ヘドロになった男   作:びーびーびー

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ヘドロと緑谷:オリジン

 これは、どういうことだ。なんだこの体は。起きたらこの体だ。そしてこの場所はどこだ。小さいトンネル?

 

 

 この体ドロドロじゃないか。夢か?んん?

 

 

 足音が聞こえたので振り返ってみると、そこには一人の少年がいた。

 

 

 あれ?あの子どっかで見たような気が…

 

 

 そう考えているうちに、少年がこちらに気づいた。その顔はみるみる強張っていく。大きく零れ落ちそう瞳に涙を浮かばせながらこう言ったのだ。

 

 

 「ヴィラン…!!」

 

 

 「へ!?なんて?」

 

 

 「あ、すみません。」

 

 

 

 いきなり言われた言葉に理解が追い付いてこない。思わず変な声が出てきた。そしてあることに気づいてだんだん冷や汗が滲み出てくる。

 

 

 オーノー。まさかこの少年緑谷か?

 

 

 緑谷とは、漫画の「僕のヒーローアカデミア」の主人公。そして、私を見ただけでヴィランと言った。僕のヒーローアカデミアの世界では敵と書いてヴィランといわれる者たちがいる。すなわちこの個性という謎パワーがある世界に来てしまったのか。

 

 

 敵とはこの世界では犯罪者のことをいう。そして、主人公が目指すのがその敵を捕まえるヒーローという職業なのだ。まあ、この話は漫画のタイトル通り主人公がヒーローになるために学校に行き頑張る話だ。

 

 

 そこは別に今どうでもいい。そう今この状況はまさにやばい。俺の見た目を見るに俺は奴になってる。ここは早く逃げないと奴がくる。その間冷や汗はドバドバだ。

 

 

 「あのう、大丈夫ですか?」

 

 

 緑谷は心配そうにこちらを見ている。さすが主人公、こんな見た目の俺にも優しい。

 

 

 「ああ、大丈夫だよ。ありがとう。おじさん、急いでるからもう行くね。」

 

 

 「本当に大丈夫ですか?汗がすごいことになっていますよ。」

 

 

 んーーーー。さっきまで敵だと疑っていたやつに

 

 

 「いいんだ。早くしないt」

 

 

 「私が来た!」

 

 

 きてしもうたーーーーーー!!!

 

 

 そうこの体はヘドロこの物語の初めに出てくる敵だ。俺はそいつになっていた。ヘドロはこの今来たガチムチのオールマイトというヒーローに捕まえられる。

 

 

 「いや、俺何もしてませんよ。」

 

 

 触手を上げて、降参のポーズを決める。よしよし、俺は緑谷を襲っていないし何もしていないこれで大丈夫だろう。

 

 

 「いや、君は強盗をしている。この嘘つき敵め!!」

 

 

 は!そういえば、そうだ。ヘドロは強盗して、オールマイトに追いかけられていたんだった。あああああああああああああああああああああ。

 

 

 終わった。

 

 

 オールマイトがパンチをしている。俺は綺麗に吹っ飛ばされた。

 

 

 その後俺はペットボトルの中に入れられた。

 

 

 オールマイトと緑谷が話している。そのシーンを見てあることを思い出した。

 

 

 それは、天から舞い降りた奇跡といってもいい。そうこの後ヘドロはオールマイトのポケットから落ちて、緑谷の幼馴染爆豪にけられて脱出できるのだ。本編だとその後爆豪を乗っ取ろうとするのだが俺はしない。なぜなら、捕まるのが嫌だから。

 

 

 緑谷がオールマイトにしがみつき、そのまま空高く飛ぶ。俺は計画通り落っこちる。よし!

 

 

 「勝己今日のはやりすぎ、緑谷と幼馴染だったんだろ?」

 

 

 「うるせえ、俺の道にいたのが悪い。」

 

 

 お、きたきた蹴ってくれーー。

 

 

 ガッ

 

 

 パカ

 

 

 よっしゃー!出れたぜ。後はオールマイトとかいうガチムチに出会わないようにしよう。

 

 

 ぶらぶらと住宅街の排水口を移動しているとふとあることに思い付く。あれ、俺が捕まらない場合どうなるんだっけ?

