【完結】ドクター「オペレーターと仲良くなりたいけどどうすれば良い!?ミッドナイト!」 作:塊ロック
そろそろ話し畳んだ方が良いのだろうか。
『あのー……ドクター様?』
「ん?どうした?」
ここはロドスにある機械整備室。
オペレーター達が各々の得物を整備したり、必要な機材の手入れをするスペースだ。
そんな一角で、ドクター事俺は……目の前に居る白くて丸い何かを磨いていた。
『どうしてドクター様が私のボディを磨いているのでしょうか……』
丸っこいのが喋っている。
この丸っこいのはロドスの医療オペレーター……オペレーターというのは語弊がある。
彼女の名前は『Lancet-2』。
レイジアン工業謹製のレイジアンイグジスターシリーズS Typer62六輪作業プラットフォームだ。
俺は呼びやすく『ラン』と呼んでいる。
「どうして、か…やりたいからかな」
『理由になっていませんが』
「良いんだ。理由なんて無くても」
『理解しかねます』
「そうか?」
『機械の私には、ヒトの感情の機微なんて読めませんので』
「……何だ?拗ねたか?可愛いなぁランは」
『ちょっと、やめてくださいドクター様。そこは……』
「おー?そこは何だって?うりうりー」
『あ、ひゃ……や、やめ……』
一通りボディを磨き終える。
……表面にはそれでも無数の細かい傷が付いている。
「……傷、多いな」
『私の体は機械ですから。自然に治癒はしません』
「ごめんな」
『?なぜ謝るのですか?』
「君は決して頑丈じゃないのに俺は無理をさせている」
『……私の存在意義は、医療行為です。皆様が傷ついている方が、ずっと辛いです』
「そっか。君は強いな」
『私は強くありません。強力な攻撃を受ければすぐさま壊れてしまいます』
「そう言った強さの話じゃないよ……はい。終わり。綺麗になったぞ」
しっかり手入れしたので、白いボディが輝いている様に見える。
……そもそも俺は今日気晴らしに誰も使っていない時間を見計らって『切り札』の手入れと調整に来たのだが……途中で見かけたランがちょっと汚れていたのが気になったのだ。
『ありがとうございます、ドクター様』
「構わないぞ。可愛い女の子が汚れているのは見てられないからな」
『……ドクター様?私は機械ですよ』
「?クロージャは女の子だって言ってたぞ」
『クロージャ様……あの人は何がしたいんでしょうか』
「君の事可愛がってるから大事なんだと思うぞ」
『そうでしょうか。私の卑屈な発言を強化したり好みを勝手に設定したりされてますけども』
「自分の作った物には好かれたいだろうさ」
『ドクター様は、ご自分の作った戦闘部隊のオペレーター様たちに好かれたいのですか?』
「――――――」
言葉に詰まった。
それは、考えた事が無かったな。
『ドクター様?』
「え?ああ、すまん」
さて、どう答えたものだろうか……。
「……多分、そうだと思う。嫌われるより好かれたい」
『それは私にもですか?』
「そうだね。俺もランに好かれたいと思うよ」
『……そうですか』
「さ、良い子は寝る時間だ。格納庫に戻ってスリープすると良い」
『はい、ありがとうございました』
――――――――――
「……ドクター。アレ、どうしたんですか?」
ある日。
ミッドナイトが書類を抱えながら呆れたようにつぶやいた。
「アレって?」
「……執務室前のLancet-2ですよ」
「ああ、アレ?なんか昨日からずっと部屋の前でスタンバってる」
「ええ……」
「何でだろうな」
「いや知りませんよ」
「どうしてでしょうね……」
「うっわ!!?!?!スペクター!?!??!?!?!」
『異常な心拍を確認!!!ドクター様!!?ご無事ですか!!!!!』
「ラン!!ドア壊して入ってくるな!!!!!」
感想等ありましたらよろしくお願いします。