美少女になってちやほやされて人生イージーモードで生きたい!   作:紅葉煉瓦

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最近、本作のタイトル、キャラクター名、FAを無断使用して政治的、社会的に偏った発言をSNSで繰り返す人がいました。(なりきりとかではなく、よくオタクが好きなキャラをユーザーネームやアイコンにするタイプのやつ)
皆さんはタイトル、キャラクター、原作者、ファンマーク、ファンネーム、FA、などを使用して政治的、社会的に偏った発言はしないでくださいね。
作品並びに紅葉煉瓦のイメージを著しく貶める行為に繋がります。

また、タイトルやキャラクター名、公式イラストを私的に使用することは黙認ベースですけど、FAの無断使用はやめてください。
描いた本人様がアイコンにする等はご自由にどうぞ。

応援は節度と良識を持ってよろしくお願いします。(インターネットリテラシーが学べるweb小説の鏡)

ちなみに、公式イラスト云々に関しては紅葉煉瓦が更新報告に使ったり、ハーメルンのURLサムネに使用してる黒猫燦のイラスト(昔本編で新衣装として出したやつ)、あれは商業イラストではなく紅葉煉瓦がお金を払って私的に依頼したイラストだから使わないでね。
商業イラストは黙認ベースでとやかく言いません(スタンプ代わりやアイコンや宣伝に使う話であって、偏った発言や度を越した無断転載の許可ではないです)
まあ描いた本人どっか消えたけどナ!!!

長々と本編前にお目汚し失礼しました。大事な話終わり。


#148 結ぶぞ、その契約!

 我の強い四期生たちとの打ち合わせが終わると、次に待っているのはコラボの準備だ。

 

 マネージャーに打ち合わせの共有、サムネイルの作成、コラボの告知、配信中に使う素材やクイズの用意……。

 正直全部を自分一人で準備するとなると中々大変な作業になるので、ここは先輩の意地とか面子は捨ててサムネイルの作成は後輩たちに任せることにした。

 

 いちおうの企画者で先輩としては全部任せな! と胸を叩きたいところだが、ヘタに先輩として色々背負うとパンクするのは過去のあれこれで経験済みだ。

 だから人に頼れるところは素直に頼って、そのぶん自分の担当箇所をしっかり頑張ることにした。

 

 こういう面倒な作業は亜彩旭ペアが嫌がりそうだけど、ましろさんなら率先してやってくれる後輩感があるのでその辺は心配していない。

 決してサムネイルが沼ったり凝りだすと数時間溶けるからやりたくないというわけではない。ないったらない。

 

 マネージャーにコラボの日程を共有してTwitterに投稿する告知文を考えたあと。

 あるてま理解度クイズの問題を作ろうとしたところで、ふと思い立った。

 

「助っ人呼ぶか……」

 

 自分一人で作業していても味気ないし、あわよくば手伝ってもらうために暇そうな人を捕まえよう、と。

 こういう孤独な作業は一人でやっていると段々と気分が滅入ってくるので、通話をしながらじゃないと身が持たない。特に今回は量が量だし。

 というわけで早速TwitterやYouTube、Discordでライバーの配信状況を確認したところ……、

 

「暇そうなのはベントー様と我王とリースと園崎さんか……」

 

 他のメンバーは今も配信中かこのあと配信予定か、Discordがオフラインになっていて状況が分からない。

 

 なんていうか、()もありなんといった顔ぶれだ。

 ベントー様はいつも配信していないくせにずっとオンラインだし、我王とリースはまたお前らかという感じだし、園崎さんは社畜のおじさんだからたぶん配信する気力が残っていないのだろう。

 正直、誰を助っ人に呼んでもロクなことになる未来が見えない。というかベントー様と園崎さんに至っては何回か配信で話したぐらいでほとんど絡みがない。

 

 こういうときに頼りになるきりんさんと結は、生憎ゴールデンタイムということもあって今日も元気に配信中だ。

 日中は大学生をしているきりんさんと社会人の結がそんな()振りを一切見せずに活動しているのを見ると、なんとなく自分も頑張らなきゃなという気持ちにさせられる。

 まあ、その裏ではベントー様みたいな配信もせずに一生ゲームのマルチサーバーに籠もっている人もいるんだけどね。

 とりあえず今は作業通話相手だ。

 

