諏訪の兄は狙撃手   作:塩田貝

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B級ランク戦ROUND 1
B級ランク戦開幕


「ボーダーの皆さんこんばんは!本日の実況を担当します、海老名隊オペレーターの武富桜子です!」

 

 

場所はB級ランク戦の試合会場。多くの隊員が観戦席に座っている中、海老名オペレーターの武富桜子が、実況席から挨拶をした。

 

彼女はC級の頃から実況の必要性をボーダー上層部と技術者に提言し続け、今のシステムを作り上げたランク戦実況の先駆者である。

 

 

「B級ランク戦新シーズン開幕!初日・昼の部を実況していきます!今回の解説者は、東隊の東隊長と、嵐山隊の時枝先輩にお越しいただいています!」

 

「どうぞよろしく」「よろしくお願いします」

 

 

東はボーダー初のスナイパーとなった人物で、ランク戦解説における緻密で鋭い分析には定評があるため、A級の隊員も多くいる。

 

 

「今回の試合は諏訪隊、鈴鳴第一、早川隊ですが、東隊長はどう見ますか?」

 

「まずは、諏訪隊が1人増えていることですね。」

 

「あ!本当ですね!諏訪颯太郎隊員が追加されています。あれ、諏訪ってことは...」

 

「お察しの通り、あいつは諏訪の1つ上の兄です」

 

 

東がそう言うと、一気に観戦席がざわつき始めた。

 

 

 

「東さんは諏訪さんのお兄さんのことを知ってるんですか?」

 

 

ここで話を聞いていた全員が思った疑問を尋ねたのが、嵐山隊の時枝充。

嵐山隊はA級5位ながら、テレビ出演などの広報活動も行なっている部隊で、時枝はオールラウンダーで、味方を援護して敵を討たせる名サポーターとして有名である。

 

 

「あいつは3年前くらいに入隊していて、初期の諏訪隊のスナイパーでした」

 

「てことは、諏訪隊にスナイパーが入ったことで今まで苦手だった遠距離戦も出来るようになったってことですね」

 

「早川隊からしたら、場合によってはステージも変えなきゃならないかもしれないですし、鈴鳴第一も対スナイパーの作戦も練っていないはずなので、たまったもんじゃないですね」

 

「なるほどー...さあここでステージが決定されました!今回のステージは、市街地A!」

 

 

桜子がそう言うと、スクリーンにマップが表示され、続けてステージの説明をし、時枝に話を振った

 

 

「市街地Aは広い場所や狭い場所もある、1番ノーマルなステージです!これを見て、時枝先輩はどう思われますか?」

 

「市街地Aは高い建物が少なく、道路上や屋根上での戦闘が多くなります。今回の対戦はスナイパーが太一君しかいないことを前提として各隊作戦を練っているはずなので、早川隊と鈴鳴第一は対応力が、諏訪隊は颯太郎さんの使い方が鍵になってくると思います。」

 

「なるほどー。さあここで全部隊が転送されました!各隊員は一定以上の距離をおいて、ランダムな地点からのスタートになります!」

 

 

全員が転送されたのを確認して、桜子が各隊の初動を実況していく。

 

 

「まず颯太郎隊員と別役隊員がバッグワームを起動!鈴鳴第一は来間隊長と村上隊員が合流を目指す!続いて諏訪隊はスナイパー抜きの3人で合流を目指す模様!早川隊は早川隊長と丸井隊員が合流した!船橋隊員も向かっているぞ!」

 

「転送直後は1番無防備ですからね。合流を優先するのが定石です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

颯太郎は転送開始と同時に屋根に登り、サイドエフェクトを使いながらスコープを覗いて敵の位置を探り始める

 

 

 

「近くに敵が2人か。味方はかなり遠いし、俺は合流は厳しそうだから、俺はこのまま狙撃ポイントに向かうよ。小佐野、案内と敵の位置を頼む。」

 

 

「おっけー」

 

「じゃあ俺ら3人は先に合流するぞ!」

 

「「了解!」」

 

「さあ、作戦開始だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずは合流を優先したいけど、颯太郎さんがいるから迂闊には動けない。だからまず僕と綱が合流するから、太一はそのまま狙撃ポイントに向かって欲しい。今ちゃん!敵の位置を!」

 

「了解!」「了解です」「了解っす!」

 

「太一!もし近くに誰かいても、まだ撃っちゃダメだよ!」

 

「え、何でですか?笹森先輩の姿ならちょっと遠いですけど、いつでも撃てますよ?」

 

「確かに今なら当たるかもしれないけど、日佐人君の近くにいる人が諏訪隊の誰かだったら、太一が落とされるかもしれない」

 

「今回太一は落とされるわけにはいきませんからね」

 

「そう言うことなら了解です!」

 

 

 

作戦を立てていると、今が全員に声をかけた

 

 

 

「鋼君!北側から1人接近中!」

 

「分かりました。来間先輩、先に一勝負してきます」

 

「わかった!頼んだよ!」

 

 

 

 

 

 

「さあ村上隊員と船橋隊員が当たりそうだ!諏訪隊の3人と早川隊の2人は合流!ここまでの流れをどう思いますか?」

 

 

初動も終わり、現時点での批評を解説の2人に求める。

 

 

「諏訪隊も早川隊も火力が武器の部隊ですから、合流できたのは大きいですね。鈴鳴第一は村上と来間が合流する前に諏訪隊と当たる可能性もあるので、少し不利に感じます」

 

「太一君と颯太郎がどこで誰を撃つのか、が大事になってくると思います」

 

「つまりスナイパーの働きが大事になってくると言うことですね!」

 

 

 

 

 

 

 

「よし、洸太郎たちが合流出来たなら、南西の方角に早川と丸井がいるからまとめてぶっ放してこい。お前ら3人が揃ってるなら負ける事はないと思うが、鈴鳴のスナイパーに気をつけろよ」

 

「よっしゃー!いつものやつで行くぞ!」

 

「「了解!」」

 

「俺は予定通り移動するから、そっちは頼んだぞ」

 

「兄貴も油断して落ちんじゃねーぞ!」

 

「気をつけるよ」

 

 

そう言うと颯太郎は、脇道を通ってある場所へ向かった。

 

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