【完結】ドクター「オペレーターと仲良くなりたいけどどうすれば良い!?ミッドナイト!」 作:塊ロック
「シルバーアッシュの時もじゃないですか」
「気にしない気にしない。あ、来たよ」
「はいはい……ご武運を、ドクター」
「こんにちは、ドクター」
あまり感情を出さない声が、控えめに発せられる。
「こんにちは、フィリオプシス。調子はどうだい?」
「報告、フィリオプシスの体調に異常は見られません」
「それは良かった。フィリオプシス、ちょっと時間貰えないかな」
「確認。問題ありません」
「そうか、なら――」
「補足。種族の特性とウィルス感染の影響で会話の途中に寝てしまうことがあります。どうかお気になさらないで」
「わかった。眠くなったらいつでも言ってくれ。君の負担になることは避けるよ」
機械的に話すと言っても感情まで無くなっているわけではない。
彼女は重度の過眠症に苛まれていて、度々眠る姿が散見される。
……ライン生命で何をされたのか、聞く事はしない。
「了承。そして、話とは何でしょうか」
「そうだなぁ。フィリオプシスは、欲しい物とかある?」
――――――――――
「はい駄目ぇ〜!!駄目だよドクター、面と向かって聞いちゃ!」
「いくらなんでも直球過ぎますドクター……」
――――――――――
「はい?」
フィリオプシスが首を傾げた。
そしてイヤホンから聞こえてきたダメ出し。
えっ、えぇ?
「疑問。えらく唐突ですね」
「いや……何となく、フィリオプシスは何かを探している気がして」
「………………?」
――――――――――
「ほう、ドクターは何かに気づいたみたいですね」
「何か?何かって何さ」
「何かは何かです。フィリオプシスの欲しがっている物がドクターには薄っすら見えているのかもしれない」
「ううーん?フィリオプシスの欲しいものかぁ……難題だねぇ」
――――――――――
「探している……」
「ああ。良ければ協力させてくれ」
「思考。フィリオプシスはそれを自覚していませんでした」
ふむ。
彼女も無自覚で周囲に何かを求めていたらしい。
これは、良い傾向……なのかな?
少なくとも、ロドスに来たばかりの頃よりは。
『まさか、今の質問で流れを掴むとは……やっぱりドクターには才能がありますよ』
『女たらしの?』
『最初の一回目は男性でしたよ』
『じゃあ人たらしだ!』
『ホストですって!』
どっちも嫌じゃい。
「ドクター」
「うん?なんだい」
「解答。フィリオプシスは、安息が欲しいです」
「………………安息」
彼女の欲しい物。
それは……安息?
どういう意味だ?
もう自分が前線に出なくても良いってことか?
安息の世界?
「結論。フィリオプシスは……恐らく、一人で微睡むのが怖いのでしょう」
うっつら、うつらとフィリオプシスの頭が揺れる。
過眠症の兆候が出てきている。
「以前は……サイレンス、さんが」
「うん」
「近くに、居てくれました」
「そうか」
「でも、今は……居ません」
サイレンスは今他の患者の方に行っている。
ロドスの基地の中には居ない。
「自分が彼女の代わりにはなれないのか?」
「わかり、ません……」
「じゃあ、君が起きるまで……傍にいてあげよう。それなら寂しくないか?」
「………………」
「……おやすみ」
フィリオプシスをソファに横たわらせて、申し訳ないけど自分のコートを掛けてやった。
――――――――――――1週間後。
「おはようございます、ドクター。サボっちゃ駄目ですよ」
「してるって。見て、仕事してる」
アーミヤといつものやり取りしながら手は書類のサインを進めていく。
「……ドクター、珍しいですね。ソファで仕事するなんて」
「ちょっとな」
「あ、フィリオプシスさん……どうしてそんな所で」
俺の膝の上に頭を乗せて、フィリオプシスが眠っていた。
あれ以来、眠くなった時自分の所まで来るようになった。
これが彼女にとっての安息だったのだろうか。
「おはようございますドクター」
「おはよう、ミッドナイト。先週はありがとう」
「いえいえ。見たところ上手く行ったみたいですね」
「……ドクター、最近ミッドナイトさんと何してるんですか?」
アーミヤが何故かジト目。
悪い事は何もしてないぞ。
「アドバイスを貰っている」
「あど、ばいす?ミッドナイトさんから?」
「ああ。いつも助かってる」
「ドクターには好きな人でも居るんですか!?」
待って。
どうしてそうなったの。
「だって、ミッドナイトさんは元ホストです!女性を口説き落とす方法を……ハッ、まさかフィリオプシスさん?!」
「違うから。ちょっとアーミヤ、静かにして。ミッドナイト」
「ああスミマセン、オーキッド隊長からご指名が」
「また!?」
「ドクター!フィリオプシスさんが違うなら誰ですか!?まさか、シルバーアッシュさん?!」
「シルバーアッシュは関係ないだろ!?」
「呼んだか、我が盟友よ」
「うわっ!?どこから!?」
「何を慌てているんですかドクター!まさか本当に好きな女性が居るんですね?!」
「ほう、面白い話だ。話してみろ盟友よ」
「エッ食いつくの!?」
……フィリオプシスは、柔らかい表情で眠っていた。
フィリオプシス編、完。
ドクターの意中の女性、一体誰でしょうね。
感想、評価ありがとうございました。