【完結】ドクター「オペレーターと仲良くなりたいけどどうすれば良い!?ミッドナイト!」   作:塊ロック

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はい、という事でこれにて話を畳むことにしました。
いつもよりちょっと長めです。


まぁこうするしか無いよね(白目)

「おはようございますドクター」

「おう、おはよう」

 

あれから数日。

俺は無事にミッドナイトとの仲を修復できていた。

 

なお、発見したヴィグナからこってり説教を食らいケルシー先生からも小言を頂戴した事は特に言及しない事にする。

 

「今日は結構執務が溜まってますね」

「みたいだな。戦闘訓練や出撃は今日は無いから……今日一日は机に拘束されそうだ」

「ささやかながらお手伝いしますよ」

「助かる。今日は行動予備隊は良いのか?」

「隊長が休暇取ってるの知ってるでしょう?」

「そういやそうだった。お前が裏でこそこそとオーキッドの負担減らして休み取らせたんだったな」

「ちょっ、知ってたんですか!?」

「アイツがそう言ってたんだよ」

「えぇ……バレてたのか……」

 

ミッドナイトががっくりと項垂れた。

……オーキッドからは「私を出し抜くには100年早いわ。けど、礼は……そうね、今度直接言うわ」と、言われていた。

この様子を見ると本人から何も言われていないらしい。

似た者同士なのでお似合いなのかもな。

 

「……あれ、ドクター。今日貴方へ面会希望者が居ますよ」

「ん、マジだ。誰だろう」

「……雌猫の匂いがします」

「「ぎゃああああああああああああああああああああああ!!?!?!?!」」

 

いつの間にか俺の椅子の後ろに立ち、方に顎を乗せて手元の資料を覗き込んでいたスペクターが居た。

心臓に悪くってよ。

 

「ごきげんようドクター。かの深き海より貴方の元へやってまいりました」

「もうちょっと穏やかに登場してほしいな……」

 

そう言ってる間にスッっと面会者の書類を抜かれた。

 

「あ、おい」

「これは私が預かっておきます」

「やめろ、面倒を起こすな」

「起こす前提ですか?心外ですね」

「どの口が……ひぃっ!??!」

 

小声で呟いたミッドナイトの鼻先を万年筆が掠めた。

……ちょっと高かったんだけどそれ。

 

「大丈夫ですよ。会うのは私一人ではありませんので」

「「ゑ?」」

「アタシも居るわ」

 

執務室へノックも無しに入る面々。

おおくない?

ヴィグナ、エフイーター、フィリオプシスにマンティコアって……。

 

「待って待って部屋が狭い!」

「我々もいるぞ!!」

「張り合って出てくるんじゃねえ!ポンコツ領主!!」

 

シルバーアッシュご一行とエンカクのエントリーだ!

狭いわ!!

 

「あー全く!来るなら来るって言えよ!!ちょっと待ってろ!」

「何でドクターキレ散らかしながらお茶の準備をしてるのよ……」

「ああ、はいこれヴィグナ。前欲しがってたピーチパイ。エフイーター、プリンだったな。マンティコアは……そうそう、ティラミス。フィリオプシス、コーヒーゼリー」

「あら、私にはありませんの?」

「スペクターは……あー、確かチーズケーキだっけ」

「正解ですわ」

「ドクター……一人一人の要望聞いて全部用意してたんですか」

「ハハハ、お陰で前の休養日全部消えたわ。ほらシルバーアッシュ、小倉トースト」

「私の扱いが少し雑ではないか!?……頂こう」

「貰うんかい」

 

あっという間に執務室がお茶会会場へと変貌した。

これにはエンカクも苦笑い。

 

なおマッターホルンがカートでティータイムセット一式押してきたのでもう準備万端である。

クーリエも紅茶の淹れ方が様になっている。

 

「何のんびりしてるんですかドクター。仕事してください」

「え、ああ……うん、そうだねアーミヤ」

 

何だろう、この子に会うの凄い久しぶりな気がする。

 

