美少女になってちやほやされて人生イージーモードで生きたい! 作:紅葉煉瓦
「こんばんは、また会えたね。あるてま四期生の息吹ましろだよ」
..こんばんは~
..はじまた!
..こんまし~
..今日も会えて嬉しいです
「今日は告知していたように先輩の黒猫さんをお家にお招きしてASMRをしていこうと思いまーす。ましリスのみんなも黒猫さんのリスナーのみんなもよろしくねー」
..はーいよろしくですー
..今日はいつもより人が多いと思ったら黒猫さんのとこのリスナーさんなのね
..活動1年半にしてついにASMRに挑戦するんだな黒猫
..今日の配信タイトル絶対に黒猫が考えただろこれ
..永眠させるな安眠させろ
「というわけで黒猫さん、自己紹介どうぞ」
そう言ってましろさんがマイクを譲ってくれた。
「こ、こんばんにゃー。あるてま二期生の黒猫燦、です」
..こんばんにゃー
..めっちゃ緊張してない?w
..おぉ、なんか黒猫の声がクリアな気がする
..ましろちゃん、いつもよりノイズ多め?
「あ、ノイズに関しては黒猫さんが直接マイクを持ってるからいつもより多めかも。黒猫さんが慣れてきたら少なくなると思うから我慢してね」
..はーい
..なるなる了解です
..え、てことは今俺ら実質黒猫に耳掴まれてるってこと…!?
通常のマイクはスタンドを使って机の上に設置したり、アームで固定することがほとんどだ。
しかしASMRに使うバイノーラルマイクはマイク本体を触る機会が多いため、配信者やその日のテーマによって固定の仕方も違うらしい。
手軽にやる人は普通にマイクスタンドを使って机の上に設置するし、上下左右の音を重視する人は大型のスタンドを使って床の上に設置して広い空間を確保する。
今回わたしはASMR初心者ということもあって、コツとかむずかしいことは一切気にせず膝の上に乗せながら喋るという、いわゆる固定しないスタイルでやることになった。
膝の上に乗せるメリットはやはり何と言っても直接マイクを動かせることだ。
つまり、
「今、あなたたちの命は私が直接握っています。その気になればマイクを床に落として鼓膜を破壊するなんて容易です。なのでくれぐれも私に逆らわないように」
..ひぇっ
..人様のマイクを床に落とすな
..それいちおう10万弱するぞ…
..ASMR聴けると思ったら急に主催者のご機嫌伺うデスゲームがはじまった…
..元より他所様の枠なので大人しく聞きます
いつもなら聞き分けのないリスナーもこの通り、簡単に大人しくすることができる。
とはいえ、やっぱり直接マイクを膝の上に置いたり位置を調整するために動かすせいで、そのたびに特有のノイズが発生するのは大きなデメリットだろう。ASMRにおいて不愉快なノイズなんて天敵どころではない。
上手い人なら太ももの間にがっちり挟み込んで、ノイズが生まれないように固定するんだろうけど……、まあ初心者にそんな高度なことができるわけもなく。
今回はあくまで初心者だからノイズが出るのは仕方がない、と割り切ることにした。
ちなみに、マイクを直接持っているとは言っても、膝の上に乗せていることをリスナーに伝える気はない。どうせ面倒なことになるし、察しの良いやつならそもそも物音で気づくだろう。
「さて……」
事前に教えてもらった最低限のコツを思い出しながら、何をしようかと悩む。
隣にいるましろさんはニコニコと微笑んでいるだけで助け舟は出してくれない。最初は何でも良いからやってみましょう、というスパルタ方針か。
とりあえず、今まで聴いてきたASMRを思い出しながら、見様見真似で囁き声というものを出してみよう。ASMRと言ったらまずはこれでしょ。
「わ、わー」
..うぉ
..わぁ
..急に囁くな!?
..きしょ!?
「なんなんはこっちの台詞なんだけど!? なんでちょっと声量落としただけでそこまで言われなきゃいけないの!?」
..ASMRで叫ぶな!
