諏訪の兄は狙撃手   作:塩田貝

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ROUND3 ③

「ここで樫尾隊員の奇襲!水上隊員の左腕を奪った!」

「ギリギリまでバッグワームで近づき、解除してグラスホッパーで一気に行きましたね。」

「しかし妙だな・・・。」

 

太刀川がぼやくと、綾辻がすかさず拾う。

 

「何か気になりましたか?」

「いや、ここで樫尾が奇襲しても王子隊にはさほどメリットはない。むしろ1番得してるのは二宮隊だ。それなのにここに一人で出てきたってことは、何か狙いがあるんだろうな。」

「それに王子隊の2人はまだモールに入っていません。王子隊の動きに注目ですね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今は諏訪さん狙う流れやったやん。」

 

そう言いつつも素早くアステロイドを放つ。それを横に避けると、南沢が追撃する。

 

「海!勝手に行くなや!」

「2人なら大丈夫ですよ!」

 

そう言い樫尾と鍔迫り合いをする南沢を、水上は援護に向かう。樫尾はそれを確認すると、一度距離を取り、水上たちの方を見ながら後退を始めた。樫尾を追撃しようとするが、諏訪も樫尾を追いかけつつ水上たちにショットガンを放つ。

 

「こっちくんのかい・・・!」

 

水上はそれをシールドでなんとか防ぎ、今度は諏訪に向かってハウンドを放つ。

それを生駒は吹き抜けを挟んだ反対側から見ていた。

 

「おーおーめっちゃ戦っとるなー」

「ちょイコさん!見えてるんやったらはよきてくださいよ。」

『まかしとき。全員ぶった斬・・・あ、あかんわ。堤たち来おった。』

 

生駒は生駒旋空を放とうとするが、それを中止しショットガンをシールドで防ぐ。

 

「俺はお前らを信じてるで。なんとかしてくれるってな。」

「諦めんの早!」

 

水上のツッコミも虚しく、現状は拮抗していた。

 

 

 

 

 

 

 

「樫尾隊員を全員で追う形となりました。」

「諏訪さんはダブルショットガンがあるからな。相打ち覚悟フルアタックされたら落とされる可能性が高い。そしたらその分樫尾が狙われるだろうな。」

 

太刀川の解説を聞いた綾辻は、では、と質問をする。

 

「諏訪隊長が生駒隊を狙った理由はなんでしょうか?」

「諏訪隊長からしたら樫尾隊員達を追いかけないと二宮隊の2人を一人で相手しなければいけなくなります。そうなる前に水上隊員に攻撃を仕掛けることで意識を分散させ、自分が生き残ることが狙いだと思います。」

 

 

 

 

 

 

「俺らはこのまま付いてこう。二宮さんはこっちに来ないから、俺らで崩して。まずは諏訪さんからかな。」

「了解です。」

 

今辻と犬飼は、4人を後ろから牽制しつつ、気を伺っていた。

 

「しかし、樫尾くんの狙いはなんでしょうか。」

 

辻がそう犬飼に尋ねると、犬飼は突撃銃を放ちながら答えた。

 

「多分逃げてる途中に王子隊の二人が隠れてて奇襲じゃないかな。でもこんだけ逃げるってことは違うかもしれない。奇襲ならもっと近くにいて樫尾が余計なダメージを喰らう前に仕留めたいだろうし。あまり踏み込みすぎないように気をつけよう。

 

犬飼の言う通り、樫尾は後退し続け、一階のモール出入口付近まで来ていた。そんな中で樫尾は、もうそろそろか。と一人呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よくやったカシオ。さあ、始めようか、蔵内。」

 

王子からの通信での言葉を皮切りに、蔵内は両手にハウンドとメテオラを出現させる。そしてそれを合体させた。

 

「ハウンド+メテオラ・・・サラマンダー。」

 

蔵内は合成弾を作り終えると、モールの入り口に向かってそれを発射した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「固定シールド!」

 

モール入り口付近では、樫尾が急に固定シールドを使ったことに全員が驚きを隠せないでいた。しかし、犬飼だけは違った。

 

