諏訪の兄は狙撃手   作:塩田貝

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ROUND3 ②

「多くの隊員が既にモールに入りました。」

「今回は4つ巴な上に室内戦になる可能性が高いです。なので乱戦になると思います。」

 

迅がそう言うと、太刀川がそれに同意する。

 

「基本は人数が集まってくると戦い辛いからな。集まってくる前に誰かしらが仕掛けるな。」

 

 

 

 

 

 

 

「諏訪さん、そっちに2人行ってるよー」

「2人?誰だ?」

 

小佐野からの報告を受けた諏訪は、今三階の通路の柱に身を隠していた。諏訪はまだ誰とも合流出来ていない。大敵すれば苦戦を強いられるのは目に見えていた。

 

「わかんないけど、もう颯太郎さんが近くまで来てるから大丈夫じゃない?」

「・・・そうだな。兄貴!」

 

諏訪の急な呼びかけに若干驚きながらも、どうした?と聞き返した。

それを聞いた諏訪は、不敵な笑みを浮かべた。

 

「早く来ないと全員倒しちまうぜ?」

 

 

それに颯太郎も同じように笑みを浮かべた。

 

まるで、やれるもんならやってみやがれ。と言うかのように。

 

 

「ああ、すぐいってやるよ。ちゃんと俺の分も残しとけよ?」

 

 

そう言い終わった瞬間、小佐野から敵がきたという通信が入った。

 

「じゃあまた後で会おうぜ!」

そう言い通信を切った瞬間、諏訪の頭目掛けて斬撃が飛んできた。それをしゃがんで避け、前を見るとそれを放った張本人がいた。

 

「おいおいいきなり旋空かよ、辻。」

「流石にあの程度でやられはしないか。」

「犬飼はどこいった?」

「答えると思いますか?」

 

そう言い剣を構えると、再び旋空を放った。それを上に跳んで避けると、一気に辻が間合いを詰めてくる。それに対し、右手でショットガンを放つもサイドステップで避けられる。辻はすぐさま再び颯太郎に斬りかかる。それをシールドで間一髪で防ぐと、弾いてショットガンを構えるがシールドで防がれて距離を取られた。

 

 

 

 

「ここで諏訪隊長と辻隊員が戦闘開始!射程の有利がある諏訪隊長が有利でしょうか?」

 

綾辻が二人に話をふる。

 

「そうとも言い切れません。通常はそうですが、辻隊員には犬飼隊員がついています。犬飼隊員との連携はかなり完成度が高く、一人で崩すのは簡単ではありませんからね。」

「それに加え、犬飼はまだ姿を眩ませてる。いつ出てくるかわからない以上諏訪さんはフルアタック出来ない。犬飼がいなかったらさっきの辻が横に避けたところをもう片方のショットガンで撃てたからな。」

 

 

 

 

 

 

「くっそーこのままじゃジリ貧だぜ」

 

諏訪が本来の火力を出せたのなら倒すことは可能だが、犬飼の姿が見えず、辻も深く踏み込んでこなくなった。

 

(こりゃ時間稼ぎか罠か...。どちらにしろ犬飼が見えねー以上こっちから攻めに行くわけには行かねー。兄貴たちを待つのが1番か...)

 

撃ちながら考えている時

 

諏訪の背後から攻撃が来た。

 

なんとか身をよじり避けたが、大きな隙が出来てしまう。そんな隙を辻が逃すはずもない。素早く諏訪に向かって旋空弧月を放とうとしたその時

 

 

 

 

辻の頭に一筋の弾丸が突き刺さった。

 

 

 

 

 

 

 

「ここで背後から水上隊員と南沢隊員の奇襲!水上隊員のハウンドが諏訪隊長を襲う!崩れた諏訪隊長を狙おうとした辻隊員に颯太郎隊員が狙撃しました!」

「生駒隊としては諏訪さんを倒してから2人で辻を倒すつもりだったんだろうが、上手く避けられちまったな。」

「そして颯太郎隊員は四階から下を見ていました。誰でも攻撃するときが1番隙が生じますからね。そこを狙うのは当然です。」

 

