【完結】ドクター「オペレーターと仲良くなりたいけどどうすれば良い!?ミッドナイト!」 作:塊ロック
「テンション高いですね」
「気分?的な」
「ドクター、いつもの様に俺が着いてるんで大船に乗ったつもりで居てください」
「失礼する。ほう、こんな場所が」
「うわ、シルバーアッシュ!なんでここに」
「友の奮闘を見守る為だ」
「ここは、俺の席です」
「ほう、私に牙を向けるか。面白い」
「ちょ、ちょっと!?喧嘩しないでよ!?」
……イヤホンがめちゃくちゃうるさい。
と言うかシルバーアッシュ来てるのか。
これシルバーアッシュの時もこんな風にしてたのバレたかな。
「ごきげんよう、Dr.ジョージ」
っとと、目の前の事に集中せねば。
俺は声を掛けてきた修道女に目線を合わせる。
「やあスペクター。ごめんね、急に」
「いいえ、お気になさらないで。
「おや、それはまたどうして」
「どうして、とは奇妙な質問ですね」
「そ、そうか?」
「ええ。だって、興味が無ければ話してみたいと思いませんもの」
「それもそうか」
――――――――――
「滑り出しとしてはまずまず、と言った所か」
「スペクター、普通に会話も出来たんだねぇ……」
「それは、どう言う?」
「まぁーあんまり公言されてない事なんだけどね。彼女、気を病んでるんだ」
「それは、何となく」
「……原因は彼女の所属していた教会……までしか調べはついていない」
「?カランドでも調べてたのか」
「友が重用していたからな……少し気になって調べた訳だが」
「彼女の闇は、深いぞ」
――――――――――
「Dr.ジョージ。貴方は、夢を見ますでしょうか」
えらく唐突な質問だった。
夢、か……。
「見る」
「どの様な?」
「……何だろう。自分を客観視する夢、なのかな」
時たま、自分を自分が視ている、と言う奇妙な夢を見る。
後々調べてみたら……それは、俺が忘れていた記憶の断片らしいと言うことが分かった。
「それを聞いたって事は、スペクターは何か夢を見るのか?」
「はい……」
「もし、悩んでるなら話してくれ。力になれるかもしれない」
「Dr.ジョージ。貴方は……声を、聴いたことはありますか」
「声……?」
「ええ……夢が、私に告げるのです。『殺せ、殺せ』と」
「………………」
―――――――――――
「う、わー……」
「ううむ……」
「ドクター、大丈夫です……貴方なら」
―――――――――――
「それは」
「おかしな話でしょう?でも、私にはずっと聞こえて居ます。万物の主たる、彼らの声が」
「……(スペクターの記憶……?前に居た教会とやらの洗脳か?)」
「夢を見ると、理解できない物が……時折出て来たりします。私の場合は……あの御方からの、絶望の知らせ。私には、それをお届けする使命があります」
スペクターの表情は変わらない。
俺は彼女の話を聞くしか、出来ない。
「あのお医者様は、私が良くなるように……ロドスに行くよう、仰られていましたが……この通りでございます」
「………………」
「私は、真に信頼できるような物ではございませんよ」
「いや、してるけど」
「え」
「え?」
無意識に間髪入れずそんな事を口走っていた。
「俺はスペクターの事信じてるけど」
「……私の話、聞いていまして?」
「聞いてた。けど俺は言うよ。スペクターの事は信頼してるって」
「どうして……」
「逆に聞くけど、信頼してない相手と二人でこんな話すると思う?仮にも俺ロドスの戦闘指揮官だぞ?」
俺が使い物にならなくなればロドスにとってかなりの痛手である。
そんな俺を刺すような真似、流石にスペクターはしないだろう。
「………………」
「ここに俺が居る事が何よりの証明だと思う」
「……フフ、フフフ。本当に、面白い方ですわ」
「そりゃどうも。スペクターに言われたら悪い気はしない」
「……?どういう意味で?」
「え?そりゃ……美人に言われたら、照れるじゃん」
「………………」
――――――――――
「「………………」」
「いや違いますよ!?何も言ってないですからね?!これ絶対ドクターの素ですよ!?」
――――――――――
「……修道女を口説くおつもりで?」
「口説く……?ち、違うぞ!?そんなつもりじゃなくてな……ただ、その、何というか」
「……フフ、少し戯れが過ぎましたわ」
「そ、そうか……ただ、知っておいて欲しいのは、スペクターは俺にとって大事な仲間だって事」
「仲間、ですか」
「スペクターは俺の患者でもあり戦友だ」
俺は、言い切った。
彼女は、どう感じるか。