「我王でいっか」

 

 連日あのクセの強いキャラと会話をするのは正直勘弁願いたいところだが、背に腹は代えられない。

 というか、このコラボ自体あいつの推薦があったからこそ実現したわけだし、その当人が何もせずにのうのうと過ごしているのは我慢ならない。企画の準備ぐらい手伝わせなければ割に合わないというやつだ。

 

 と、いうわけで我王に前置きなく『手伝え』とチャットを送ったところ、ものの一分もしないうちに返事が来た。やっぱり暇だったのか。

 

「えーっとなになに、『くくく、我の力を欲するか。ならば契約だ』……え、スパム?」

 

 知らないうちに変なものと契約させられそうになってる。ちょっとこわい。 

 面倒なことになる前に先程のチャットを削除して一連の流れを無かったことにしようとしたら、間髪を入れずにDiscordが軽快な音を鳴らして着信を伝えてきた。

 えぇ……、出たくないんだけど……。

 

 とはいえ、最初に話を振ったのはわたしで、しかも居留守をするにはやり取りが直近過ぎて無視するわけにもいかず、渋々通話に応じる。

 

「ふは───」

 

 高笑いが聞こえた瞬間、自分でも信じられない速度でマウスをクリックして通話を終了していた。プロゲーマーも顔負けの反応速度である。

 

「大人しく作業しよ」

 

 やっぱりすぐに人を頼ろうとするのは良くないね、と自身を戒めながらみんなのYouTubeサムネイルや再生回数の多い切り抜き動画を見ながらあーでもないこーでもないと問題の作成を再開した。

 

 以前の天猫にゃんだけを対象とした質問企画とは違って、今回はあるてま全体のクイズ企画だから準備段階で考えることと調べるものが多くて思っていたよりも大変だ。

 しかもこれ、質問のときとは違って問題を考えたらそこでハイ終了ではなく、配信で使う画像もそれぞれ作る必要があるから途方もない。

 例えば『一年前の黒猫燦が作ったこのサムネイルにはなんという文字が入っていた?』という問題があったら、問題文とは別に該当箇所にモザイクが入った画像も用意しなくちゃいけない、みたいな。

 

 あれ、これやっぱり一人で準備するのは無茶な企画だったんじゃ……?

 作業が難航するに連れて、いよいよ現実に追いついてきた無茶という実感。

 やっぱり四期生たちにも手伝ってもらおうかな……、いやいやそもそも四期生に出題するクイズなんだから手伝いようがないじゃん、といよいよ思考が混乱してきたところで再びDiscordからてぃろんてぃろん、と気の抜ける着信音。

 

「また我王か……」

 

 Discordのノイズキャンセリングを貫通する高笑いに思わず通話を切ってしまったが、凝りずにもう一度かけてくるというのなら付き合ってあげよう。

 わたしもこれから待ち受ける作業の数々に心が疲弊していたところだし、小休憩だ。

 

「もしもし……?」

「貴様、自分から声をかけておいて通話を切るとは良い度胸だな」

「あー、えっと、うちで飼ってる猫がマウスを勝手にクリックして……」

「む? 貴様、猫を飼っていたのか? 奴らは作業中の飼い主の邪魔をすることが生き甲斐だと聞く。ならば仕方がないな」

「あ、ごめん嘘です」

 

 冗談のつもりだったのにすんなり信じ込むから思わず正直に白状してしまった。

 こいつ、とんでもないお人好しか?

 

「なんだと!? やはり我を愚弄するために──」

「それ! その大声! いきなり通話出て高笑い聞こえてきたら普通切るでしょ! 耳キンキンするって!!!!」

「ぐぉ、貴様いきなり大声を出すな……」

 

 どうやら通話相手がいきなり大声を出してくるつらさを我王に理解させることが出来たようだ。ざまぁである。

 それから我王は先程より数トーン低めの声で、

 

「いつの間にか通話から抜けているから気づかずにずっと一人で喋り続けていたぞ」

「えぇ……、あのテンションでずっと喋ってたの……」

 

 どうりで折り返しの着信が少し遅かったわけだ。

 もう一度通話をかけるか悩んでいたり離席していたり苛立っていたわけじゃなくて、延々とあのテンションで一人喋り続けていたとか予想外だよ。

 

