「おーっと!一体何が起きたのか!」
桜子がそう言うように、観戦席にいる隊員も何が起きたのか分かっていなかった。
「ここで落とされたのは鈴鳴の別役隊員!得点は颯太郎隊員!しかし、あれだけ距離が離れていて、どうやって狙撃したんでしょうか?」
桜子が言うように、颯太郎と太一の距離はかなり離れているため、本来なら届かないはずなのである。
「それは、この後を見ていれば分かりますよ」
「これは...アイビスが消えた⁉︎」
颯太郎がいるはずの建物の屋根に着いた2人だったが、そこで見たのは、だんだん消えて行くアイビスだった。
「太一が緊急脱出したってことは、アイビスを置いて太一の近くに移動していたってことか!」
「これはやられましたね」
「ごめん太一、僕の指示ミスだ」
「全然大丈夫っす!むしろ役に立てなくて申し訳ないっす」
来馬が作戦室に戻った太一に謝り、太一もそれを聞いて謝ると、村上が声をかける。
「来馬先輩、この後どう動きますか?」
「颯太郎さんは僕たちが屋根に登ったのを見てから太一を撃ったから、もう僕たちの居場所はバレてる。諏訪隊の三人がここに来るのも時間の問題だ。」
「となると、奇襲でまずは1人落として、颯太郎先輩の射程に入る前に接近戦で決めたいですね」
「そうだね。でも今は諏訪隊はバッグワームを起動しているから場所が分からない。奇襲して、その後そのまま正面戦闘しか道はないみたいだね」
「了解です。一点でも多く点をとりましょう」
「なんと!アイビスを設置して本人だけが密かに移動していた!」
桜子がそう言うと、時枝と東が颯太郎の動きを説明する。
「颯太郎先輩は早川くんを撃ったあと、太一くんに狙撃した場所が割れるのを予測して作戦を立てていたと思います。結果として、来馬先輩と村上先輩をおびき寄せることが出来ました。」
「あそこで敢えて自分の居場所を相手に伝えて、あたかも自分はそこにいると思わせるのが狙いだったんでしょう。あそこで笹森隊員が早川を落としていれば、来馬と村上は諏訪たちを奇襲していたでしょうから。」
「なるほどー!おっとー!来馬隊長と村上隊員は諏訪隊がいた場所まで戻るようです!諏訪隊はどう動く!」
「鈴鳴の2人がこっちに向かってきてるぞ。」
サイドエフェクトを使い敵の接近を知らせると、隊長の諏訪が指示を出す。
「よし、俺らはバッグワームを解除して行くぞ」
「バッグワームを解除せずに、奇襲した方が良くないですか?」
笹森がそう言うと、諏訪と堤が答える。
「俺らが敢えてレーダーに映りゃ敵は攻めてくるしかねー。あいつらは接近しねーと点が取れねーからな。」
「そこを俺らの得意の中距離で攻めるってことさ。」
「なるほど」
「兄貴はサイドエフェクトで敵の位置を随時探ってくれ。」
「了解だ。精度を上げるために少し近づくよ。」
「さあ、もう2点取りに行くぞ!」
「諏訪隊がバッグワームを解除してる!」
オペレーターの今がそう言うと、来馬は相手の狙いを予測し始めた。
「僕らが奇襲で接近戦を仕掛けるしかないって分かってておびき寄せようとしてるね。」
「でも俺らは接近するしかないので、誘いに乗るしかないと思います。」
「そうだね。相手も奇襲されることが分かっててバッグワームを解除してるはずだから、何か作戦があるのかもしれない。スピード勝負になるよ。」
「了解です。レイガストのスラスターで一気に距離を詰めるので、援護お願いします。」
「分かった。頼んだよ、鋼」
桜子の実況に対し、時枝、東の順に解説する。
「諏訪隊のすぐそばまで鈴鳴が近づいている!鈴鳴はここで決めに行ったか!」
「時間が掛かれば掛かるほど不利になるのは鈴鳴です。それをお互い分かっているはずなのですが、諏訪隊は敢えて短期決戦を挑もうとしているのが不思議ですね。」
「最後は自分たちの得意分野で正面から倒す。諏訪らしい考え方ですね。鈴鳴は最初の一撃でどれだけダメージを負わせることができるか、諏訪隊はどれだけ落とされないかが鍵となってきますね。」
「なるほどー!さあB級ランク戦ROUND 1もいよいよ大詰め!果たして勝つのはどの部隊か!」
決着の時は近い
今回はキリが良かったので少し短いですけど、終わらせました。