..急に美少女みたいな声聞こえたからびっくりした
..とりあえず出した声が「わー」ってところに陰キャでてる
..さっきまでの薄幸美少女返して
..清楚ないなった
こ、こいつら……。
「ふ、ふーん? ようやく私のこと美少女って理解したんだ? まったく、照れ隠ししちゃってさ」
..このどら猫が…
..こいつ黙ってるほうが美少女なんじゃね
..無言で囁やけ
..ましろさんガムテープ持ってきて
..黒猫さんのリスナーっていつもこんな感じなんですか…?
「あ、ほら! うちのリスナーが暴れるからましろさんのリスナーが困惑してるじゃん。いつもは美少女でやらせてもらってます黒猫燦ですよろしくね」
うちのリスナーは他のリスナーと違ってノリが良すぎるところがある。
端から見れば配信者とリスナーで殴り合っている光景は異様に映るかもしれない。ここはちゃんとわたしがフォローしておかねば。
「黒猫さんの緊張もほぐれたみたいですし、そろそろ本格的にやっていきましょうか」
「あ、はい」
..出来た後輩だなぁ…
..さすが四期生の保護者
..黒猫にファンムーブはするけどちゃんと締めるとこ締めるのいいね
なにはともあれ、囁き声というものがどういうものかはなんとなく理解できた。
問題は意識してこのトーンを維持すると、そっちに気が向いて何を喋ればいいのか思いつかなくなることだけど……、やっぱりASMRなんだから雰囲気は大事にしたいよね。
となると、
「う、うふーんあはーん?」
..???
..今度はなんだ
..…もしかしてド偏見ASMR知識から変なネタぶっこんできた?
..※彼女は真面目にやっています
..ましろちゃんの事前講習寝てたのかな…
お、おかしい。
ASMRって声のトーンを落としてなんかセクシーなこと言っとけばいいんじゃ……。いや、これって決めセリフであってトークではないからダメなのか。
じゃあASMRで何を喋ればいいのか、と再び悩んでいると、
「黒猫さん、黒猫さん」
「うひゃっ」
ましろさんが耳元でぽしょぽしょと語りかけてきたので、肩がビクッと跳ねてしまった。
わたしに合わせて声のトーンを下げてくれているのは分かるが、不意打ちはなかなか心臓に悪い。
「今日の晩ごはんは何を食べましたか?」
唐突に何を言ってるんだろうか、この人は。
ASMR中に晩ごはんの話って……、まあ聞かれた以上はちゃんと答えよう。
「なにって……、ここでデリバリーのピザ食べたじゃん」
「おいしかったですか?」
「うん。チーズが耳までとろとろで味も四種類あっておいしかった」
「ですね。一人暮らしだとなかなかピザを頼む機会がないので、私も久しぶりに食べれておいしかったです」
..囁き声で飯テロやめて…やめて…
..あれ、なんか囁き声だといつもより美味しそうに聞こえる…
..明日はピザ食うか
..ASMRってなんだっけ
チャット欄もピザの話題に困惑しながらお腹を空かせている。
いったい何を考えてるんだ? と訝しんでいると、
「こんな感じで、いつも通りの調子で雑談しましょう」
そう言って、ましろさんはわたしに微笑んだ。
いや、でもピザが美味しかったなんてわざわざASMRで報告しなくても。
「おそらく黒猫さんはASMRだからいつもと違って雰囲気を大事にしなきゃ、と考えてますよね」
「それはまあ、普通の雑談ならASMRである必要ないし? 囁くんだし、なんかチルい感じでいきたいよね」
「たしかに普通はそういう配信者さんが多いです。でも、今日ここにいる人は黒猫さんがはじめてASMRをすると理解した上で聴きに来た人しかいません。つまりは今日の黒猫さんは初心者だからこそ何をしても許される、いわば王様です。王様ならあれこれと気を回さずに、マイクを落とすと言ったときみたいに、自由に振る舞っていいんですよ。ね、みなさん?」
..黒猫が喋ってくれるだけで助かる
..最初からうまく出来る人なんていないぞ
..ましろちゃんも最初は初々しかったよね~
..黒猫はASMRリスナーやりすぎて理想が高くなってんじゃね。いつもみたいに適当に配信しろ
ましろさんの言う通り、チャット欄はいつも通りの雑談を望む声がほとんどだった。
ASMRだからって変に肩肘張らなくてもいいんだ……。
「じゃ、じゃあ、この前のコラボの感想でも適当にしゃべってみる」
それから、わたしは時々ましろさんに話を振りながら10分くらい雑談を楽しんだ。もちろん、声のトーンは落としながらだ。
最初は慣れない囁きになかなか回らなかった舌も、気がつけばいつもの調子を取り戻していた。
そして、
「それでは次はいよいよみなさんお待ちかね。マッサージと耳かきをしてみましょう」
..待ってました
..ASMRと言えばやっぱこれだよね
..鼓膜の替えは用意してきたから遠慮なく耳かきしてくれ
..不安半分期待半分、頑張れ
..ましろちゃんがレクチャーしてるなら大丈夫だよ、たぶん
..高級イヤホンで聴くぞ!