 

 

 確か爆豪を乗っ取ろうとして、ヒーローが来るけど爆豪の個性とヘドロの個性によりうかつに近づくことができなくてそれで、それで、それで、…

 

 

 あ!やってもうた!緑谷が助けに行かんからそれを見て感銘受けてオールマイトがワンフォーオールという個性を上げやんから無個性のままや。

 

 

 そうなんだ。この主人公個性というものがない無個性でオールマイトに個性をもらって、そっから物語が進んでいくんだ。このままでは話が始まらず終わってしまう。

 

 

 俺は考えた。しかしあることに気づく。そうもう夜中だったのだ。

 

 

 オールマイトはいないし緑谷もいない。もう考えても無駄なのだ。というかそもそも捕まる気はないので緑谷には悪いが無個性のままで暮らしてもらおう。そう開きなおって俺は寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから、俺は追いかけられる逃亡の日々を過ごすこととなった。たったの強盗犯でも普通に指名手配。敵名もヘドロとしてニュースに取り上げられた。

 

 

 俺がこの世界に来てから2ヵ月くらいたった。さすがにこの生活も苦しい。

 

 

 そう、まず食べ物がネズミなのだ。ヒーローに見つからないために下水道で暮らしている。暮らしているのだこんな汚いところに。

 

 

 いつも腹を空かせている。下水道のネズミを見つけては猛スピードで食べる。食べて食べて食べる。しかも生で。最初はお腹を壊すかと思ったがこの体とても丈夫なようだ。異形型は体のつくりが違うから大丈夫なのかな?しかしこのネズミとてもまずい。もう限界だ。他のものも食べたい。

 

 

 俺は決心して地上に出ることを決めた。このヘドロ個性は強いと個人的に思っている。原作でもオールマイトが来なかったら他のヒーローは何もできないくらいに強い。要するにその辺のヒーローよりかは強いのだ。

 

 

 だから、ヒーローにあっても大丈夫だ。とにかくいい飯が食いたい。どうせ敵になっているんだ。ご飯くらい盗んでも罰は当たらない。うんうん。

 

 

 そして、俺は、店に入り食い逃げをした。

 

 

 その辺の男を乗っ取り、ご飯をたらふく食べた。

 

 

 しかし、ここで誤算が生じた。この男5000円しかもっていなかったのである。俺は、10万円分の焼肉を食べていた。我ながらあほだ。財布の中を確認しておくべきだった。俺はダッシュして逃げた。

 

 

 店員さんが食い逃げ!と叫ぶとヒーローたちが駆けつけてきた。俺はオールマイトがいないことを確認して体からヘドロの鞭をだして叩きつけた。ヒーロー達はなすすべもなく倒れた。

 

 

 俺強くね!興奮しながらも男の体からでて逃げた。自分の体で逃げた方が早いしね。

 

 

 必死に走って逃げているといつぞやの小さいトンネルにきた。

 

 

 そういえば、緑谷は元気にしているだろうか。なんとなく俺は気になり彼をまった。

 

 

 そこし待つと彼が来た。下を向いて歩いている。

 

 

 「よお、元気か?」

 

 

 俺が声をかけると緑谷は顔を上げた。驚いているような顔をしていた。けど、前より目は暗く光をともしていなかった。

 

 

 「今日食い逃げしたんでしょ?ネットニュースを見たよ。」

 

 

 以外にも緑谷は逃げずに話をしてきた。

 

 

 「ああ、ネズミを食べるのが限界でね。」

 

 

 「ネズミ食べていたの?」

 

 

 「ヒーローに追いかけられてな。下水道で暮らしていたんだ。」

 

 

 「そっか。」

 

 

 「なあ、ひとつ聞いてもいいか。お前はどうして俺を見て逃げないんだ。」

 

 

