ピン…ポーン…
「ん?今出まーす」
誰か来たようだ。
前にいきなりファンがやって来たときは通報したくなった…顔出したら気絶したやつらと昇天してるやつらが居てカオスだったなぁ…。
「やあ。遊樹くん」
「ああ、大家さんで…す……か………アンナ⁉明日来るって言ってなかった⁉」
「へへっ…来ちゃったぜアニキ」
我が愛しの妹がはにかみながら言ってきた。久しぶりのアンナの笑顔により俺の脳はスパークを繰り返し、そして――
「ちょっとケーキ買ってきます。大家さんは紅茶とコーヒー淹れておいてください」
俺は光の速度を超えてヴェルズ・ショコラケーキの店へアクセルシンクロオオオオオオオオオオオオオオ!
「え、ちょっとええ?」
「ア、アニキ…速すぎ…」
――――――――――
「買ってきました」
「ああうん速いね…ここからその店、歩いて20分はかかるはずだけど5分くらいしか経ってないよ?」
「アニキが更に人から外れてる…」
なんかもう疲れた表情の大家さんとアンナ。うん。帰る途中で俺も「人間やめ始めたな」って思った。
「とりあえず、ヴェルズ・ショコラケーキを3つとヴァイロン・ショートケーキを3つ買ってきました。どっちか選んでください」
アンナの嗜好が変わってるかもしれないから二種類買った。どっちも600円超えてるけど稼ぎもあるし、店長が「貴方のお陰で売り上げが2割上がりました」って言って100円くらいなら値引きしてくる(強制)からまあ、そんなに高いとは思わない。
「うわ高そうなケーキ…」
「だいたい計4000円か…」
「アンナ、遠慮しなくてもいいぞ。大家さんは稼いでるでしょう?」
「まあそうなんだけどね…年下からケーキを奢られるのはどうにも…」
とか言いつつショコラケーキを取る大家さん。この人はあそこのケーキが好きだからな。アンナはショートケーキを取った。俺はショコラケーキだ。
「で、アンナ?なんでここに?」
「あ~。チケットの日にちを間違えてて…で今日ここに着いたからどうしようか悩んでたらそこの大家さんに話しかけられて」
「ほら写真を前に見せて『もしこの娘を見かけたら俺の部屋に送ってください』って言ってたからね。まさか本当に来るとは…君なら迎えに行きそうだし」
アンナらしい理由だなぁ…それを見越して大家さんに伝えておいて良かった…。
「アンナらしいな…まあうん、勝手に男性についていくなって言いたいけどどうせデュエルで倒せばいいしな」
「ハハハ…怖いね…遊樹くんの指導を受け、他のプロデュエリストの指導まで…少なくとも私じゃ勝てないかな」
「海美ねーちゃんとかの紹介でいろんなプロに教えてもらったからな。アイツに会ったら絶対デュエルしてやる…!」
なんかめちゃくちゃ強くなったんだよなぁ…。実力はたぶん…並のプロより上になっちゃったからきっと遊馬くんは負けるだろうな…。
「アンナ、フライングランチャーはどうした?」
「それなら廊下とかエレベーターとかだと邪魔だから大家さんに預けた」
「あれ、ランチャーだったのかい…」
兵器だもんなぁ…あれ。俺もひとつ持ってるけど正直使わないし走ったほうが速いし」
「それはアニキだけだと思う」
「それは君くらいだろう…」
「口に出してたか…やっぱり人間やめてるな…身体能力とかは特に」
最近はドローだけで風が巻き起こって相手が転ぶことがあるし。デュエルマッスルってこれかな?
「いったい何をどうすればそんなことになるんだい?」
「わかんないです…あれかな、アイツらから逃げたりしてるから?」
自転車で追いかけられたり大人数から逃げたり…ファン怖い。
「それもあるんじゃ……ああ、もうアイツらめ…」
お疲れさまです…
「アイツら?」
アンナは知らなくていい。アイツらは変態だから教育に悪いし怯えさせることになる。
「私はアイツらにいろいろ言い聞かせて来るよ…」
「ええと…お願いします」
大家さんは苦労人
デュエル中のモンスターの戦闘描写は
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いる
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いらない
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ヌメロン集めたぞ!