「ちょうど動画の撮影をしていたところでな。OBSが起動していたから通話から抜ける音が聞こえなかったのだ」

「あー」

 

 Discordは配信中に通知音が入らないように、OBSなどを起動すると自動で配信者モードというものに切り替わるようになっている。

 このモードが適用されている間はチャットや通話の入退室の音が鳴らなくなるのだが……、我王はそのせいでわたしが通話から抜けたことに気づかずに喋り続けていたらしい。

 いや、だとしても返事もない相手を前に数分間一人で喋り続けるのやばいだろ。どんなメンタルしてんだ。

 ってかそのくせチャットには一瞬で返事するってどういうことだ……?

 

「まあ良い。これからは通話と同時に高笑いは控えるようにする」

「それがいいよ。いきなりやられるとびっくりして耳と心臓壊れるし」

「ワンテンポ置いて、相手の声を聞いてから高笑いをすれば良いのだろう?」

「違うんだよなぁ……」

 

 先制を譲れば良いってもんじゃない。

 我王は通話の始まりのことをターン制のバトルか何かと勘違いしているんだろうか。

 

「で、手伝えと言っていたが具体的に何をすれば良いのだ?」

 

 いきなり通話を掛けてきたから当然なのだが、やはり我王は何をするか把握していなかった。

 それでも手伝うことに関しては不満を漏らさずに協力の姿勢を見せてくれるのは、彼の人の良さだろうか。

 わたしとしては高笑いキャンセルに不満を漏らすくらいなら、手伝いに不満を持ってほしいのだが……。

 

「ふっ、大方コラボの準備に手間取っているのだろう? 当の本人たちを頼らないところを見るに一度任せろと言った手前、今更後輩に手を借りられないといったところか。いや、それとも後輩には任せられない理由があるのか? たとえば準備段階で知られては企画倒れになる何か、とかな」

「相変わらず察しが良すぎてこわいんだけど。やっぱりストーカー? 実はカメラとか仕掛けてる?」

「しとらんわっ!」

「あ、webカメラをハッキングしたら監視できるとか聞いたことある……」

「我はハッカーではない!」

 

 まあそりゃそうか。

 しかし我王が流れを理解してくれているおかげで話が早い。

 とりあえず今日の出来事をざっと共有しながら、手分けしてクイズに使えそうなサムネイルと切り抜き動画を探すことにした。我王はサムネ担当、わたしは切り抜き動画担当。

 

 ちなみに切り抜き動画は企画で流したりはしないが、ライバーの過去にバズったネタを探すのに便利だから色々と探している。

 例えば『黒猫燦が夏波結との初コラボで語った彼女の第一印象は?』みたいな。

 マイナー過ぎるクイズを出すよりも、こういう再生回数の多いメジャーなところを多めに出題するほうが配信的にはウケるだろうからね。

 

 というか、このときの切り抜きって300万回も再生されてるのか。

 コメント欄を覗くと『結ちゃんのはじめての低い声助かる』とか『この「は?」が後の夏波結のキャラを決定づけた』とか結構好き勝手言われていた。まあ、実際これがキッカケで化けの皮が剥がれていったよね……。

 

 そんなこんなで、先程までは途方もない作業量を前に一人絶望していたというのに、今は我王と分担することで切り抜き動画を視聴したりコメント欄を覗く余裕も生まれていた。

 こいつ、キャラのクセが強すぎるせいでついつい軽視してしまうけど能力的には普通に有能なんだよなぁ……。

 

「ところで黒猫よ」

「え、あ、はい」

 

 ちょうど我王について考えていたところに声をかけられて妙な返事になる。

 しかし我王は気にした様子を見せず、

 

「奴らはどうだった?」

「奴らって四期生?」

「ああ。コラボを提案した手前、上手く交流できたか気になってな」

 

 打ち合わせの流れについてはつい先程共有したが、わたしと後輩たちの会話や空気感については余計な情報だと思い伝えなかった。

 通話越しでもどこかソワソワした我王の様子を見るに、かなり気になっているみたいだ。はじめて幼稚園に行った子供を心配する父親だろうか。

 わたしはあのクソ生意気な後輩たちの姿を思い浮かべながら、

 