 「最初あった時僕のこと襲わなかったからかな?なんとなく悪い人じゃない気がするんだ。」

 

 

 なるほどな。俺が襲わなかったから悪い人には見えないか。実際悪い人ではないしな。つーかこの緑谷は何か暗いな表情が。いじめが酷いのかな?こいつ無個性でいじめられてるからな。ヘドロの件もなくなったし爆豪のいじめが更にエスカレートしているのかもな。

 

 

 「ねえ、僕からも聞いていい。君から声をかけたってことは僕を待っていたんだよね?どうして?」

 

 

 「別に特に理由はない。」

 

 

 「そっか…」

 

 

 んんんんん。何かこの緑谷滅茶苦茶暗いぞ。かわいそうになってきたわ。こいつの現状幼馴染にワンチャンダイブと言われ憧れのオールマイトには、ヒーローになれないといわれ、さぞ心が折れていることでしょう。

 

 

 こうなったのも俺のせいだ。どうせこの世界に来ても下水道にいるだけだ。だったら何か主人公になるはずだった奴にできることはないか、何か方法はないか考える。

 

 

 あった。一つだけ。しかし、緑谷がいいといってくれるかが問題だな。

 

 

 「なあ、あの時ペットボトルから見てたんだがヒーローが好きなのか?」

 

 

 「僕、ヒーローになりたいんだ。」

 

 

 ふむふむ。まだヒーローになりたいとは思っているのか。

 

 

 「でも、オールマイトに無個性はヒーローになれないって言われたんだ。」

 

 

 ポロポロ涙を流している。ここはあのセリフを言うべきか?俺が言っていいのか?いや、言うしかあるまい。この現状俺のせいといっても過言ではないのだ。さあ、言うぞ。

 

 

 「君はヒーローになれる!」

 

 

 緑谷はいきなり言われた言葉にポカンとして顔を上げている。いきなりすぎたか?もうちょい話してから言った方がよかったか?

 

 

 「え、えーとだな。ヒーローになろたいんだったら、俺が手伝ってやる。」

 

 

 緑谷はまだ頭の中で理解できていないようだ。はてなマークが頭から生えている。これは、言葉で説明するより、体でやった方が分かりやすいかもな。

 

 

 俺は緑谷の体の中に入った。

 

 

 緑谷は苦しく、もがいていたがそのうち気を失っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あれ?僕、ヘドロに。」

 

 

 緑谷が目を覚ました。やっとか暗くなってきたから焦ったぜ。

 

 

 『おい、聞こえるか。』

 

 

 「ふへ!」

 

 

 ふふふ、緑谷め驚いているな。それもそうだ。自分の頭の中から声がするんだからな。

 

 

 そう、俺は緑谷の中に寄生したのだ。俺の考えはこうだ。緑谷の中に入り、俺がサポートをする。触手とか出して。俺の触手は強力だ。高校にも受かるだろう。あの主人公が入る、最難関のヒーロー養成の雄英高校ヒーロー科に。

 

 

 『お前の中に入らせてもらった。』

 

 

 「ど、どうして?」

 

 

 俺のせいでヒーローになれないのは可愛そうとは言えないので適当に言う。

 

 

 『さっき言ったように下水道の生活は嫌なんだ。だからお前の中に入った。そのお詫びにお前をヒーローにしてやる。』

 

 

 「ど、どういうこと?」

 

 

 まだ理解できていない緑谷のために俺は触手を出して軽く地面を叩きつける。すると、地面にひびが入る。それを見た緑谷はヒッと声を出していた。

 

 

 『これで分かったか?俺がヒーローになれるようにサポートしてやる。』

 

 

 緑谷は涙を流しながらぷるぷるしていた。ヘドロが自分の中にいるのが嫌なのか。これは失敗したかなと思った。

 

 

 「ありがとう。」

 

 

 そう呟いて緑谷は地面にへこたれて泣いていた。

 

 

 これから、緑谷出久との生活が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人は生まれながら平等じゃないこれは僕が齢4歳になって知った社会の現実。

