【完結】ドクター「オペレーターと仲良くなりたいけどどうすれば良い!?ミッドナイト!」   作:塊ロック

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勢いで書いた(白目

原作に何も掠りもしてないこのシリーズ、今回も盛大に喧嘩を売っていきます。

どうか最後までお付き合い下さい。


決戦、エフイーター

「ジョージ。ちょっと面貸してよ」

 

ある日。

いつものお茶会にエフイーターが乱入してきた。

 

「戸棚の上に――」

「来い」

「――判った」

 

有無を言わさぬ迫力。

俺は大人しく投降する事にした。

 

「……着いてきたら殺す」

 

……背後のメンバーにそう殺気立てで告げる。

やばくないこれ。

俺今日で死ぬかも。

 

俺が死んだら、PCの中にある鍵付きの個人用ファイルは全部消しといてくれCastle-3。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

ロドス、屋上。

今日もいい風が吹いている。

 

ただし、遠くの方の空模様は良くはない。

またどこかで天災が起きている、そんな気さえする。

 

「………………」

 

エフイーターは、柵に凭れて遠くを見ている。

俺は、そんな彼女の背中を見る事しか出来なかった

 

「ねぇ、ジョージ」

「なんだよ」

「やろう」

「は?」

 

エフイーターがスカジャンを脱ぎ捨てた。

いつもの、チャイナドレス姿。

 

だが、目だけが、闘争心でギラついていた。

 

「……本気か?」

「………………」

 

エフイーターは何も言わない。

ただただ構えて立っていた。

 

「……………」

 

観念して、俺も上着を脱ぎ捨てた。

息を吐く。

体の力を抜く。

普段以上のリラックス状態を作り出す。

 

「……………ハァッ!!」

 

エフイーターが地を蹴る。

 

――速い!!

 

「シッ!」

「!」

 

エフイーターが繰り出す手を払う。

そのまま掌をエフイーターの肩に当て――。

 

「せぇりゃっ!!」

「ごっ……!?」

 

それよりも前に右から脚が飛んできた。

この距離でハイキックかよ!

 

「このっ……」

 

堪らず飛のく。

頭がちょっとズキズキする。

 

「……それ、システマ?」

「なんだと思う?」

「じゃあそれね。ちゃんと鍛えてるんだ」

「………………」

 

今の一手でお互いの力量は大体図れた。

 

――俺では届かない。

 

けれど、

 

「ハッ……!」

 

軽く息を吐く。

システマは呼吸も動きも止めてはならない。

 

エフイーターに向かって軽く跳ぶ。

懐に――。

 

「舐めるなッ!」

「ぐ、ぎっ……!重いっ……!」

 

エフイーターの迎撃を辛うじて受け流す。

元カンフースター。

その肩書は一見ロドスでの活動になんの関連があるのか。

 

その答えは、カンフーを習得し極める事で得た称号である。

 

彼女の技は見せかけでは無い。

 

すべてが本物だ。

 

「本気を出せジョージ!」

「こなくそ!」

「甘いって言ってるんだよ!!」

 

腹に拳が突き刺さる。

堪らず片膝を突きかけて、耐える。

 

俺が、オペレーターの前で膝を着く訳にはいかない……!

 

「ジョージ!どうして顔と腹を狙わない!」

「やれる訳ねぇだろ!!」

「このっ、臆病者ッ!」

「がっ……」

 

胸に脚を突き通される。

防御が間に合っていない。

呼吸が乱れている。

持ち直さないとそのまま立てなくなるまで打たれ続けてしまう。

 

「エフ、イーター……何が、したい……ッ!」

 

うめき声の様な声が出る。

 

「うるさい……あたしがどんな気持ちでアンタの事見てたと!」

 

エフイーターの呼吸が変わった。

間違いなく、ここから吐出される言葉は真実だ。

 

その真実を受け止める為に、俺は背筋を伸ばし、体の力を抜き、深く息を吸う。

 

