【完結】ドクター「オペレーターと仲良くなりたいけどどうすれば良い!?ミッドナイト!」 作:塊ロック
「今日はありがとうございました、Dr.ジョージ」
夕方。
西日がスペクターの白い髪を反射しまたいつもと違った顔を見せる。
「このくらい、お安い御用だ」
結局、つけられていると聞いて警戒していたが……スペクターが楽しそうにしていたので気にする事は無くなってしまった。
「スペクター」
「はい?」
「ジョージで良い」
「……?」
スペクターが子首を傾げる。
俺は苦笑して彼女の頭を撫でた。
「いちいちドクターって付けるのは長いってこった」
「そう、ですか?」
「だろう?」
「……そうですね。では、ジョージ」
「なんだ?」
「呼んだだけですよ」
あはは、とお互いに笑う。
とても穏やかな一日だったと思う。
「……楽しかったか?」
俺も、なんとなく聞いてみた。
「……穏やかな日々と言うのも、悪くはありませんね」
「それなら、良かった」
「……でも、声が、聞こえるんです」
「声?」
「殺せ、殺せと」
「――――――」
スペクターを悩ます幻覚。
それがまだ、彼女を蝕んでいた。
「スペクター……」
「けれど、貴方と一緒なら……気にはなりません」
「……え、えぇ?」
「ですから、私は貴方と離れたくありません。どうかこのまま……今日」
「待てぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」
しなだれ掛かってきたスペクターがパッと離れ、その間を白と黒のシルエットが凄まじい勢いで駆け抜けて行った。
えっ、誰!?
「やっと出ていらっしゃいましたか、エフイーターさん」
「え"っ!あ、ぇっ……エフイーター……?」
「え、あ、あははー……やっほー、ドクター」
バツが悪そうに、闖入者エフイーターは笑っていた。
「何でここに……」
「え、あ、あはは奇遇だね」
「追跡者の一人ですわ」
「スペクター!」
あー、なるほど……確かにほっといても危害はないな、確かに。
ん?一人?
「………………」
遠方から誰か見てる。
マンティコアとヴィグナだ……。
「えぇ……」
その後ろにシルバーアッシュとエンカクとミッドナイトとマッターホルンとクーリエがいた。
バカヤロー多過ぎるわ。
「いやいやいやいや多いわバカヤロー!」
「これだけの人に見られながらジョージと逢瀬を堪能していて、私……何だか新しい扉が」
「開けなくていいからな!?鍵をしろ、厳重に!」
「へぇ、いつの間にか呼び捨てで呼び合う位仲良くなったんだ?」
「ええ、貴方がジョージを虐めてる間に」
「………………何だって?」
「違いましたか?」
…………………ヤバいやつだこれ。
だってスペクターとエフイーターの間になんかアーツ由来では絶対に無さそうな火花が散ってる。
周囲の出歯亀に助けを求める。
……居ない。
逃げやがったな!?
「「ジョージ」」
「へ、ァ、は、はぃ」
とびきりキレイな笑顔の美人二人がこっちを見た。
笑顔とは、古来より攻撃の合図である。
こわい。
たすけて。
「わたし、ドクター虐めた事なんてないよね?」
「ぇ、ぁ、ぁあそう」
「まぁ可愛そうにこんなに怯えてしまって」
「スペクター!離ろっての!」
「いだだだだやめろエフイーター離せ!」
「〜♪」
「待って待って待って待って待ってwaitwaitwaitwaitwaitウェイウェイウェイウェイウェイウェイスペクター締めるなたすけて!!!」
このあと、意識不明の重体につき緊急搬送された。