【完結】ドクター「オペレーターと仲良くなりたいけどどうすれば良い!?ミッドナイト!」 作:塊ロック
几帳面な事に、日記が付けられていたから。
だから俺は名前も仕事も知っている。
あまり実感が湧かないのが問題だが、一応把握は出来ている。
そして、記憶が無いのにも関わらず……俺には好きな女性が居る。
日記に挟まれていた写真、その人に心奪われたのだ。
日記にも度々記述があった。
内容と自分の感情に照らし合わせると、それは確かに恋だったのかもしれない。
記憶喪失になっても惚れ直すとは、我ながら筋金入りらしい。
「Dr.ジョージ」
ケルシー先生に呼ばれて振り返った。
ちなみにジョージと言うのは俺の名前らしい。
らしい、と言うのはあまり実感が湧かないから。
「あれ、サイレンスまで。どうしたんですか」
「ドクター、正直に話して。昨夜何があったか」
「昨夜?」
はて、昨夜。
理性が無くなる寸前まで書類仕事だった気がするが。
「これを見ろ」
ケルシー先生に渡されたタブレットに映る画面。
これは、俺の部屋の前?
「………………ホァッ!!?!!!???!!」
時刻は深夜3時。
流石に寝ていた時間だったが、誰か来たのだ。
その人は部屋のロックをまるで無かったかのようにスムーズに解除して堂々と入っていった。
「何か、弁解は?」
「違うんだ」
いや、待ってくれ、本当に身に覚えが無い。
しかもこの人影は、
「フィリオプシスじゃないか……何で彼女がこんな時間に」
「ドクター。あまりプライベートにとやかく言うつもりはなかったけど、この子の事なら話は別」
サイレンスがズイっと距離を詰めてくる。
勿論睨みつけながら。
「何をしたの」
「誓って何も」
いやだって寝てるし。
というかフィリオプシスがあんな時間に起きてくるなんてどうして……。
「あ」
「心当たりがある様ですねDr.ジョージ」
「あ、いや、違う。違うんだ、そうじゃない」
やばい。
何かは判らないがとにかくやばい。
考えろ、考えろ。
この状況を何とかしなくては。
その時、部屋のドアが開いた。
「……フィリオプシス?」
「………………」
フィリオプシスが、そのまま俺のそばにやって来て、
「要求」
「……え、ああ、おやすみ」
「「???」」
一言呟いたのでソファに腰掛ける。
すると俺の膝の上に頭を乗せてそのまますやすやと寝息を立てた。
「「ああ……」」
いやなにその納得。
「……まぁ、その、何だ。彼女が満足なら良い」
「手を出したらタダじゃ済まさない」
そんな事を言い残して2人は去った。
「……サイレンスこわっ」
「失礼しま〜、おや、フィリオプシスも居たんですね」
「お、ミッドナイト」
入れ替わりでミッドナイトが入って来た。
「ケルシー先生とサイレンスさんが物凄い剣幕で歩いてましたけど何かしたんですか?」
「……フィリオプシスが真夜中に俺の部屋に来てたらしい」
「ああ……まぁ、手は出してないんでしょう?」
「そりゃモチロン」
「その辺俺は信用してますからね。本当なんでしょう」
「助かる」
「俺とドクターの仲でしょう。最早一蓮托生ですよ」
「ハハハ!そうか、じゃあ」
「お、次は誰にするんです?」
「モチロン、次に――」
「ごきげんよう。深き海より参りました」
(ギャーーーーーーーーッ!!!!!?!!???!!)
フィリオプシスが寝てるから、なけなしの理性振り絞って心の中で叫んだよね。
いや、だってドア空いてないよ?
どうやって入っだのさ。
「や、やぁ……スペクター」
ぺこり、と修道服姿の女性が会釈した。
ミッドナイトは完全に固まっている。
「珍しいね、今日はどうしたの」
「今回の部隊長の代わりですわ。報告書です」
「ああ、ありがとう。スペクター、怪我は?」
「ありがとうございますドクター。この程度、気にするほどでもありません」
「駄目だぞスペクター。戦わせている俺が言う事じゃないが、消せる傷はなるべく治した方がいい。美人に傷は勿体無いぞ」
「ーーーーーーーー分かりました。それでは失礼します」
なんとか納得させられた様だ。
今度はちゃんとドアを開けて出て行った。
「ミッドナイト!ミッドナイト?起きてるか?」
「うぅ、宇宙は、空に、あぁ!空に!空に!」
「駄目だこりゃ」
「それで盟友、次はスペクターか」
「まあ流れ的にそうだよね……」
「ふむ。中々に茨の道を歩むな。だが、それもまた善し」
「そう?………………オイオイオイオイ何時から居たんだよシルバーアッシュ」
「彼女の経歴には謎と闇が深い。深淵に引き摺り込まれぬ様、充分に注意するのだな」
「もうツッコむ気力も無いよ……」
「ドクター……宇宙は空にあるんですよ」
「お前はいい加減帰って来い」
と、言うわけでスペクターさんです。
ビジュアル見てからもうストライク。
暗い過去やら精神的に病んでるとか気にしてはいけない。