「Dr.ジョージ。私は……貴方に、付いて行こうと思います」
「どうしてそんな風に?」
「私をこんなに悦ばせるなんて、本当に面白いお方です。そう感じました」
「それは……何というか、光栄だな」
「今後とも、良好な関係が築ける事を祈りましょう」
スペクターが微笑む。
それは、いつも張り付いていた仮面の様な笑みではなく……温かさを伴ったもののようにみえた。
――――――――――一週間後。
「友よ、あれからどうだ?」
シルバーアッシュ、ミッドナイト、マッターホルンと共にもう何回目になるか分からないお茶会を開いていた。
「あれから、か。スペクターがよく俺の所に来るようになった」
「自分からですか?」
「ああ……ちょっとびっくりだ」
元々彼女は一人でいる事が多い。
それが、積極的に俺のとコミュニケーションを取ろうとしている。
良い傾向、なのかな。
「ふむ。肝は冷えたが」
「仕方ないだろ、あの時はああ言うしかなかったんだ」
「ドクターも完全にたらしの才能に目覚めてますね」
「何だとマッターホルン」
「まぁまぁ……おや、ドクター。お客さんですよ」
「ん」
マッターホルンに言われた方を見る。
アーミヤだ。
「ドクター、何してるんですかこれ」
「カランドと親交を温めてる」
「ここの所ずっとじゃないですか……」
「仕方ないじゃないか、領主様が居座ってんだから。いちごのショートケーキあるぞ」
「えっ、本当ですか……って騙されませんよ!?仕事……」
「はい、アーミヤ。私の自信作です」
「う、うぅ……頂きます……美味しい……」
マッターホルンから受け取って一口食べたらもう笑顔である。
アーミヤは可愛いなぁ。
「ドクター」
「フィリオプシスか。食べるか?」
「肯定」
「ホールで焼いたからめちゃくちゃ余ってるんだ。遠慮しないでくれ」
「何で野郎四人しか居ないのにホールでケーキ焼くんですかドクター」
ちょっと胸焼けを起こしてぐったりしているミッドナイト。
コーヒーを淹れてやる。
「どうぞ」
「感謝。あーん」
「……仕方ないなぁ」
「皆様、ご機嫌麗しゅう」
……スペクターが、顔を出してきた。
ミッドナイトがちょっと身構える。
それに手を振って、スペクターに応対する。
フィリオプシスがフォークの先のケーキを口に含んだ。
「どうしたんだい、スペクター」
「Dr.ジョージがこちらにいらっしゃると聞きまして」
「用事かな」
「あら、女性が男性に会うのに理由が必要です?」
「………………???」
あれ、スペクターってこんなキャラだっけ。
そう言いながら、スペクターが俺の座る椅子までやってきて……膝の上に座ってしなだれ掛かってきた。
ちょ、ちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっと!!?!??!
えっ、待って何これ。
凄い柔らか、違、良い匂、違う、えっ?
「おーおー、理性がマッハで削られてる」
「おま、え、ちょっ、スペクター?!」
「私もご相伴に預からせていただけて?」
「ど、どうぞ!?!」
「それでは失礼して……あーん」
!!?!!!?!???!!!??!!
スペクターが上目遣い気味に俺に向けて口を開いて……!?
「むぅ……」
それを、フィリオプシスがスペクターの手を引いて遮った。
「……なんでしょうか」
「そこは、フィリオプシスの場所です」
「ほう………………」
見えない火花が散ってる。
「ちょっと散歩してきます」
「ケルシー先生にもお裾分けしてきますね!」
「行くぞ、マッターホルン」
「え、あ、はい。スミマセンドクター、また今度」
「お前らぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!特にミッドナイト覚えてろ!!何が一蓮托生だこの野郎ぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
この後めちゃくちゃ二人を宥めた。
スペクター編、完。
正直無理やりかなーって思いましたがオチは着けられたのでこれで良いかなと。
あと、このSSが遂に日間ランキング入りしていました。
本当にありがとうございます。
励みになります。
次は誰にしようかな……。
次はどっち?
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たまには男と親交を深めよう
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いいや!女性との信頼が大切だ!