耳かきといえばASMRの中でも一、二を争うほど人気ジャンルの一つだ。
チャット欄もこれを心待ちにしていたリスナーが多いのか、今日一番の盛り上がりを見せている。
わたしはうまくできるか緊張しながら、机の上に置いてある耳かきを手に取った。
何の変哲もない、後ろに
これをバイノーラルマイクの側面にあるシリコン製の耳の穴に入れるわけだが……、うっ緊張してきた。
「そ、それじゃあ入れるね……」
..どきどき
..わくわく
..なんかえっちぃな
そーっと、そーっと。
震える指先を気合で抑え込みながら、耳かきの先端を慎重に穴に入れて、
──ずぼっ
「あ」
..あ
..あ
..ぎゃっ
..いたぁ!
..み、耳がぁ!
耳かきの先端が見えなくなると同時に、力加減を間違えて思わず耳の奥まで一気に挿し込んでしまった。
シリコン耳の奥には当然、バイノーラルマイクの本体が入っているわけで……。
まあ、簡単に言ってしまえば、マイクの超至近距離で大声を発するのと同じような現象がリスナーの耳を襲った。
ASMRでどれだけリアルな感覚を抱けるかは人によって異なるが、そういう神経が過敏な人はいまので本当に耳の奥を突かれたような痛みを感じた人もいるだろう。素直に申し訳ない。
「ご、ごめん! 本当にごめん! 痛かったよね! 大丈夫だった!?」
..ぎゃっ
..耳なくなった
..鼓膜どこ
..黒猫さぁ…
「く、黒猫さん。叫んじゃダメです」
「あ、そうだった…」
思わず素に戻ってしまったけど、これじゃ二次被害が発生するだけだ。特に配信前、3dioは高音が鋭いから気をつけろと言われていたのに。
なんとかみんなが落ち着くのを待ったあと、再びわたしは謝罪した。
「ごめん……。耳かき見えなくなったらつい、ずぼっと」
「あ、あはは……、針の穴に糸を通すときとかやっちゃいますよね。集中すると逆に指先に力が入ったりとか」
..どんまいどんまい
..正直こうなる気はしてたから大丈夫
..黒猫って本当に期待裏切らないよね
..初心者だからしょうがないよ。失敗も経験の内
..諦めずにもう一回挑戦してみよう
ASMRで絶対にやっちゃいけないミスを二連続でやらかしたわたしに、それでもリスナーは優しく慰めてくれた。
普段は冷たいくせに、こういうマジのときは優しくしてくれるの卑怯だと思う。DV彼氏か?
