【完結】ドクター「オペレーターと仲良くなりたいけどどうすれば良い!?ミッドナイト!」 作:塊ロック
☆6指名券を購入しマウンテンを入手した作者です。
こういう拳でぶん殴るキャラ大好きなんですよ。
……え?マドロック?
はて。
あとぶっちゃけマウンテン最初と最後しか出ません。
ロドスのアルコール事情は、実はとあるオペレーターに一任していたりする。
「いらっしゃいませ、ドクター」
ロドスバーでテーブルを拭いていたフェリーンの男性がこちらに気付くと、礼儀正しくお辞儀をした。
「やぁマウンテン。調子はどうだ」
「悪くありません」
「そうか」
カウンターにつく。
マウンテンがそっとボトルを取り出す。
「それは?」
「前に言ってたじゃないですか」
「……そうだったな」
マウンテンからボトルを受け取る。
「なんだか懐かしいですね」
「何が?」
「ドクターがホストクラブの運営をしていたときの事」
「え"。それ思い出すのかよ」
「中々サマになってましたよ」
「勘弁してくれよ……」
割と厄介な客が俺に付いたりとかして大変だったんだ。
「私もシャンパンタワーを初めて建てましたね」
「お前背高えからな……」
……実は、マウンテンは元々あのホストクラブにたまたまバイトで来てた時の縁でスカウトしていたりする。
「俺だってシャンパンコールしたの初めてだわ」
「堂に入ってたじゃありませんか」
「あんなんヤケクソだろうが」
「ははは……ちなみに一番大変だった客は?」
「………………エフイーター」
「あっ……」
よりによってアイツ最終日の最後の客として来やがったんだよな……。
―――――――――――
「いらっしゃいませお客様!誰かご指名はございますか?」
ボーイのいつもの快活な声が聞こえる。
慣れたもんで、一ヶ月の運営の賜物か今出てるキャストと控えの顔が脳裏をよぎる。
ついてる、あの羽振りの良さそうな龍門風のドレスの客に売上No.1を付けられそうだ。
「よし、アルカくん準備を……」
「店長呼んで」
「……ゑ?」
あろう事か超不機嫌そうな声音でそんな事を言い放った。
「……クレーマーか?」
店内の証明は少し暗めのためここからでは顔がよく見えない。
「て、店長!」
ボーイの子が慌てて俺の元へ駆けてくる。
「クレーマーか?」
「い、いえ……店長を指名したいと……」
「俺?」
……最初の一週間、やたらと俺もキャストとして出てたけどそれっきりにしたんだが……リピーターって訳でも無さそうなのに。
「まぁいいや、行ってくる。指名してるなら客だろ」
あんま俺出たくないんだろうけど皆怖気づいてるし仕方ない。
俺がやらなくては。
この店を請け負った以上俺が守護らねば。
「ご指名ありがとうございます。店長のジョー」
「ジョージ」
凄いドスの効いた声を頂きました。
「ゑ」
と言うかスゲー聞き覚えのある声。
恐る恐る顔を上げると……。
「………………」
表面上笑ってるけど目が一切笑ってないエフイーターが腕を組んで座っていました。
「ヒェ……エッフ!!ゲホッ!エフイーター!!?!!!????!!」
めっちゃ咽た。
「アンタ、何やってんのこんな所で」
「そ、それはー……」
「一ヶ月」
「いっ」
「一ヶ月どこほっ付き歩いてたのよ!!」
エフイーターに襟首掴まれた。
やめて、絞まる。
「どんだけ心配したと……!」
「ウェッ!やめ、絞ま」
「あ……ごめん」
我に返った様で手を話してもらえた。
「エフイーター……何でここに?」
「……ちょっと前に。皆であんたの事探してたらさ」
「……皆?」
皆って誰さ。
ちょっと嫌な予感する。
「ネットでこの店が最近人気って聞いてナンバーワンの特徴が合致したからマンティコアに張ってもらった」
「エッ、マンティコア!?」
慌てて店内を見回す。
天井に何か張り付いてた。
「ウワァッ!?気付かなかった!!?」
ごめんマンティコア。
でも不法侵入だよそれ。
後で言っとかないと。
「で、何してたのよこの一ヶ月」
「……ケルシーにここでの売上伸ばせと」
「まさかこの前のPVの件?」
※テラに反省を促すダンス。
「ああ……」
「呆れた」
「思ってた以上に伸びちゃって。何かレユニオンらしき書き込みもサイトに増えちゃってあちこちで騒ぎがあってさ……」
「暇ねアイツら」
「ちょっとほとぼりが覚めるまでロドスから出ろって言われてさ……」
「馬鹿ね」
「反省してます……」
面目ない。
「まぁ無事で良かったわ。でも店長なら接客しなくても良かったんじゃ?」