「自由だったよ。こっちの話そっちのけでコント始めるぐらいには」

「くくく、そうか。うまく馴染んでいるようだな」

「馴染むって……、おかげでこっちはずっと置いてけぼりだったけどね」

 

 友達に連れられて遊びに行ったらとうの本人がいなくて、代わりに友達の友達が複数人いて向こうは向こうで勝手に盛り上がるから会話に参加できないぼっちの気分だったよ。うっ、トモちゃんたちとはじめて遊びに行った時の記憶が……。

 

「というか! 自分から提案してあとは放置ってひどくない? せめて顔合わせの仲介くらいさぁ……」

 

 わたしじゃ止められなかった四期生コントも、我王なら我関せずとばかりに平気で中断させられただろう。こいつ、空気を読めないのか読まないのか、そういうところあるし。

 

「それについては悪く思う、我にも考えがあってな。しかし、だからこそ今手伝っているだろう? あるてまクイズならば我以上にライバーを把握しているライバーは未だにおらんだろうし、我こそが最も問題の作成に適した人間だと自負しているぞ。その点でいえば企画をクイズにしたこと、そして真っ先に我を頼った黒猫のセンスは我の目から見ても中々のモノだ」

「え、そうかな? わたしセンスあった?」

「ああ。この我が太鼓判を押すのだ、違いあるまい」

 

 そうかそうか、わたしってやっぱりセンスあったんだな。

 いやぁ、薄々自覚はあったんだけど、こうも面と向かって言われてしまうと認めるしかないなぁ。

 え、それでなんだっけ? 後輩の面倒? センス抜群の天才黒猫燦に掛かれば我王とかいなくても余裕だけど?

 

「貴様の面倒を見る夏波の気持ちが理解できたぞ……」

「え、結がどうかした?」

「なんでもない。気にするな」

 

 結と言えば今回の作業、我王は文句の一つもなく手伝ってくれるているけど、もし結に頼っていたら絶対に小言を言われていただろうな……。それも五分に一回のペースとかで。

 そう思うとやはり我王に頼ったのは正解だったかもしれない。

 

「それで貴様は奴らと仲良く出来そうか?」

「んー、どうだろ。ましろさんはベア子の例があるし、亜彩さんは過干渉しないけど結構合わせてくれるタイプっぽいし。強いて言うなら旭くんがまだ距離感掴めてないかな」

 

 遅刻組を待つ間の二人きりの時間とか自己紹介のテンションを見るに、彼もわたしと同じでコミュ力が低そうな気配を感じた。そして身内相手にはかなり舌が回るタイプというのも理解した。

 でも亜彩さんとましろさんをイジるためにわたしに話しかけてくれることはあっても、向こうから自発的に話しかけてくれることは最後までなかったし、彼の身内認定を受けるのはなかなか難しそうだった。

 

「そうか。我の見立てではアイツと貴様は相性が良いと思うぞ」

「えーそうかな……」

 

 まあ、黒猫燦っていじられて輝くタイプってよく言われるし、調子乗りの旭くんが打ち解けてくれたら相性は悪くない、か?

 

「兎も角、色々と大変だろうが面倒を見てやってくれ」

 

 我王は改まった様子でそう言ってきた。

 なんだろう、子を託す父親の気持ちだろうか。同僚の面倒見が良すぎるだろ。

 

「奴らは我が見るよりも貴様のほうが適任だろうからな。もちろん手伝える範囲でなら我が貴様のことをサポートしよう」

「手伝ってくれるなら、まあ、別にいいけど……」

 

 いちおう、前回我王の世話になった身ではあるから、彼が協力してくれと言うのならここはちゃんと引き受けて恩を返すのが筋だと思う。

 それにわたしとしても後輩の面倒を見る、というのはそんなに悪い話ではない。

 先輩VTuberとしての視点だからこそ得られる経験があるし、単純に後輩から慕われるというのはなかなか悪くない気持ちになれる。

 わたしの返事に気を良くした我王は「ふははっ!」と再び高笑いをすると、

 

「ならば今こそ契約は結ばれた! このあるてまクイズ、我が完璧な問題に仕上げるぞ!」

 

 やっぱりさっきの話、全部無しにならないかな……。

 

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