「たった一度の失敗を弄りすぎてそれが原因で二度とやらなくなる、なんてのはよくある話ですから。みんなも黒猫さんのASMRに期待しているからこそ、このくらいのミスにも優しいんですよ」
「うぅ、ありがとう……。もう少し頑張って耳かきするね……」
「改めておさらいですけど、耳かきはまず最初に耳の入口からこしょこしょしてあげましょう。いきなり奥を攻めようとすると、さっきみたいに加減を間違えてずぼっといっちゃうので」
ましろさんのアドバイスに従い、今度は耳の入口を掻いてみる。
こしょこしょ、こしょこしょ、っと。
「ど、どうかな?」
..悪くない
..まあまあ
..及第点
辛口だな、おい。さっきの優しさどこいった。
「耳の縁も、なぞるように優しく掻いてあげてください。触れるか触れないか、くらいでやるといいですよ」
「なるほど……」
かりっ、かりっ、とシリコン耳の縁を引っ掻いてみる。触れるか、触れないか、絶妙な力加減で……。
..うわっ
..なんかぞわっときた
..きっしょ。なんだこれ
..ましろちゃんに交代した?
「あとはたまに耳の裏を撫でてあげたり、たぶのところを揉んであげるのもいいですね。マッサージのイメージです」
「マッサージ、マッサージ……」
なでなで、さわさわ、もみもみっと。
..黒猫のASMRで気持ちよくなるの癪なんだけど!
..心は黒猫を拒絶してるのに体は正直な自分が許せない
..うまいねー
..もしかして耳かきするために生まれてきた?
リスナーの反応を見るに、どうやらわたしは耳かきが上手らしい。というか、ASMR耳かきの技術は果たしてリアル耳かきにも通用するのだろうか。
「最後は時々話しかけてあげると完璧です。気持ちいいですか~、とか」
「気持ちいいですかー」
..気持ちいいよ
..いい感じ
..はじめてと思えない上手さしてる
「かゆいとこありませんかー」
..なんかぞわぞわしてかゆいかも
..入口ばっかだからもどかしい
..耳の奥がムズムズするわ
「お湯加減どうですかー」
..ちょうどいいですー
..あれ、いつの間にかシャンプーしてた?
..リラックスできるからなんでもいいや
「お仕事なにされてますかー。趣味はなんですかー」
..面倒くさい美容師の真似やめろ!
..一気に現実に戻ってきたわ
..拒絶してるのに話しかけてくる人困るよね…
入口はこれくらいで充分かな。
次はいよいよ耳の奥だ。さっきはとんでもない失敗をしたけど、今ならいけそうな気がする。
いざいかん、と耳かきを構えたところで再びましろさんからのアドバイスが入った。
「もしどれだけ入ったか分からなくて不安なら、いっそ梵天の方を入れてもいいですよ。細長い耳かき部分と違って、毛のみっちりしてる梵天ならどこまで入ってるか分かりやすいんで」
なるほど。
たしかに言われてみれば梵天なら指先の感覚でなんとなく分かるし、何よりみっちりして入りづらいからいきなり奥まで突っ込むことも無いだろう。
梵天って最後の仕上げみたいなイメージがあるけど、これは疑似耳かきなんだから気持ち良ければいきなり梵天を入れたっていいわけだ。
「じゃあ、入れるよ」
そっと、指先の感覚を確かめながら梵天を耳の奥に入れていく。
焦って奥に入れすぎないように、たまに止まったり、梵天をゆっくり回してみたり。
やがてここくらいかな、という感覚に行き当たった。
「一番奥にとうちゃーく」
..え?なんだって?
..梵天で聞き取りづらい
..逆の耳から話しかけて
いやいや、逆の耳って……。
「太もも乗せてんだから塞がってんじゃん」
..え
..これ何も聞こえない左耳って黒猫の太ももで塞がれてんの?
..まさかとは思ってたけどマジで膝上でやってたんか…
「あ」
面倒なことになるから黙っておこうと思ったのに、つい油断して口を滑らせてしまった。
なんとなく察するのと、本人から明言されるのとでは感じ方というものは変わってくる。
..これが黒猫の太ももか…
..なんか布の音が聞こえるような聞こえないような
..こころなしか体温が感じられるようなないような
ほら、やっぱり膝に乗せてるとか言うとキショいコメントで溢れるんだよ。
しかし、
..まあ黒猫だからどうでもいいか
..音も体温も気の所為だったわ
..てか黒猫じゃあるまいしマイクが拾う音に興奮しないだろ
..早く耳かきの続きしてください
「なんっでだよ! 美少女の太ももの上だぞ! そこは頑張って些細な音聴いたり体温イメージしろよ! 耳かきより私で興奮しろ! お前らそれでもオタクかよ!」
まったく、こんな超絶美少女の太ももの上だぞ?
