VENUS EATER〜アラガミを性の対象として見るのは異常者ってマ?〜   作:はんぺんコロッケ

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人生初投稿です。
何分不馴れなので暖かく見守ってください。

本作はR-15タグですが、R-18へ移動した方がいい場合はお手数ですが感想欄で知らせるなどしていただけると幸いです。

それでは本作をお楽しみ下さい。

※今話は説明が多く、地の文が殆どです。


一秒でも長くこの逢瀬を長引かせたい

 平原と呼ぶには些か緑が足りなすぎる荒野、嘆きの平原と呼ばれるそこには空爆後の様な破壊痕が広がっていた。

 

 

『――アラガミ沈黙。お疲れ様ですイブキさん、今回も危なげなく勝てましたね!』

 

 

 ヘッドセットのインカムからはノイズ混じりにオペレーターの声が聞こえる。目の前で斃れる巨体を観察しながら通信に応答する。

 

 

「ヒバリもお疲れ、サポート助かった。周囲にアラガミは?」

 

『周囲にアラガミ反応ありません。しばらくは安全です』

 

 

 毎回の様に確認しているせいかこのやり取りは半ば恒例化しており、ソロ出撃の際はこちらが聞くより早く応えてくれる事もしばしばある。とはいえ、出撃直後に小型アラガミは一掃してあるためこの結果は必然でもある。

 

 しかし、ミッションはここからが本番だ。この時間帯に平原近辺で作戦を行ってる部隊はない。同一地区で複数の部隊が作戦を行うのも不可能な為、此処にはイブキと目の前のアラガミ――ヴィーナスしかいないのだ。

 

 

「ヒバリ、聞こえるか?」

 

 

 マイクの音をミュートにしてからヒバリに呼びかける。数秒の後、返事が返って来ないことを確認してほくそ笑む。今日も整備班の魔改造ヘッドセットは絶好調だぜ。

 

 

「ふふ、ふはは、ははははははははは!!!」

 

 

 敵影なし、味方もいない、通信は漏れない、おまけに帰投のヘリは他の部隊へ優先させるように手回し済み! 完璧じゃないか。

 さて、時間は限られてる。一刻も早くその身体を堪能させてもらおうかぐへへ……

 

 俺はヴィーナスの嘆きの平原――否、喜びの丘陵へと手を伸ばす。双丘をむんずと掴み、感触を味わう。

 

 ――プリンプリン。

 

 ケーキのスポンジの様な手触りを残し、手を離すとまるでスプーンでつつかれたプリンの様にその身を揺らす。

 ……最高だ。流石は美を追い求めたアラガミ。その肉体の優雅な造形美もそうだが、感触まで再現するとはあっ晴れだ。俺がヴィーナス狩りの常習犯となって久しいが、何回味わってもこの感触は飽きない。

 終いにはヴィーナスの討伐ミッションが優先して俺に回させるようになってしまった。

 

 手の中で弾む感触を楽しみながら、俺は今日に至るまでの自らの来歴を振り返る。

 

 

 

 

 刈萱(かるかや) イブキ、階級は強襲兵曹長で極東支部第三部隊の所属だ。元々の任務はエイジスの護衛や、手が空いている時はエイジスの資材集めの為にアラガミ討伐にも駆り出された訳だが……現在は防衛班に統合されているのだが、その原因は極東支部で起こった【エイジス計画】関連の事件によるものだ。

 

 エイジス計画とは、アラガミの驚異から人類を守る為に、全人類を収容可能なシェルターを作って皆で引き籠もる計画だ。

 

 しかしその後、当時技術開発統括責任者であるペイラー・榊博士により提唱された「ノヴァの終末捕食」説によって計画の続行が危ぶまれたのか、エイジス計画は秘密裏に凍結された。

 そしてその代替として立案された【アーク計画】は、ペイラー・榊博士率いる第一部隊により暴かれ、これを阻止。その際の事故により前支部長のヨハネス・フォン・シックザールは故人となったとデータベースには記載してある。

 

 エイジスの護衛任務を請け負ってた身としては、こちらが閲覧可能な地図に載っていない道もあり、ここで何かが行われていた事は察していたが、深入りする事はなかった。

 後にシックザール支部長本人から知らされたアーク計画も、大まかな概要を理解してもアラガミのいない世界に旅立つ事はしなかった。

 なぜならその時には既にヴィーナスの虜になっていたのだから。

 

 

 

 

 第三部隊は古参のゴッドイーターが多い。元々アラガミの多く集まるエイジスへの護衛は危険性が高い上、支部長から【特務】――これはアーク計画の為の任務だったのだろう――を部隊単位で依頼されるなど、ベテランのゴッドイーターでなければこなせない様な任務が多かったのである。

 

 ヴィーナスに出逢ったのも、特務で極めて接触の少ないアラガミの討伐を請け負った時だ。この世では存在し得ない様な極上の美に俺はすぐさま惚れ込んだ。

 

 それからはヴィーナスとの逢瀬を繰り返す為、特務を受注しまくり、逢瀬を仲間に邪魔されない為に単独任務の数も増やした。当然ヴィーナスばかり狩るような事もせず、難しい任務を単独で受注しまくった。

 

 そんな博打染みた行動を繰り返す内に実力はメキメキと上達し、いつしか『ソロ狩り』のイブキと呼ばれるまでになった。

 

 そんな俺がなぜ軍曹なのかというと、一つは秘密裏に特務をこなしていた事が原因だ。一部のゴッドイーターには部隊長としての責務として特務が課せられると言っていたみたいだが、その実はエイジス計画――実際はアーク計画――の為の任務だった訳だ。

