【完結】ドクター「オペレーターと仲良くなりたいけどどうすれば良い!?ミッドナイト!」 作:塊ロック
自分の能力が隠密向けである事を利用して、ずっと。
ロドスに入ってから、私はずっとドクターを見ていました。
私が、ロドスに来る切欠になった人。
私が、ロドスをお家だと思える理由になった人。
私が……ずっと、傍に居ても良いと思った人。
「そう言えば、どうしてドクターはマンティコアに気付けるんですか?」
翌日。
俺の事を見捨てたヤツ第一号ミッドナイトがいけしゃあしゃあと話しかけてきた。
「何でだろう」
「分かってなかったんですか」
「本当に理由は判らない。ただ何となくそこに居るなって」
「やっぱりそう言うとこ敏感じゃないと戦闘指揮とか出来ないんでしょうか」
「どうだろうな。指揮官としちゃ甘ちゃんの二流だと思ってるが」
「最後まで甘さを捨てきれない人の方が俺は信用しますよ」
さて、今日はマンティコアと話をしようと思っている。
ただ、ケルシー先生からはストレス厳禁と筆談を言い渡されている。
彼女はあまり長く喋れない。
症状なのかどうかは判らないが、たどたどしい喋りを長く続けさせるのも酷だろう。
「……それで、彼女は何処にいるんです?」
「……さぁ?」
「えっ、どうするんですか!?」
「いや、どうしよう……」
「部屋にも居ないしな……どうしたものか」
「おうジョージ。どうした?」
そんな所へ、エンカクが通り掛かった。
「マンティコアの追跡、か。悔しいが俺もアイツを捉えられなくてな」
「彼女を見つけられるオペレーターは早々居ない。それだけ彼女が優秀なんだ……まぁ、聞くのはお門違いだけど、何かサルカズとかで追跡術は伝わってないの?」
冗談めかして聞いてみると、エンカクから割と大真面目に返ってきた。
「ふむ、そうだな……ジョージ、追跡の基本は何だと思う」
「え、えぇ、真面目に返ってきた……。痕跡だろ」
「その通りだ。偵察行動を行う斥候は、様々な痕跡から敵の陣地、人員の配置状況、障害の位置、通信施設、指揮所、火力戦闘指揮所、弾薬集積所の位置を掴み、攻撃計画の作成に必要な情報を報告し、目標を破壊する」
「ふむ……」
エンカクが続ける。
「性能の高い斥候には50人の価値があるとも言われるな」
「そんなにか……」
「今回、追跡対象はマンティコア……特殊オペレーターの中でも更に尖ったやつだ」
「いつも助かってる」
「存在を知ったなら次は追跡だ。奴の痕跡を探せ。足跡、飲食物、関わった人物、匂い、気配、何もかもをしらみ潰せ」
「……わかった。助かった、エンカク」
「俺はお前の武器だ。好きな様に使え」
さて、マンティコアを見付けよう。
――――――――――
あっさり見つかった。
ロドスの屋上、その片隅で彼女は空を見上げていた。
「マンティコア」
「どく、たー」
「いいよ、座ってて。はい」
メモ帳とペンを手渡したが……やんわりと、断られた。
「良いのか?」
「うん。だって……私、ドクターと……話したいから」
たどたどしい。
けど、いつもより強い意志を感じる。
「そっか。昨日のあれは、何だった?」
マンティコアの隣に腰掛ける。
懐から魔法瓶の水筒を取り出してコップに中身を注いで渡した。
マンティコアがコップに顔を近付けて匂いを嗅ぐ。
なんてことはない、ただの紅茶。
「最近、ドクターの周り……人が、増えた」
「そうだな……気が付いたら、沢山いた」
「皆、ドクターの事……好き……だと思う」
「そう、かな」
明確に好意を寄せてくる女性オペレーターはまだしも。
男性陣は果たしてどうなんだろうか。
「ずっと、気になってた」
「え?」
「ロドスに……入る前から」
「え?何それどういう事……」
マンティコアが加入したのは割と最近のこと。
それこそ、俺が記憶を失った後に。
「ずっと、見てた」
「………………」
「知りたかったから……わたしに無いもの、持ってるドクターを」
「知れた?」
「………………わからない」
「だよなぁ。見てたってわからない。触れ合わなきゃ理解なんて出来ない。マンティコアは勇気を出してくれたんだな」
マンティコアの頭を撫でる。
急に触ったから、彼女の肩が跳ねる。
「戦わせてごめんな」
「気にかけてくれて、ありがとう……でも、私は……戦える、よ」
「一応、ロドスは製薬会社なんだ。一握りの慈悲だけは、捨てちゃいけないんだよ」
「………………」
夕暮れが俺達を照らす。
「ねぇ、ドクター」
「ん?」
「また、お話……したい」
「良いよ。いつでもおいで」
――――――――――数日後。