迅がそう言うと、太刀川がただ、と続いた。

 

「それは相手も一緒のことだ。前回の諏訪さんが半崎の狙撃を防いだ時みたいにな。」

 

前回、諏訪は半崎の狙撃を予想して、フルガードで防いだことがある。

 

「ここで辻を倒さなきゃ自分たちのリーダーがやられる。そうなったら颯太郎さんも撃つしかなくなるからな。それが二宮隊の狙い通りだとしてもな。」

 

 

 

 

 

「やっぱり狙うなら頭ですよね。」

「くっそやられたな。」

 

颯太郎はその場から離脱すると思われたが、その場から動かなかった。ただ、どこか諦めたかのような表情で振り返る。

 

「やっぱりお前だよな、二宮。」

 

そこにはポケットに手を突っ込み、表情を崩さないで仁王立ちしている二宮の姿があった。

 

「諏訪隊はあんたを落としたら終わったも同然だ。」

「それはどうかな。あいつらだって成長してる。もうお前らの知ってる諏訪隊じゃないぞ。」

「・・・まあ良い。勝つのは俺たちだからな。」

 

言い終わると、二宮はバッグワームを解除し、細かく分割したアステロイドを発射した。

 

颯太郎はすぐさま振り返り再び三階に向けて構えると一瞬の無駄なく狙撃。

 

しかし撃ち終わった瞬間、颯太郎は二宮のアステロイドを全身に食らった。

 

 

『戦闘体活動限界 ベイルアウト」

 

 

機械的な音声が響くと、颯太郎は光となって飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

「ここで颯太郎隊員がベイルアウト!最初の得点は二宮隊に入ります!」

「颯太郎さんは二宮が近くにいるって気付いてたな。それでも動かなかったのは、諏訪がピンチだったからだ。」

 

颯太郎はサイドエフェクトがある。その効果より基本は接近される前に移動できるのだが、今回はしなかった。それは諏訪が危機に陥っていたからである。笹森と堤との合流が暫く見込めない状況で、諏訪を見捨てて自分が生き残るよりも、辻を倒し、諏訪を助けることを選んだ。

 

「ということは、颯太郎隊員は二宮隊員と対敵する前に移動するのが正解だったのでしょうか?」

「そうとも限りません。実際あそこで辻隊員を倒せていたら、諏訪隊長は逃げ切る可能性が高くなっていましたからね。結果論ですが、二宮隊の方が一枚上手だったということですね。」

 

 

 

 

 

 

「くっそ・・・!」

 

諏訪は、颯太郎がベイルアウトしたことに焦りを隠すことができないでいた。辻が一気に決めようと動き出そうとしたとき、辻の右足が吹き飛んだ。

 

辻が動揺している隙をついて諏訪がショットガンを放とうとするも、横から弾丸が飛んでくる。すぐさま攻撃を中止しシールドで防御。防ぎ切ると、犬飼が辻と合流していた。

 

「全く、今回展開早すぎでしょ。奇襲仕掛ける前に辻ちゃんが落ちちゃうよ。辻ちゃん大丈夫?」

「ありがとうございます。片足とばされましたが、まだやれます。」

 

今諏訪は吹き抜け部分のガラスの壁まで生駒隊と二宮隊の2人に追い込まれている。

 

(日佐人と堤はまだ少しかかる。どうする・・・)

 

諏訪がそう思ったその時

 

 

 

 

 

 

 

 

水上の左腕が切り落とされた。

 

 

 

全員がその方を見ると、孤月を片手にした樫尾の姿があった。

 

「よし、やってやる・・・!」

 

決意を固めた顔だが、その瞳は冷静に敵を見ていた。




暫くお待たせしてすみません。これからも不定期にはなると思いますが、少しずつでも進めていきます。
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