「いや……ぶっちゃけキャストが全然……」
「えぇ……?」
「オーナーがケルシーに泣きついたらしくてさ」
あんな苦い顔したケルシー初めて見たわ。
「まぁ……女口説いたら右に出る者居ないしねジョージ」
「語弊」
「アンタに泣かされた子、何人居るのかな」
「………………」
「心当たりあるじゃん!!じゃあさっさと返事しなよ!!勿論あたしにも!!」
「もうちょい、時間をくれ……」
我ながら情けない。
「しょーがないなー……あ」
エフイーターが何かに気付いたように声を上げる。
「……あたしって気づかなかったんだ、最初」
「え?あー……」
「ショックだなー
「それは……俺は普段カッコいいエフイーターを見てるからさ」
「うん?」
「今日は髪を下ろして、化粧もしっかりしてさ。こんなドレスまで着て。すごく綺麗だ」
「へ、へー?ふーん?そう?」
「それですぐに気が付けなかった」
「そ、そうなんだ?あたしそんなに綺麗?」
「綺麗だよ」
「はうあ!?」
何かエフイーターがビクビクしてる。
何があったんだこいつ。
「はぁ……はぁ……ごめん皆……これヤバい……」
「ど、どうした?」
「あははー何でも無い。まー事情はわかったし無事が確認出来たから」
「そうか。気を付けてな」
「……何言ってんの?」
「ゑ?」
「席に何も並んでないのに帰るとか。ほら飲むわよジョージ」
「えっマジかよ」
「取り敢えずオリシャン開けよ」
「え、結構するよあれ」
「オリシャン入りましたー!!」
オリジナルシャンパン。
市販品を店舗限定のラベルとかにして出す商品らしい。
キャストの写真をラベルにしてる店とかあるらしい。
「ジョージってさ、営業どうしてんの?」
「友営……」
「うそつき。お熱なお客たくさんいるもんねー?」
「勘弁してくれ……」
「じゃあさ、あたしと今日だけ色恋してよ」
「えっ、えぇ……?」
今日のエフイーターどうしたんだよ。
「客の要望、蹴るの?」
シャンパンがテーブルに置かれる。
「……分かったよ、エフイーター」
エフイーターの顎に手を添えて、顔を近付けて耳元で囁いた。
――――――――――
「私が言うのもなんですけど、ドクターはすごい人気でしたね」
「まだ言うか」
「たった一週間でお店に出入りする客を増やして、自分が抜けても大丈夫な様にキャストに教育を施して。八面六臂の活躍でしたね」
「大変だったよホントに……」
「ちょっとオラついてる奴とかちょっとトラブルになりかけましたからね」
「いやー、あの時はお前居なかったら血を見てたかも……」
俺が胸倉掴まれた瞬間にマウンテンが入ってきて相手の顔が青冷めて慌てて手を話したのを覚えている。
「でもあの時のエフイーターさんは熱烈でしたね」
「今もあんま変わってないけどな……」
「お熱いですね」
「手に余るけど、取りこぼさない様に必死だよ」
「皆さん満足しているようで何よりですけど、痴話喧嘩でロドス解散だけは辞めてくださいよ」
「まぁーなんとかなるだろ」
「そうですね……不思議と心配は無いですけど」
マウンテンがグラスを拭ききって動く。
「少し出てきます」
「前言ってた仕入れか?」
「ええ」
「俺も行っていい?ちょっと興味ある」
「構いませんよ?……所でお仕事は?」
「今日はオフだよ……マンティコア」
「何」
マウンテンがぎょっとして振り返った。
「ちょっと出てくるから」
マンティコアは頷いたけど頭を撫でてもう一声。
「……ついてこないでね」
「浮気」
「じゃないよ。君を愛する気持ちは微塵も変わってないから」
額にキスする。
「ん」
マンティコアが消えた。
まぁ大丈夫かなこれ。
「よし、行こうか」
――――――――――
「ねぇージョージィー愛してるって言って〜〜〜」
「ああ、愛してるよ」
すっかり出来上がってるエフイーターに愛を囁くこと既に2桁。
どんだけ飲むんだこいつ。
「ねぇ〜ジョージってさ、シャンパンタワーやったことある?」
ざわっ。
瞬間、店内がザワついた。
開店以来そんな事する余裕もなかったと聞く。
「な、ないよ」
「ふ〜〜〜〜〜〜〜〜ん?」
むふー、とエフイーターがヤな顔で笑う。
ちょっと女の子がしていい顔じゃないよ。
「やろっか?」
「ちょっと、お前金大丈夫なのかよ」
思わず素で聞いてしまった。
「あたしを誰だと思ってるの〜?世紀の大スターだよ〜〜〜??」
元女優。
まぁ余裕で持ってるよな……。
「はーいじゃ、やろやろ」
「………………はぁー」
ため息。
一応その訓練も積ませてるから大丈夫か。
