王国歴682年5月21日
15歳になった。とはいえ俺にとってはめでたいことではないが。
本当に政治に興味がねえんだよ!国王にも息子いるだろ!?そもそも俺は国王になる気はないんだから御輿にすんなよ貴族ども!
そもそも俺は国に縛られたくねえんだ。外の国にでも旅に出てもいいかなぁ…。甥のナッシュはそれなりに聡明だし国を統治する能力もある。俺は外に出ても何ら問題はない。
気になっているのは竜の国と極東の島国辺りだ。竜というのは我が国にはいない。居ても龍、つまりトカゲに近い見た目のほうだ。しかもそんなに強くなかったんだよなぁ。一撃で鱗にヒビが入るくらいには脆いけどそれでも生物の格としては最上位なんだが。
それに極東のは独自の文化体系で観光に行きたいとは数年前から思っていた。喜楽という一族はうちと交友関係にあるしちょっとなら行ってもいいだろう。
「この言語は92字で英語とかのヨーロッパ系統の言語みたいな単語の構成。文頭は主語だけどそれ以降は日本語に訳す場合、後ろから並べるのか」
「ちょっとめんどうな言語ですね。それにしても日本語に訳すとだいぶ軽い感じな文ですけど…」
「日本語のように多彩な言い回しがある言語だったようだ。一人称だけで俺、我、僕、私、己などもある」
「言語としては日本語に近いのか。でもなかなかに珍しいな」
「ですね。英語なら一人称はIくらいしかないですし」
「ちょっと面白いな。それと喜楽は漢字みたいだな」
「交友があったようだな。それ故に他の国の言語も入っているのだろう」
前世の日本とは本当に違う世界なんだな…。
王国歴682年6月30日
もうやだこの国出る
「おい」
「なんか一気に幼児退行しましたね…」
王国歴682年7月1日
とりあえず、衛兵の目をかいくぐって王宮から城下町に出た。
ついでに今までの貯金もすべて持ってきたし換金できそうな金とかも持ってきてるから当分は金に困らない。
城下町も出たし保存食や武器やらも手に入れた。まあテントは自作だけど。
「アグレッシブだなこいつ」
「縛られるのが嫌いすぎません?」
「こんなでも本当に有能だったはずだが…まあこんなだから好きなように生きていろんなものを作ったのであろう」
王国歴682年7月30日
王国の辺境まで来た。あとは関所を越えるだけだが…。まあ予想通りに関所は厳重だな。俺が脱走したってのは伝えられてるからだろうし…。
まあ夜闇に紛れて精霊術を使って飛び越えたんだけど。俺を捕まえるなら精霊術に対する対策もしてなきゃな。まあ実力を隠してたから仕方ないけど。
というわけであと一つ国を越えれば竜の国だ。
「俺みたいだな。自分では無理そうなところは精霊に頼る」
「精霊?」
あれ?言ってなかったっけ?
「あとで説明する」
「はあ…」
王国歴682年9月13日
この国大きいなぁ…まああと二つ街を通れば竜の国。
路銀が尽きかけたから魔物を狩っていろいろな素材を売って稼いだ。俺にかかれば平均的な平民の取得の一週間分を3時間で稼げるから。
まあちょっと闘狼の群れと戦ったときはホントに死にかけた。やっぱ戦いは数だな。うん。
龍はこの辺りにいないから実質闘狼がここの生態系のトップだ。
「こいつだけラノベの世界にいる…」
「魔物なんてものがこの世界には居たんですね…」
「闘狼って確か…軍が出動するような魔物であったはずだが…」
王国歴682年9月20日
竜の国に着いた。ここは母国とはだいぶ建物も違うな。国境を越えて少ししか経ってないのに実感できる。木造で大丈夫なのか?燃えそうだが…
ルゥという少年と出会ったが…珍しく金髪だった。それに話している最中に強い視線を感じた。たぶん…ルゥは竜の子と呼ばれる存在だ。竜に育てられた孤児だろう。まだ小さいからそんなに人間に対して悪感情を抱いてはいないようだがもし竜を傷つけられたら人間を憎悪するだろう。
俺としては別に戦わなくてもいいが…戦いたいという気持ちはある。
竜が引きこもり体質なせいで人間との交流もほぼないだろうし…。
ルゥ…いったい何エルなんだ…
デュエル中のモンスターの戦闘描写は
-
いる
-
いらない
-
ヌメロン集めたぞ!