完全に虚をつかれた。

 

スコーピオンで反撃するも後ろに避けられてしまい再び距離を取られる。

 

 

米屋が使っている槍孤月はリーチの長さこそ最大の武器である。

 

それに刃の部分がスコーピオンになっており、変形が可能なためさっきのように避けたと思っている相手に当てることもできる。

 

しかし、その分攻撃後の隙が多く扱いが難しいのだが、米屋は完璧に使いこなしていた。

 

 

スコーピオンでどうするかと考えていると再び連続で攻められる。

 

なんとか受け太刀で耐えているが、耐久力がないスコーピオンではいずれおられてしまう。

 

スコーピオンヒビが入ってきたその時、米屋はここぞとばかりに槍孤月を振るう。

 

颯太郎がスコーピオンで受け太刀をして折れたところをと止めをさせば良い。

 

そう思っていた。

 

 

颯太郎は受け太刀をすることなく攻撃を受け、槍孤月は左肩に刺さった。

 

「やっと近づいてきてくれたな。」

 

颯太郎は目の前にいる米屋の首にスコーピオンを突き刺した。

 

「うわーまさかスナイパーにそれやられるとは思わなかったなー。」

 

 

米屋は悔しそうな顔をしながら光となって飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

「いやー颯太郎さんはつえーなー」

「それは最初の一本しか取れてない俺への嫌味か?」

 

試合は十本で行ったのだが、颯太郎は最初以外一本も取れていなかった。

颯太郎は冗談でそう言ったが、米屋もそれを理解し、まさか、とおどけて見せた。

 

「アタッカーならまだしも、あの時腕を犠牲にするって判断ができるスナイパー何て颯太郎さんと荒船くらいですよ。」

「ある程度は自分の身は自分で守らないとな。」

 

颯太郎がそう答えると、米屋がそう言えばと話を変えた。

 

「颯太郎さん次二宮さんとイコさんと王子ですよね?そん時用のスコーピオンですか?」

「そうだな。スコーピオンはまだ感覚が戻ってきてないからあんまり使いたくないんだが、今回は上位戦だからな。それにあの三部隊にスナイパーなしで挑むのは厳しい。だからなるべく生き残っておかないと。」

 

なるほどねーと言って頷いている米屋に、今度は颯太郎から話を振る。

 

「俺はもう帰るが、この後飯でもどうだ?」

「お、良いっすねー。奢りですか?」

「行くかどうかを奢りで決めるな。まあ今日は練習に付き合ってもらったからいいか。」

「まじか!そういうことなら早速行きますよ!」

 

そう言うと米屋は勢いよく飛び出して行った。

 

 

「...全く忙しないやつだ。」

 

そう言うと、颯太郎は米屋が走って行った方に歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

無事に追いついた颯太郎は、2人で焼肉屋に入っていった。

 

席に案内され座ると、隣から聞き覚えのある声が聞こえた。

 

ふと隣を見ると、そこには小南と玉狛第二のメンバーがいた。

 

 

「あー!陽介なんであんたこんな所にいんのよ!」

「別に焼肉屋くらいくるだろ。それよりこんな所で会うなんて奇遇だな。」

「今日の試合で負けちゃったから小南が心配して焼肉にいくぞー!って連れてきてくれたんだよ。」

 

そう言うことか。と2人で頷いていると、いきなり小南に声をかけられた。

 

「颯太郎さん!今回は負けたけど、次はギッタンギッタンにしてやるんだから!」

「実際にそうなりそうだから怖いな。戦ってみて正直負ける可能性も高かった。今回勝てたのはまだ経験の差があったからだろう。」

 

仲間を褒められて喜びを隠せないでいる小南を他所に、今度は修が声をかけてきた。

 

「この前の試合で、颯太郎さんの目には僕たちはどう映りましたか?」

 

 

玉狛のメンバーが真剣な眼差しでこちらを見ている。

 

何かに向けて努力する若者の姿勢を見ていると、応援したくなるのは歳だろうか。

 

俺もおっさんだな、と一人で考えていると再び声をかけられたので慌てて返す。

 

「あ、ああ。お前らがどう映ったかだろ?三雲は作戦を立てるのが上手くて、雨取には莫大なトリオンが、そして空閑には類稀な戦闘のセンスがある。チームワークも良いしこれだけ揃ってりゃ上位もいけると思う。ただ、個人として使えるのが空閑しかいないのはしんどいな。実際空閑があそこで落とされてなかったらお前らが勝ってた可能性が高い。それだけ個々の力は大事ってことだ。」

 

颯太郎の意見を聞き、やはり自分が足手まといになっていると感じた修は明らかにテンションが下がってしまった。

 

 

 

「ただ、だからと言って三雲が空閑レベルまで上がる必要はない。」

 

驚愕と困惑の表情の修に向けて、颯太郎は話続ける。

 

「お前らの得点方法は三雲と雨取が崩して空閑が取ることだ。なら、それを極めるのもありだ。」

「それはどういう...」

「こっから先は自分で考えろ。直ぐに答えを出そうとしなくて良い。お前のペースで考えるんだ。」

「...!はい!」

 

修の目にはもう迷いなどない。

 

絶対に見つけて次は勝つ。

 

その気持ちを理解した颯太郎はニヤっとする。

 

 

「良い目になったな。ほら肉が焼けてるぞ。考えるのも良いがまずは腹ごしらえしないとな。」

 

 

颯太郎がそう言い、修たちは自分たちの網を見ると肉が少し焦げ始めていた。

 

慌てて肉を食い喉に詰まらせた小南に修が水を差し出しなんとか事なきをえた。

 

それを見て米屋が笑っていると、小南が起こりながら首を絞めにいっていた。

 

やっぱこいつは鳥丸じゃねーと無理だな。と思いながら米屋の分の肉を食った。

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