 

 

 

 今日はいつもよりきつかったな。ワンチャンダイブとか、なんだよかっちゃんばかやろう。でも、僕はあきらめないぞ。絶対オールマイトのようなヒーローになるんだ。

 

 

 学校帰りのいつもの通学路その道に緑色のおぞましいものを見つけてしまった。どう見ても普通じゃない。

 

 

 うっかり、敵と言ってしまった。見た目が凶悪だったから。僕でも涙が出たんだ。子供だったら絶対泣いている。

 

 

 しかし、どうやら違ったようだ。「へ?なんて?」なんて敵は言わないと思うし。雰囲気的に違うと思った。僕は勘違いしたことについて僕は勘違いしたことについて謝罪した。

 

 

 その緑色でドロドロした人は次第に汗がどんどん出てきている。とても体調が悪そうだ。

 

 

 「あのう、大丈夫ですか?」

 

 

 「ああ、大丈夫だよ。ありがとう。おじさん、急いでるからもう行くね。」

 

 

 何にかこの後あるのだろうか、ものすごく急いでいるようにも思える。けどとても体調が悪そうだ。何か大事な予定があったとしても休んだ方がいい。

 

 

 「本当に大丈夫ですか?汗がすごいことになっていますよ。」

 

 

 本当に大丈夫なんだろうか。とても心配だ。僕が心配していると、いきなりマンホールが宙に舞った。なんだと思い振り返るとそこには僕の憧れのオールマイトがいた。

 

 

 

 「いいんだ。早くしないt」

 

 

 「私が来た!」

 

 

 緑のおじさんは更に顔色が悪くなっている。オールマイトが来るなんてこの人は何か悪いことをしたのだろうか。

 

 

 「いや、俺何もしてませんよ。」

 

 

 やっぱり何もしてなかった。よかった。

 

 

 「いや、君は強盗をしている。この嘘つき敵め!!」

 

 

 え、えーーー!!この人敵だったの?そんなあ。騙された。

 

 

 オールマイトが拳を上げて敵に向かって殴る。敵は吹っ飛ばされた。同時に僕の意識も吹っ飛ばされた。

 

 

 僕が起きるとオールマイトがいた。

 

 

 「オ、オオオオ、オオオオ、オールマイト」

 

 

 キラキラしたきれいな歯でにかっと笑っている。そ、そうだ。サイン。ノートに書いてある!!

 

 

 さっきの人はどうしたんだろう?あ!ペットボトルの中に入っている!なんだか可哀そう…

 

 

 「じゃあ、少年。」

 

 

 オールマイトが去ろうとする。待って!僕あなたに言ってほしい言葉が。必死になってオールマイトにしがみついた。

 

 

 さすがオールマイトとんでもない脚力だ。一緒に空を飛んだ。

 

 

 僕はオールマイトに無個性でもヒーローになれるか聞いた。

 

 

 結果は、なれない。だった。

 

 

 その後ニュースでオールマイトがヘドロを逃がしたと報道が出た。あの人逃げれたんだなとぼーっとテレビを見ていた。

 

 

 次の日からも僕はいじめられていた。

 

 

 「デェク、てめえ死んでなかったのか。オラ!」

 

 

 僕は爆破された。

 

 

 

 段々といじめが酷くなってきている。殴られたり蹴られたり、爆破だってされる。かっちゃんは顔ほ狙わない。本当にみみっちい奴だ。

 

 

 でも不思議とかっちゃんにいじめられてもそんなに傷つかない。それよりもオールマイトにヒーローになれないといわれた方がだめだ。

 

 

 なかなかに心に来る。わかっていたけれど嘘でもいいから行ってほしかった。

 

 

 

 

 

 

 

 あの日から2ヵ月たったある日。いつもの通学路を歩いていると声をかけられた。

 

 

 「よお、元気か?」

 

 

 それは、ヘドロだった。オールマイトから逃げることができた敵として有名だ。今日も食い逃げをしたとネットニュースで見た。

 

 