「あたしはね、アンタが後押ししてくれたから女優になったんだ!なのに、なのに!!」

 

エフイーターの手が動く。

俺はその手を捌く。

 

「あたしはそれを辞めた!辞めざるを得なかった!!」

「っ……!」

「アンタにどんな顔して言わなきゃいけないか必死に考えた!」

「ぐ、あっ!」

「そしたら、アンタは、お前は!全部忘れてる!!ふざけなぁっ!!!」

「あ、がっ……!!」

 

ガードをすり抜け、渾身の拳が顔を捉えた。

2、3歩よろける。

 

まだ、立っていられる。

 

「あたしはね、ずっと悩んでた!でも、ジョージは再会したときなにもいってくれなかった!!」

「は、はっ、げほっ、それ、は」

「口汚く罵って欲しかった!約束を破ったと責めて欲しかった!なのに!!アンタは!!」

「う、お、あ、あ、あ!!!」

 

俺は、最後の力を振り絞って駆ける。

 

「ふざけんな馬鹿――――――ッ!!」

「うるせええええ!お前なんか大好きだ馬鹿あぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「……………えっ?!」

 

スパァン!!

 

お互いの拳が顔に入った。

いやここでクロスカウンターになるのおかしいだろ。

 

「あ、」

「ぐ、え」

 

フラフラする。

お互いの手が頭から離れた。

 

エフイーターが俺に向かって手を伸ばした。

俺もエフイーターの手を取ろうとして、そのまま後ろに倒れた。

彼女の手を引いてしまったのでエフイーターが俺の上に倒れた。

 

……体温と柔らかさが伝わる。

 

「このタイミングで、言う?そ、れ……」

「仕方ない、だろ、が」

 

息も絶え絶え。

俺の方が瀕死。

 

でもエフイーターを抱き締める。

 

「そんな事、昔一度も言ってくれなかった」

「言えなかったんだろ、きっと」

 

昔の俺は想像以上に頑固だったらしい。

一度全てを忘れて、枷が外れたから伝えられたんだろう。

 

「……本当に?」

「……多分」

 

何分記憶がトンでるから確証はないけど。

 

「……女優、辞めた事。何かないの」

「いつか、治してやる」

「え……」

「俺が必ず……お前の鉱石病を治す……だから、その時は……」

「……ううん、女優は、もう良いんだ」

「なんだよそれ……戻りたかったんじゃないのかよ」

「違うよ……ジョージの傍に、居たい」

「あー……」

 

なんというか、こそばゆいなこれ。

って言うかヴィグナ達になんて言おう。

 

仲直りしました、とかだろうか。

 

「まぁ、俺もお前と仲直りできて良かった」

「え、仲直り?」

 

んん?

 

「ジョージ、あたしの事好きなんだよね」

「あ、ああ。人として」

「だと思ったよ!!ちくしょう!あたしの涙を返せ!」

「な、なんだなんだ!?」

「ここまで言わしといて!どうして!そんなこと言えるのよ!!」

「お、俺は……好意を持たれる程」

「あーもうめんどくさいなぁ!!」

 

がっ、気が付いたらエフイーターに片手で俺の両腕を拘束された。

もうボロボロだから抵抗できない。

 

「何を」

「既成事実よ!!」

「はぁ!?やめろ!年頃の女性が性交渉するんじゃない!」

「年頃だしジョージだからするんだっての!!抵抗するな!!」

「ちょっ、やめろ!せめて外はやめろ!!」

「中なら良いんだな!?」

「ちがっ、チョッ、離せ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――翌日。

 

 

 

「…………あー。やってしまった」

 

……隣で気持ち良さそうに寝息をたてているエフイーター。

お互いに全裸。

つまりはそういう事……ジョージ·アンダーソンです(´・ω・)ノシ

 

「………………どうしよ」

 

 

 

 

 

 




決着、着きましたかこれ……(

さて、そろそろ最終回です。
どうやって今まで建てたフラグを回収しましょうか……。

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