「……やっとちゃんとしたタイミングで仕事してくださいと言えた気がします」

「アーミヤ?」

「あ、いえ……何も。しかし、にぎやかになりましたね」

「やかましくて業務に支障をきたすのは世話が無いがな」

「ケルシー先生」

「ぞろぞろと人が集まるから何かと思えば……やはりお前か」

「俺じゃないかもしれませんよ」

「私は人を集める問題児をお前しか知らん」

「左様で……ケルシー先生も何か要ります?」

「……そのプリン、頂こうか」

「どうぞ。クーリエ、紅茶……いや、珈琲か。ある?」

「勿論。ささ、どうぞこちらへ」

「さて、俺は何とかこの書類の山を片付けるか……」

 

……何でだろう。

今日は妙に平和に終われそうな気がする。

 

エフイーターがクッキー取られてエンカクにヘッドロックかましてるけど。

……エンカクは顔が真っ青だがまぁあいつなら大丈夫だろう。

フィリオプシスはいつの間にか隣でココアをチビチビのんでいる。

お願いだから書類に溢さないでね。

 

……願わくば、こんな平和が続けばいいなぁ……。

 

 

そして、平和は突然に終わる。

執務室のドアが控えめに……めっちゃ遠慮がちに小さくノックされた。

 

ピタリ、と全員の動きが止まる。

と言うか、女性陣の顔色が若干悪い。

フィリオプシスですらちょっと青ざめている。

 

「あー、良いよ。俺が出るから」

「ドクターは座ってて!!!!」

「え」

 

立ち上がろうとしたときにヴィグナに思いっきり肩を押されてそのまま座らされた。

痛い。

 

「いや、ここに来たって事は俺に用がある奴だろうが」

「大丈夫だから、ね!」

「いでででででで辞めろやめて」

 

後頭部に密着されてるけど痛いもんは痛い。

でもなんとか立ち上がる。

 

「はい、どうぞ」

「し、失礼する……」

 

入ってきたのは……白髪の、サルカズ人の女性だ。

リクルートスーツ姿で着慣れていない感じが凄いする。

でも、この緊張しきってアガっている美人と言うのもなかなかに乙なものだ。

 

「いらっしゃい、お嬢さん。俺……私に何か用かな」

「えっと、あの……わた、私は……」

「はいストーップ!!話はアタシが聞くから!」

 

エフイーターが素早く間に割り込み俺の鳩尾へ肘を入れて来た。

ので、その肘を軽く身を捻って避けてから彼女の頭をひと撫でして前に出た。

 

「あっれっ!?」

「恐ろしい身のこなし……俺でなきゃ見逃しちゃうね」

「ドクター女性が絡むとスペックが跳ね上がりますね、相変わらず」

「女性の心は読めんがな」

 

外野が何やらやかましい。

 

「ここじゃ何ですので場所を変えましょうか」

「あ、ああ……」

「お待ちくださいませ」

「ぐぇっ」

 

スペクターに首根っこ掴まれて雑に後方へ投げ捨てられた。

えっ、力強くない!?

落下地点に居たエフイーターにお姫様抱っこで受け止められてしまった。

めっちゃ柔らかい。

 

「スケベ」

「押し当ててきてよく言う」

「……お前は」

「ええ、あの時はどうも」

 

女性が若干驚いたようにスペクターを見ていた。

 

「え、知り合い?」

「えっ」

 

そう言うと、女性の表情がみるみる曇っていく。

あ、やっべ地雷踏んだ?

いやでもこんな美人見たら絶対忘れないぞ俺は。

どこで会った……?

思い出せ。

 

「私を、覚えていないのか……そうか……」

 

凄い落ち込まれてしまった。

 

 

 

 

 

「……あの時、私を丸裸にしてあんな情熱的に口説いてきたというのに」

 

 

 

 

「えっ」

 

 

「「「「あ”?」」」

 

 

 

女性陣から出てはいけない声が出た。

ドスン、とエフイーターに落とされる。

腰が痛い。

 

そして腹をヴィグナに思いっきり踏まれた。

 

「ごはっ、し、死ぬって……」

「信じられない……!アタシ達への返事保留にして他の女口説いてたって……?」

「……最低」

「酷い」

 

フィリオプシスとマンティコアが今にも泣きだしそう。

エフイーターは真顔だし……スペクター何かめっちゃ笑ってんですけど。

 

「スペクター?」

「……ふふっ、あはははは!!ああ、可笑しい!ドクターもホント鈍いわ、鈍すぎる、にぶちんさんね!」

 

この場に居た全員絶句した。

あれ、これスペクター?

