【完結】ドクター「オペレーターと仲良くなりたいけどどうすれば良い!?ミッドナイト!」 作:塊ロック
「……ああ」
「駄目だよー?昔から、夢中になると全部忘れるんだから」
「そんな事は」
「アタシの目はごまかせないよ~」
「……エフイーター。分かっててやってるだろ」
「バレた?……記憶喪失って、本当だったんだ」
「ああ。すまん」
「何で謝るのさ。ドクターは……ジョージは悪くないって」
「それでも、覚えてない事に変わりないから」
「そういうところは、そのままだね」
「良く言われる。実感無いからあまりいい気はしない」
「……そっか、覚えてないか」
「ラヴァの様子が気になる、ですか」
その日の夕方。
ミッドナイトを捕まえてそんな話をしていた。
「ああ。今日の彼女、ちょっと心ここに在らずって感じだった」
「良く見てましたね。確かに言われてみればぼーっとしてましたけど」
「何となくだけど原因は予想出来ない物か……」
「ふむ……」
そう言えば、ラヴァには天敵が居るって話だったか。
「ミッドナイト。ラヴァの天敵に心当たり無いか?」
「彼女の、天敵、で、すか?」
「ああ。確かロドスに配属になった時そんな事を言っていた気がする」
「ぜ、はぁ、そ、そうなん、ぜぇ、で」
「ちょっと行ってくるわ。あと頑張れよ」
「ど、どく、おえ、何であの人ずっとルームランナーで走れるんですか……」
――――――――――
「ラヴァ」
シャワーで汗を流した後、ラヴァを探すことにした。
……まぁ、ロドスの屋上の庭園の一角に居たんだけどさ。
「ドクター?どうしたんだ」
「ちょっと話がしたい。ダメか?」
「次の標的はアタシって訳か」
「そんなつもりはない。それに本当にその気ならもう手は出てる」
「え、じゃあヴィグナも……」
「その気が無いから手を出してないって事だ」
ラヴァの隣に座る。
しかし、何で皆ヴィグナの事知ってるんだか。
「イマイチ信用ならない」
「えぇ……」
「まぁ、でも……相談くらいは、良いか。一人で考えてるのもいい加減飽きたし」
「えぇ……???」
「アタシ、さ。最初の挨拶の時に天敵が居るって話したろ」
「言ってたな。ハイビスカスの事だろ」
「!……ってまぁ、そりゃ知ってるか」
……医療オペレーター、ハイビスカス。
彼女とラヴァは血縁関係にある。
ラヴァは妹だ。
「お姉さんは、苦手?」
「苦手、と言うか……ちょっと、接し方が分からなくなってきたんだ」
「そうか……」
周囲から、ラヴァはハイビスカスの事が苦手だと思われている。
実際にはハイビスカスが過保護&強引なので押され気味なだけという。
「姉妹の仲は、流石に俺も分からないからな……俺にも兄弟とかいたかも覚えてないし」
「……すまん」
「気にするな。ラヴァもそうやって気の遣える子なんだ。ちゃんと伝えてあげればいいと思う」
「……そうやって何人落としたんだか」
「素直じゃないな」
「カッコ悪いだろ」
「俺はそうは思わん。でも、カッコ悪くても良いと思う。大事なのは気持ちだよ」
「そう、か……。本当はさ。ハイビスの事、嫌ってるわけじゃない」
「それは知ってる」
「昔の事は昔の事……この命は、アイツが繋いでくれた物なんだ」
「うん」
なら、と俺は続ける。
「感謝は、言葉に、形にしないと……伝わらないよ」
「……そうだよなぁ」
「ハイビスと、一度しっかり話した方が良いと思う」
「それは、分かってる」
「……怖い?」
「……実は、少しな」
「そっか、怖いか。じゃあ……その時はココアでも淹れてあげよう」
「なんだそれ。解決になってないぞ」
「女の子二人、甘い物食べながら喋れば自然とリラックスするさ。俺が二人にご馳走しよう。何が良い?何でも作るぞ」
「………………はは、なんだこりゃ。真面目に悩んでたのが阿保らしくなってきた」
ラヴァが笑う。
やっと笑ったな……。
「あーあ、ちょっとホッとしたら腹減ってきた」
「飴しか無いぞ」
「何で持ってるんだか……ドクター」
「ん?」
「今度、話してみる」
「……頑張れよ」
――――――――――1週間後。
「それで、ラヴァはどうなったんですか?」
「ああ、今日決行だそうだ」
「それでドクターが気合入れてケーキ焼いてるんですか」
「まぁな。今日は甘さちょっと控えめのチーズケーキ」
「ココアめっちゃ淹れるじゃないですか……」
「そうか?」
「ドクター」
ラヴァが、厨房の出入り口からひょっこり顔を出した。
「お、ラヴァ。頑張れよ」
「……ありがとう」
ちょっと、照れ臭そうに彼女は笑ったのだった。
ラヴァ編、完。
次回についてはそろそろ完結までの流れを決めたいですね。