 普通なら逃げるのだろうか。けどこの敵ヘドロは話しかけてきた。何か話があるのだろう。それにオールマイトから逃げることができた敵だ少しでも話したい。僕はあの日からいじめられるたびに何故かオールマイトのことが嫌いになっていた。何でだろう。そのオールマイトから逃げれることができたのだ。少し彼には憧れがある。

 

 

 「今日食い逃げしたんでしょ?ネットニュースを見たよ。」

 

 

 「ああ、ネズミを食べるのが限界でね。」

 

 

 「ネズミ食べていたの?」

 

 

 なんだかおもしろかった。本当に嫌そうな顔をしていたから。ネズミはそんなにまずいのだろうか。

 

 

 「ヒーローに追いかけられてな。下水道で暮らしていたんだ。」

 

 

 「そっか。」

 

 

 「なあ、ひとつ聞いてもいいか。お前はどうして俺を見て逃げないんだ。」

 

 

 「最初あった時僕のこと襲わなかったからかな?なんとなく悪い人じゃない気がするんだ。」

 

 

 そう、今はなしていてもそう思う。この人は悪い人なのかと。確かに犯罪はしているけど根はやさしそうだ。

 

 

 「ねえ、僕からも聞いていい?君から声をかけたってことは僕を待っていたんだよね?どうして?」

 

 

 「別に特に理由はない。」

 

 

 「そっか…」

 

 

 なんだ理由はないのか。少しがっかりした自分がいる。

 

 

 「なあ、あの時ペットボトルから見てたんだがヒーローが好きなのか?」

 

 

 その発言を聞いてすぐにはいと答えることができなかった。もう別にオールマイトのこと好きでもないし。でも自分自身はヒーローになりたいと思っているこのジレンマ。本当にどうしたらよいのだろう。

 

 

 「僕、ヒーローになりたいんだ。でも、オールマイトに無個性はヒーローになれないって言われたんだ。」

 

 

 ついうっかり出てしまった。こんなこと敵に言ってどうなるんだ。僕のばか。

 

 

 「君はヒーローになれる!」

 

 

 いきなり言われた言葉に理解できないでいる。そして急にどうしたんだ?と思った。

 

 

 「え、えーとだな。ヒーローになろたいんだったら、俺が手伝ってやる。」

 

 

 ?手伝う?どういうこと?僕にヒーローになれるように手伝うってこと?意味が分からない。

 

 

 考えごとをしているとヘドロがいきなり襲い掛かってきた。騙されたと思った。

 

 

 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

 

 

 僕は気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あれ?僕、ヘドロに。」

 

 

 目が覚めるとヘドロがいなくなっていた。

 

 

 『おい、聞こえるか。』

 

 

 「ふへ!」

 

 思わず変な声が出てしまった。恥ずかしい。どういうわけか僕の頭の中からヘドロの声がする。

 

 

 『お前の中に入らせてもらった。』

 

 

 「ど、どうして?」

 

 

 僕は怖くなった。もしかして犯罪を僕の体を使ってするんじゃないかと思ったからだ。

 

 

 『さっき言ったように下水道の生活は嫌なんだ。だからお前の中に入った。そのお詫びにお前をヒーローにしてやる。』

 

 

 「ど、どういうこと?」

 

 

 意味が分からず聞き返すと僕の体から触手が出てきて地面を叩きつける。

 

 

 「ヒッ」

 

 

 その破壊力に怖くなり思わず声が出てくる。

 

 

 『これで分かったか?俺がヒーローになれるようにサポートしてやる。』

 

 ヘドロはこの力を使ってヒーローになれるようにしてくれるという事が分かった。お互い利害が一致しているとはいえ僕なんかのためにそういうことをしてくれるのが嬉しかった。僕は無個性だけど、そこはヘドロがサポートしてくれる。僕はヒーローになれる。

 

 

 「ありがとう。」

 

 

 僕は嬉しさのあまり泣いた。声を出して。

 

 

 これから、ヘドロとの生活が始まる。

 

 

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