 

「貴女も言い方が悪いわね」

「え……その通りではないか。お前もその場にいただろう」

「ちょっとレベル高すぎないドクター!?」

「MATTE!!ホントに覚えが無いんだ痛いってマンティコア耳引っ張るな!」

 

フィリオプシスが無言でわき腹蹴ってくるので兎に角起き上がりたかったのだが、ヴィグナが足を退けてくれない。

 

「あはは……貴女、名前は?」

「私は……マドロックだ」

「はい?」

 

マドロック?

マドロックって言ったこの人?

 

マドロックって言ったら確か……。

 

「えっ、女!?男じゃなかった!???!!?!」

「あははははははははは!!!!!!!」

 

スペクターが大爆笑しだした。

こいつ知ってたな!

 

「スペクター!知ってたな!!」

「ええ、ええ!そうよそうですとも。だから言ったじゃない、に・ぶ・ち・ん・さ・ん♪」

「お前ぇ……もう一つの人格と全然違うな!」

「……あら、気付いてたの」

「そりゃな。そっちが素だってのもな」

「……ふーん」

 

脚が退けられたので立ち上がった。

 

「でも、ドクターはあの子の方が好きなんでしょう?複雑よね」

「別に」

「えっ」

「君は君だ。どっちかなんて無い。それに……君がそうやって笑える子だったと知れた」

「………………」

 

スペクターが絶句した。

黙ったので丁度いい。

 

「えーと、マドロック」

「……何だ」

「まずは、非礼を詫びさせてくれ」

「構わない。慣れている」

「それでも、だ。俺は君の事を完全に男性だと思っていた。あのスーツの下がこんな可憐な女性だとは」

「かっ……!?」

「で、その恰好……本当にロドスへ来る気になったんだな」

「ああ。あんな情熱的に誘われたなら、断れない」

「助かるよ。ウチは年中人手不足なんだ」

「面接はしないのか?」

「言っておいて今更だが……必要か?」

「……練習してきたんだがな」

「それはすまなかった。まぁ、これからよろしくな。マドロック」

「ああ、よろしく頼む」

 

マドロックと握手した。

……彼女の手は、重い物を日常的に振るうために豆が多く出来ていた。

 

「……すまない。あまり女性的な手ではないんだ」

「謝る事はないさ。素晴らしい手だと思うよ、俺は。努力の証だ」

「そう言ってもらえると、嬉しい。……駄目だな。面接の為にビックボブと練習した言葉使いが出来ていない」

「構わないさ。取って繕った喋りより、そのままの君を見たいからな」

「そうか……」

 

さて、この後の諸々はヴィグナに面倒見てもらおうかな……。

同じサルカズの女性だし。

 

「ヴィグナ」

「嫌」

「ヴィグナ……?」

「嫌ったら嫌」

「どうして」

「決めてくれないからよ!」

 

……あー。

もう、ここがタイムリミットみたいだ。

 

「……分かった」

「え、まさか今!?流石に空気読めないにも程があるわ!!」

「……別に、決めなくても良いだろう」

 

……今まで黙っていたケルシー先生が口を開いた。

あ、先生口の端にカラメルソース付いてますよ。

 

「このご時世だ。出生率やら諸々も下がってきている……それに、どんな子供が生まれるか見ものでもある。Dr.ジョージ」

「は、はい……」

 

 

 

 

「全員娶ってしまえ」

 

 

 

「「「「「えええええええええええええええええええええええ!!?!?!?!?!」」」」」

 

 

 

 

 

 




これにて完結です。

いやー、畳むのに2年掛かってしまった。
正直、途中で期間が開いてしまったときはもう文字書けないかも、と思ってしまいまして。
でも何とか今連載してる小説はエンドマークを付けよう、と決心したことでとにかくどんな形でも完結を目指そうと思いました。

本当はこんな終わりではなくもうちょっと一人一人と向き合いたかったのですが作者の力量不足で申し訳ございません。

何だかんだUAも10万ほど行ってましたのでここで一区切りとさせていただきます。
多くの評価、感想をありがとうございました。

2年間お付き合いいただきありがとうございます。

それではまたどこかで。



……あ、ドクターは無事に全員と結婚しますので。


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