ヘドロになった男   作:びーびーびー

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少し短い


政府と僕

 今日は待ちに待った雄英からの合格通知が来る日だ。ヘドロは絶対受かっているなんて言うけど、本当に合格しているかわからないから少し不安だ。僕の日課のタバコを吸いながらそんなことを思っていた。このタバコも慣れてしまい、僕もタバコの良さがわかってきた。何だか落ち着くしやめれない。

 

 ピンポーン!

 

 誰かが来たようだ。今お母さんが買い物で出かけているから、出ない方がいいかな?と思っていると。雄英のものですと言っていたので合格通知を渡してくれるのかもしれない。けど、雄英の人が直接私に来るなんて、なんか凄いな雄英。僕は玄関に行きドアを開けた。

 

 「こんにちは。緑谷出久さんですね?」

 

 黒いスーツを着た男が二人いた。見た目は普通のおじさんに見える。そして、その笑顔は仮面をつけているとわかっていてもほっこりするような笑顔であった。

 

 「はい、そうです。」

 

 「雄英のことで、お話があります。」

 

 「少し中でお話をさせてもらえないでしょうか?」

 

 「今、お母さん居なくて僕だけなんですけど大丈夫ですか?」

 

 「いえいえ、まったく。出久君にだけ話したいことがあるのでむしろ都合がいいです。」

 

 何だろう?僕だけがいて都合のいい話。何か怪しいなこの人たち本当に雄英の人たちなのか?でも、危なくなったら僕のヘドロが守ってくれるはずだ。大丈夫。

 

 僕は、リビングに黒スーツの男の人を招いた。

 

 「さっそくですが出久君。結論から言うと君には今二つの選択肢があります。落ち着いて聞いてください。一つはヒーローになる道です。そしてもう一つはここで敵として捕まることです。」

 

 そう、この雄英から来た人物たちは実は政府からの使者であった。政府はあのオールマイトから唯一逃げることのできる敵を探していたのだ優秀なコマとして。だが、探しても探しても見つからない。もうこの国にはいないのではないかと思われていたが、そんなときにあらわれたのが緑谷出久だ。彼の体から生み出されたヘドロは全くあの敵と姿が一緒だった。これには総理大臣もにっこりだ。更になぜ緑谷を選んだかは理由がある。それは見た目だ。彼の見た目は中性的でどこにでも入り込める。これは諜報活動として大変よろしい。彼にはその才能がある。これは内調の総意である。

 

 「いきなり言われてもどういうことかわかりませんよね?あなたの個性と敵ヘドロが似ている点。そして、試験の時あなたが生み出したヘドロそれはまさしくあの敵ヘドロでした。これには、他のヒーロー達は気づいていたようです。ここで、わかったようにあなたは捕まえられる義務があります。しかし、先程提示したヒーローになる道もあります。どういうことか、わかりやすく結論から言います。貴方に諜報機関に所属してほしいのです。人を操る個性にその女でも男でもあるような見た目。素晴らしいです。ぜひ入ってもらいたい。勿論ヒーローにもなってもらいます。免許がないと個性が使えないので。それにヒーロー活動を普通にしてもらっても構いません。ただ、我々の依頼があったらそれを優先してもらいますが。いかかですか?ヒーローになるかこのまま豚箱に行くのか。お母さんも悲しむのではないですか?」

 

 どどどおどどど。どうしよう。いきなりこんなこと言われても僕どうすればいいかわからないよう。どうしようヘドロ…

 

 『くくく、何か面白いからおっけいしておけ。』

 

 え、え~~~~~~。絶対怪しいよこの人たち。でもまあ、ヘドロがいうならそうしようかな。僕が捕まったらお母さんも悲しむだろうし。

 

 「わかりました。僕はヒーローになりたいので。それを受け入れます。」

 

 「ありがとうございます。それと私たちは雄英の者ではありません。政府の者です。これからは出久君とは一緒にお仕事をする機会があるかもしれないですね。あ、この誓約書にサインをスパイ活動は他言無用なのでその誓約書です。」

 

 僕は誓約書に自分の名前を書いた。男はその紙を受け取ると、封筒と僕の写真が載っているカードを渡してくれた。

 

 「これは、雄英の合格通知と個性が使える免許証です。と言ってもこの免許証は公には発行されない諜報機関用の免許証なので悪しからず。」

 

 「え、これがあったら別にヒーローにならなくてもいいんじゃないですか?」

 

 「いえいえ、裏の活動をするには表の顔が必要なのです。もう組織に入った出久君には言いますがヒーローで諜報活動している人は多いです。そうですね、例を上げればホークスなんかもそうです。知っているでしょう?」

 

 「ええ、ホークスものそうなんですか?なんか凄いですね。」

 

 「ふふふ、そうですね。あ、出久君君はまだ諜報活動というものを知らない。だから訓練が必要です。これは私の連絡先です。後日連絡をします。訓練しますからね。」

 

 「わ、わかりました。」

 