 そんな秘匿性の高い任務を部隊長でもないゴッドイーターが受け続けても、昇進するわけが無い。それ以前に第三部隊への特務は受注側のオペレーターにも秘匿されていたのだから。

 

 そして二つ目の理由が重大な軍規違反が原因だ。実は俺もアーク計画の箱舟に乗れるチケットは貰っていたのだが、当然辞退。箱舟が打ち上げられたゴタゴタに乗じて神機を任務の受注も申請も無しで持ち出し、ヴィーナスを探しに行ったのだ。

 

 通常なら査問委員会の処分待ちなのだが――順当に行けば解任だろう――アーク計画が極東支部部外秘になり、事実関係を隠す為に査問委員会の処分は免除されたのだ。もっとも、謹慎処分と降格処分を受けた上でだが。

 

 そういった理由で、ヴィーナスのお体堪能中という訳である。やっぱアラガミいなくならなくて正解だわ。他の奴には言えないけど。

 

 

 

 

『イブキさん、帰投のヘリが間もなく到着します。ポイント情報を送るので、そこで待機をお願いします』

 

 

 そんな事を考えていると、インカムからヒバリの声が聞こえてきた。マイクのミュートを解除し、片手でプリンの感触を楽しみながら応答する。

 

 

「早いな、他の部隊はもう帰投しているのか?」

 

『ええ、最近はアラガミも減ってきていますし。それにイブキさんは単独任務なんですから、他の方より帰投は優先されますよ』

 

「なる程、了解した。ありがたく帰投させてもらうよ。今からポイントに向かう」

 

 

 畜生。もっと味わっていたかったのに……神に慈悲はないのか。

 そういやこの世界の神は人間を喰らうクソ野郎だったわ。ただしヴィーナスは除く。

 

 仕方ない、今日はここまでか。俺は麗しの女神から手を離すと、その亡き骸を神機で捕食した。そしてコアが回収できた直後、目の前のアラガミが霧散していく。

 コアの回収を遅らせたのはその場に肉体が残るからだ。俺の目的とも合致する。

 

 そして帰投ポイントへ向かう。

 

 次の逢瀬は何時になるかな。できればなるべく早くがいい。その為にはカモフラージュとして他のアラガミも狩らなければ。まずハガンコンゴウ、次にアイテール、そしたらセクメトでも行くか?

 

 肩に担いだハンマーから確かな重みを感じながら、その場を後にした。

 

 




・用語説明

※注意! 必要ない方は読み飛ばしてもストーリー上影響ありません。非常に長文です(1,000文字程度)



【アラガミ】
突如現れた謎生物。オラクル細胞の集合体。既存のあらゆる兵器は(核さえも)効かず、アラガミの体を作るオラクル細胞による攻撃出ないとダメージを与えられない。

【オラクル細胞】
一個の細胞で考えて食事もするつよつよ単細胞生物。地球上の物質は何でも食べる。例外は同族のオラクル細胞(アラガミの体)だけ。
こいつが集まってアラガミという生物になる。
その際に足なら足、目なら目の機能を果たす器官になる為万能細胞である。

【オラクルCNS】
別名︰コア。アラガミの脳みそ。体を動かす為に全身のオラクル細胞に命令を送るリーダー役。こいつをぶっこ抜くとアラガミは形を保てず、細胞単位で散り散りになる。逆に言えばコアを破壊しない限りアラガミは動き続ける。
コアはGOD EATER世界での貴重な資源なのでゴッドイーターはアラガミを倒すと必ずコアを持ち帰る。
本作ではコアを回収してしばらく経つとアラガミは霧散する。
コアを回収せずに放置し、その後アラガミが復活する前にコアを回収するとすぐさま霧散する。

【第三部隊】
GOD EATERではエイジスの護衛を受け持つ部隊。
本作ではそれに加え支部長の特務も受注している設定である。

【特務】
ヨハネス・フォン・シックザール支部長が部隊長に課す任務。秘匿性が高く、他の隊員は連れていけない上、作戦で手に入れた素材は全て回収される。
その代わりに報酬(金銭)は破格。
部隊長ではない隊員(ソーマ)も特務を遂行していた事実があり、本作では第三部隊全体に特務を遂行させていた設定。

【エイジス計画】
全人類壁の中に引き籠もったろ計画。しかしアラガミは日々進化しているのでそのうち壁はぶち破られる。

【アーク計画】
エイジス計画を隠れ蓑として進められていた計画。
ノヴァの終末捕食を宇宙に行って回避したろ計画。尚、終末捕食のタイミングはコントロールされている。
シックザール支部長は自ら人工のアラガミとなり終末捕食を引き起こすノヴァを第一部隊から守ろうとした。この時点でシックザール支部長の生存は不可能となる。
本作では、終末捕食のコントロールとシックザール支部長の死の真相は一般のゴッドイーターには知らされていない設定である。

【ノヴァの終末捕食】
ペイラー榊が提唱した一説。
アラガミは互いを喰い合う為、そのうち一体のバカでかいアラガミになって地球上の生物を地球ごと食べちゃう説。
ぶっちゃけ説得力ない。
地球を食べたアラガミは、全ての恵みを地球に均等に分けるから、地球の歴史をリセットできるよ!やったね!

【ハンマー】
本作の時間軸はGOD EATERのストーリークリア後なのでGOD EATER2以降のハンマーは存在しない。
本文で出てきたハンマーとは、かの有名な激重ハンマーである。つまり武器の分類的にはバスター(大剣)である。
余談だが、主人公はヴィーナスをダウンさせて揉みしだく為にこの装備にした。
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