ケルシー先生から、マンティコアが若干前向きになった様だと言われた。
何のことでしょうね、とちょっとだけはぐらかした。
これは、彼女の勇気が呼んだ結果だから。
「ふーん、あの子が」
「なんでいんの君」
その経緯を洗いざらいヴィグナに吐かされていた。
なお、俺の淹れたコーヒーとお茶請けにカスタードプリンがテーブルに置かれている。
「今日の秘書はアタシよ」
「そうだっけ……で、俺なんでそんな事をはかされてるの」
「返事してくれない癖に他の子に構ってたから」
「………………ごめん」
「謝るなら早く答えて欲しいわ。まぁ、忙しいだろうし大目に見てあげる。色々気にかけてるみたいだし」
「マンティコアは……周りと打ち解けられるかな」
「あの子次第でしょ。でも……そうね。ドクターと話して勇気が出せたなら大丈夫でしょ」
「いやに今日は優しいな」
「これでも、いちおう認めてるもの」
やめてストレートにそういう事言わないで。
心臓もたないよ……。
「友よ、会いに来……おっと、お邪魔かな」
「シルバーアッシュ。そういう訳じゃないが」
「こんにちは、シルバーアッシュさん。今はドクター独り占めしてるわ」
「おい」
「たまにはアタシに構ってくれないかしら?」
「っ〜〜〜!!!」
「……また日を改める」
「アッ、頼む待ってくれ!」
「お呼びでしょうかDr.ジョージ」
「お前は呼んでねぇぇぇぇぇぇ!!!」
シルバーアッシュの後ろから這い出る混沌、スペクター。
シルバーアッシュちょっと白目剥いてる。
「出たわねサメ女!」
「えっ何そのあだ名」
「さぁ退いてくださいヴィグナさん。また先日の様に無様に床に転がして差し上げましょうか」
「ぐ、ぐぬぬ……」
バチバチと二人の間に火花が散る。
俺は逃げようと立ちあがった瞬間手元に万年筆が刺さったので大人しく座った。
スペクター、良いものなんだから大事にしなさい(現実逃避)。
「ドクター」
「あー、フィリオプシス?ちょっと建て込んでるからまた後で」
「おやすみ」
「待て待て待て待てWaitWaitWaitWaitウェィッ!!!」
この子普通に傍まで来て寝始めたんですけど?!
俺は背もたれじゃねーっての!!
「む、フィリオプシス……!」
「羨ましい」
もうスペクターのキャラが行方不明だ。
あの頼れるが恐ろしくもある前衛スペクターの面影は見るも無残だ。
誰がこんなふうに……あ、俺か。
その瞬間、二人の間に何かが横切った。
ヴィグナはキョトンとしていたが、スペクターはすぐさま反応して上を向いた。
俺とヴィグナが釣られて天井を見る。
「喧嘩は……駄目……」
天井に、マンティコアが居た。
「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?!!?!???!!」」
俺とヴィグナは叫んだ。
――――――――――
「えーっと、マンティコア?」
結局、あの後ヴィグナとスペクターは訓練室に向かっていった。
そして膝の上でフィリオプシスが爆睡。
俺はマンティコアと接客用ソファに向かい合って座っていた。
「ねぇ、ドクター」
「なんだ?」
「ここは……温かいね」
「そうだな……」
「皆、気にかけて……くれてる」
「マンティコアは大事な仲間だからな」
「仲間……」
「嫌か?」
「ううん……前に居た所に……そう言ってくれる……人……いなかった」
「そっか」
マンティコアにココアを渡す。
彼女はそれをちびちびと飲んでいる。
「ここはお前の家だ。俺も、俺たちも……家族みたいなもんだ。頼ってくれても良い。甘えてくれても良い」
「うん……」
「助けてって言えば、絶対誰かが助ける」
「ドクターは?」
「言うまでもないだろう」
マンティコアの頭を撫でる。
「絶対助けてやる」
せめて。
ここで暮らす彼女たちの為に……俺は最後の慈悲だけは捨てたくない。
「うん……ありがとう、ドクター。わたし、帰るとこ、ないから……ここ、ロドスがお家……これからも、この場所を、守らせて……」
「礼を言うのはこちらの方だ。いつもありがとう」
「うん……」
日が暮れるまで、二人でずっと夕暮れを眺めていた。
マンティコア編、完。
実は公開求人で初めて出た高レアが彼女だったんですよ。
要所要所で活躍してもらってます。
さて、次回は……アンケートを設置します。
男女のオペレーター、どちらを口説くか。
そろそろネタ切れなので最終話近いかも……。
次に口説くのは
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男!
-
女!
-
いい加減意中の人を出せ!