 「では、私たちも暇ではないのでここで失礼します。あ、その免許シークレット何で見つからないようにしてくださいね。」

 

 そういって、男たちは出ていった。何がなんだかわからなかったがこれでよかったんだろうか。僕にはよくわからない。うん!ヘドロがなんとかしてくれるはずさ。取り合えず、自分の部屋に戻って、雄英の合格通知を見よう。

 

 

 

 

 

 自分の部屋に戻り、勉強机の上で封筒を開けると円盤のようなものが飛び出し映像が流れた。

 

 映像から出てきたのはオールマイトだった。何でオールマイトが出てくるのだろう。

 

 「やあ、緑谷少年。まさかきみがここに来るとは思わなかったよ。君は他の子共たちとは違う。内閣推薦入学者だ。まさか政府の方から推薦されるとは、君もすごいねえ!びっくりしたよ。本当に。まあ、いう事はないかな。来なよ雄英に。ここが君のヒーローアカデミアさ。」

 

 緑谷は合格か。しかし、内閣推薦入学か。原作とはえらい違うな。俺がいるからか。緑谷は嬉しそうに泣いているな。よかったよかった。しかし、これから大変だ。こいつはヒーローの勉強をしながらスパイの勉強もしなくてはならない。まあ、できるところでサポートするか。

 

 やった。あの雄英にお合格したぞ。あの男の人たちの話から合格なのはわかっていたけど、やっぱりうれしい。しかし、内閣推薦か何か凄いな。あれ?僕今日何か凄いなって何回か言っている気がする。でも本当にすごいんだ。これもヘドロのおかげだ。諜報活動は大変そうだけど、あのナンバースリーヒーローのホークスだって出来ているんだ。オールマイトを超えることを目指している僕ができないはずがない。ヘドロもいるしね。よし、がんばるぞーーー。

 

 「ただいま。」

 

 お母さんが返ってきた。僕はお母さんの所に駆け寄った。

 

 「お母さん僕、雄英合格したよ。」

 

 「ほんとに!?よかったわねえ。本当によかったわね。」

 

 お母さんは泣きながら僕にハグをしてくれた。僕が無個性と知ったあの日から母さんはどこか負い目を感じていた。自分のせいで息子が無個性だと。そんなわけないのに。これでお母さんの荷の方が少し落ちてくれればいいなと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 次の日僕とかっちゃんは校長先生に呼び出された。かっちゃんはとても怖い顔で僕をにらんできた。怖かった。

 

 「まさか、うちから雄英進学者が二人も出るとは、大変喜ばしい。」

 

 校長先生はとても嬉しそうな顔をしていた。

 

 「特に緑谷は凄いな。雄英初らしいな。内閣推薦入学者とは。」

 

 その発言を聞いてかっちゃんの顔がみるみる怖くなっていく。

 

 爆豪のことだから、初めての雄英進学者が消されたのと内閣推薦をもらったデクにたいして滅茶苦茶切れてんだろうな。あーこわ。この後緑谷人気のないところで問い詰められるけど大丈夫か?

 

 その後僕はかっちゃんに呼び出されて、校舎の人気のないところに行った。

 

 行くとかっちゃんがいた。かっちゃんは僕を見るといきなり胸倉を掴みかかり壁に突き付けられた。

 

 「おいデクてめえどういうことだ。どんな汚い手を使いやがった!!それになんだあの内閣推薦ってのは聞いたことねえぞ!!答えろデク!!」

 

 「ぼ、僕もよくわからないんだ。何か僕の入試をみて政府の人がいいと思ったらしくて…」

 

 「てめえのどこがいいんだよ!!無個性のデクのがよ!!!」

 

 胸倉を締め付けるのが強くなる。苦しい。こうなったら、訓練をしてもらって覚えた技を使うか。

 

 「か、かっちゃん。く、苦しいよ。グスッ」

 

 さっそく使ってるな緑谷。これはただの可愛く見せる戦法だ。涙目を作り、頬を赤くさせ、震えるか細い声で相手に保護欲をそそり、何か悪いことをしている気分にさせる戦法だ。これは緑谷がかっちゃんに絡まれたときに使おうと決めたオリジナルで考えたものである。訓練では男と女の対人方法を教えて漏れっていた。しぐさ、表情など今は訓練中だ。

 

 「ケッ、クソが。」

 

 かっちゃんは手を放して帰っていった。

 

 爆豪のやつ耳が赤かったぞ。顔が赤くなったのを知られたくないから行ったんだな。面白い奴め。

 

 

 

 

 

 

 ほどなくして、僕の中学時代は終わりを告げた。

 

 

 春休み、何もすることのない僕は家でゴロゴロしていた。あー疲れたな。何もしてないけど。こんな怠惰でいいのだろうか?ヘドロ曰く鍛えるとムキムキになって体をいじらないといけないから運動するなと言われている。何もすることがない。

 

 友達の一人や二人いれば遊びに行くのだろうけど僕には友達がいない。なんてっこった。この年で一人もいないとは。高校生になったら、できるといいな友達。

 

 

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