「辻ちゃん!サラマ・・・」

 

そこまでいった瞬間、全員の目の前にサラマンダーが爆散する。誰も直撃はしていないが、凄まじい衝撃でバランスを崩してしまう。あたりを爆煙が包み、視界が悪くなった。樫尾は素早く固定シールドを解除して水上に接近。水上もハウンドを放つがシールドで防がれる。樫尾はそのまま水上の心臓部分を貫いた。

 

そんな中でサラマンダーに気付いていた犬飼もまた、素早く攻撃に移る。アサルトライフルを構えると、諏訪にむかって発射。

 

「くっそ・・・!こりゃ死んだな、俺!」

 

諏訪はそう言うと両手にショットガンを構え犬飼に向けて発泡。高威力の散弾が犬飼を襲う。撃った直後、諏訪の体は犬飼の射撃により貫通された。犬飼も体に無数の穴が空いているかに思われたが、

 

 

「ナイス辻ちゃん。」

 

 

辻の集中シールドにより諏訪の最後の攻撃は防がれてしまった。諏訪はそれを見届けながらベイルアウトして行った。

 

ベイルアウトして行った諏訪と水上を横目に、南沢は樫尾へと剣を振るう。すんでのところで致命傷を避けたが、右肩に大きな亀裂が入る。止めを刺そうともう一度剣を振るおうとした時

 

 

「よくやったカシオ。」

 

 

煙の中から隊長である王子一彰が現れた、南沢の首を掻っ切った。

 

「え?まじで?」

 

あまりに急なことに動揺しながらも、南沢の体は崩れ始め、脱落を告げる機械音を残しながら飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここで屋外から蔵内隊員のサラマンダーでの奇襲!王子隊が生駒隊の二人を沈めて2得点、二宮隊もすぐに反応して諏訪隊長を倒して1得点をあげました!」

「サラマンダーはハウンドとメテオラの合成弾です。追尾性能を持った炸裂弾で、大きな破壊力が特徴です。」

「気候を暴風雨にしたのは、自分たちが中に入っていると無意識に思わせるためだな。そんな時に外からいきなりあんなん食らったらそりゃ驚く。」

 

迅と太刀川の解説を聞き、綾辻は頷きながら話を展開する。

 

「樫尾隊員が水上隊員を、犬飼隊員が諏訪隊長を、そして王子隊長が南沢隊員を撃破しましたが、お二人はどう見ますか?」

「王子隊の作戦の成功と言っていいでしょう。樫尾隊員がダメージを負ってしまいましたが、2得点出来ました。それに犬飼隊員は蔵内隊員のサラマンダーにいち早く気付いていました。そのおかげですぐに攻撃に移れました。」

「逆に生駒隊と諏訪隊、特に諏訪隊は結構しんどいぞ。イコさんは今1対2だし、近くに二宮もいる。隠岐の居場所がまだ割れてない分それをどう活かすかだな。」

 

太刀川の発言に迅は同意を示し、続く。

 

「諏訪隊は指揮を取っている諏訪兄弟が2人ともベイルアウトしてしまいました。それに2人とも位置がバレている。諏訪隊は少ないチャンスをモノにできるかが鍵になりそうです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「日佐人、諏訪さん達の分も俺らがやるぞ。」

「はい・・・!」

 

点を取れずに散っていった仲間のためにも、簡単に帰るわけにはいかない。まずは、目の前の敵に集中する。そこへ、

 

 

 

「お前らは王子達をそのままやれ。隠岐には注意しろ。」

「辻、了解。」

「犬飼了解ー。」

 

 

 

絶対的エースが登場した

 

 

 

 

「こっちは俺がやる。」




凄く久しぶりに連日投稿出来ました。そして、UAが2万いきました!ありがとうございます!初めて小説を書いてみて、最初はこんなにも読んでもらえるとは思っていなかったので素直に嬉しいです。

これからもこの作品を読んでくださっている方々が面白いと思えるような物を作ることが出来るよう頑張りますので、これからもこの作品をよろしくお願いします!

感想もお待ちしております。
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