大きく息を吸い込む。
「シャンパンタワー入りましたあああ!!!」
「「「ありがとうございまぁぁす!!!」」」
店内激震。
キャストも裏も全員叫んだ。
「ほら!行って行って!!」
「分かってますって!!初めてなんでよこれ!!」
かなり大柄なフェリーンの男性がグラス抱えて積み始めた。
しばらくして、大量のシャンパンが注がれる。
俺は、エフイーターに向きなおり、傅いた。
「シャンパン頂きましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「いぇーい!」
「今夜は、俺の事……独り占めしてくれるかな?」
「いぇーい!」
「シャンパン!!」
「「ハイ!!」」
「「シャンパン!!」」
「「ハイ!!」」
「今宵の貴女は!」
「「プリンセス!!」」
「シャンパン!」
「「ハイ!!」」
「シャンパン!」
「「ハイ!!」」
「気分はどうだい!」
「「プリンセス!!」」
「シャンパン!」
「「ハイ!!」」
「シャンパン!」
「「ハイ!!」」
「まだまだ飲んでね!」
「「プリンセス!!」」
「「「最っ高ぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」
「「「イェ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」」」
――――――――――
「あの時は片付けが凄まじく大変でしたね」
「いやほんとに」
マウンテンと並んで路地を進む。
行き付けの酒蔵がこの辺りにあるらしい。
「それで?どうして私にロドスを紹介したんです?」
「ん?あー、腕っ節強そうだし」
「はあ」
「あとは……そうだな。飢えてそうだ」
「飢え?」
「ああ。飢えてるだろ?命を削る闘争に」
「――――――」
マウンテンが黙った。
こいつが自覚してるかどうか怪しいところだったが、どうやらビンゴだったらしい。
「ドクター、私は……」
「大丈夫だ」
「え……?」
「俺は、ちゃんと見てるよ」
「………………」
「ちゃんと見て、判断してるよ」
「そうですか」
そのまま、お互いに黙って歩く。
……そして。
「二人」
「いえ、四人ですね」
「出てきたらどうだ」
立ち止まり、振り返る。
武装した……チンピラが三人出てきた。
鉄パイプを持ってはいるが、動きが全員素人も良いところだ。
「お前らは?」
「雇われた」
「ほーん?誰に」
「自分の胸に聞いてみな!」
一人背後から飛びかかってきたのでノールック廻し蹴りで鳩尾を強く打ち黙らせだ。
「「「!」」」
「どうした?フラついてんぞ」
マウンテンが一人の目の前にスッと滑る様に飛び込む。
「ちゃんとメシ喰ってんのか!!!」
「ぎゃあ!?!?」
拳が顔面にモロに突き刺さりゴムボールの様に吹っ飛んでいった。
「ひ、ひぇ……」
「マウンテン、殺すなよ。身体に聞くこともある」
「げふぅ!?」
「分かってますって……めんどくせぇ!!」
マウンテンが左腕でボディブローを極める。
くの字に折れ曲がった男が一瞬宙に浮く。
「そのまま、寝てなァッ!!」
浮いた頭に渾身の右ストレートがヒット。
「おーおー飛んだな」
「お、オイマジかよ……夢なら醒め」
「残念だったな」
「現実だよッ!!」
俺の蹴りとマウンテンの拳が、最後の一人を貫いた。
――――――――
「派手にやったなぁ」
暴漢をノックダウンして縛り上げたあと。
「ちゃんと殺してないよな」
「は、はい……恐らく」
「ま、大丈夫だろ」
この季節なら転がしといても死にはせんやろ。
「最後の凄かったな、あのボディブロー。あいつめっちゃ浮いたぜ」
「え、えぇ……」
「何か名前つけるか。タイラントレイヴとかどう?」
「いえ……」
「どした?」
マウンテンの歯切れが悪い。
「……ドクター、貴方はこんなに近くで私を見たのに。怯えないんですね」
「まさか。お前より怖いのなんてこの世に沢山いるさ」
「ドクター……」
「俺は逃げない。目を逸らさずじっと見るさ。そして……」
マウンテンに手を差し伸べる。
「俺と、友達になってくれ」
マウンテンはふっと笑って。
「……ええ、もちろん」
優しく、俺の手を取ってくれた。
「あ、ダンスはしませんよ」
「もう流石にやらねーよあれ」
なんかもう期間が空いてしまって何書けば良いか全然分からなかったんで結局ハマったネタを擦ることに。
完結した作品に続き書いてちょっと満足できました。
……マドロック、どうしよ。