実質膝枕してるのと変わらない質感を今リスナーは味わってるんだぞ。なのになにが不満なんだ。
..えぇ…
..何いってんのこの子
..そんな想像してるって変態か?
..黒猫でそういうのはキツイけど耳かきは良かったよ
..め、めんどくさ…
ふん、そっちがその気ならわたしにだって考えがある。
わたしは梵天を挿したままのマイクに顔を近づけ、
「今、私はお前たちのいちばん大事なところに指を添えていると自覚したほうがいい。生かすも殺すも私次第だぞ。それを踏まえて、はい、私と耳かきどっちに興奮する?」
..黒猫さんです
..黒猫さんのほうが魅力的です
..黒猫バンザイ
「よしよし、えらいね」
ご褒美に耳裏を撫でながら梵天を一回転してあげた。
チャット欄がリスナーの垣根を超えて黒猫燦最高! で埋め尽くされていく。今ここにいる全員がわたしのことをちやほやしてくれていると思うと、荒んでいた気分も次第に落ち着きを取り戻した。
同時に他人の枠で何をしているんだ、と後悔が生まれる。
「ご、ごめん。ついカッとなってやっちゃった。反省はしてるけど後悔はしてない」
..後悔もしろ定期
..てか女性Vにそういうこと言うとセクハラだからこっちも気を使うんだよ
..察しろ馬鹿
まあ、それはそうか。
わたしも最初は
..でも今日の黒猫さんは可愛いと思うよ、今日はね
..トーンダウンしてるの新鮮で良かった。たまに叫ぶのはあれだけど
..いつもボソボソ喋ることはあっても囁くことなかったしね~
..テンション抑えてオドオドした感じ無くして大人しくすれば声だけは清楚な美少女だった。それはもはや黒猫燦ではないのでは???
「キミたちひどくない?」
これでも正統派美少女なんだが。
と、そこで今まで自分の枠なのに口出しをしてこなかったましろさんが、
「あ、黒猫さん。そろそろ次にいかないと結構時間があれかもです」
「え。あ、ホントだ」
壁にかかっている時計を見れば、配信開始から一時間以上が経っていた。
しかしここまで出来たのは雑談と耳かき、それからマッサージだけである。
スライムや本のページをめくる音など他にも色々な道具を用意していたのに、これらを全部やるとなると相当急がないとダメだ。
「これは次回に持ち越しも視野に入れないとですねー。そのときはマイクも黒耳に変えましょうか」
そう言ってましろさんがどこか含みのある笑みを浮かべる。
「ま、まさか」
私が人の枠で好き勝手しても口出しせずに、ずっと見守っていたのはタイムオーバーで次の約束を取り付けるため……?
くっ、前回といい今回といい、どこまで策士なんだましろさんは。
だが、そう簡単に思い通りにいくと思わないで欲しい。
わたしは耳かきを机の上に置くと、その横にあった文庫本を手に取り、
「次行くよ次! ほら、本の音! 次は書く音! 最後はスライムいくよ!」
..まてまてまてはやいはやい
..ぱらららーしゃっしゃっ(ここまで4秒)
..ASMRってぇ、落ち着いてぇ、リラックスしててぇ、もっとゆとりがあってぇ…
..やばい!スライムこねる音が聴いたことない音発してる!
..なんだこの不協和音
..忙しい人のためのASMRシリーズやめろ
そんなこんなで。無事にすべての道具を使い切ったわたしの初ASMR体験は幕を閉じた。
次回はASMRが覇権コンテンツになったくらいにやれたらと思う。
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別に今回の後日談とかそういうあれではなく、ただ黒猫さんがメン限で耳かきして遊ぶだけです。
やりたかったネタが今回の流れ的に厳しかったから書いただけとも、執筆の息抜きに短編を書いただけとも言う。興味ある人はどぞ。