美少女になってちやほやされて人生イージーモードで生きたい! 作:紅葉煉瓦
#黒猫さんの時間 #さくやの時間 #迷Q兎放送局 #フラップイヤー
【ユニット結成】仲良し三人組でお絵描きの森をするにゃ【黒猫燦/神夜姫咲夜/シャネルカ・ラビリット】
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パワハラです。
「おはラビリーット!」
「待たせたの」
「………」
ヒャア、新鮮なコラボだぁ!
今日は森を焼きます
仲良し三人組?
せんせー、コラボに馴染めてない子がいまーす
ゑ、ユニット?
結局ラビリット先輩の強い押しによりわたしたち3人はあるてま初のユニットとなった。
今日はそのお披露目放送なのだが……あいも変わらずわたしは初コラボに対して憂鬱な気持ちを抑えきれずにいた。
そろそろ初めての相手にも慣れた対応が出来てもいいと思うのだが、やはりコミュ障はいくら経験を積んでもコミュ障の根元は変わらないのだろうか。
あぁ、夏波結とコラボしたい。
「ほれ、黒猫よ。主のちゃんねるじゃろ、しっかりせい」
「パワハラはんたーい……」
抗議の声は虚しくも神夜姫先輩に届くことはなかった。
「あー、うー、えっと……ラビリット先輩のわがままで我々は新ユニット、フラップイヤーを結成することになりました、以上」
「シャネルカでいいのですよ!」
イェアアァ!!↑↑
初ユニット爆誕だぁ!
なんかよくわからん三人組だぜ!
まさかそんな共通点ケモミミだけで新人巻き込まんよな、シャネルカ!
遂に犠牲の魔の手が後輩にまで…ナム
「ゆにっとということは、じゃ。これからこの三人の企画等が増えるということじゃな?」
「イエス! ケモミミ同盟なのです!」
ケモミミ同盟ならユニット名ケモミミ同盟でよくね
フラップイヤーのほうが洒落てんだろぉ!?
ついにあるてまも公式ユニット持ちかー
「は、はい。そんなわけで、ね。新人イビリが大好きな先輩たちと、初コラボユニット結成記念配信……やっていきます。お、お絵かきの森でね」
「ほー、いびってほしいのか。了解じゃ」
「ひぅ、ゴメンナサイゆるして……」
「あまり黒猫さんをイジメるのはメッ、ですよ!」
「冗談じゃ」
そう言って神夜姫先輩はまたくつくつと嗤った。
この人と一緒だと調子狂うなぁ。
「じゃ、じゃあ早速やりましょう。エゴコロクイズってのやります」
「1人がお題を描いて他の人が答える、まさに絵心が試される遊びなのですよ」
「画伯が誕生するわけじゃな」
「黒猫さんか咲夜さんのどちらかですね!」
「……なんとなくオチが見えた」
これは陰キャあるあるだが、陰キャは基本的に人と関わらないせいで一人遊びを極める傾向にある。
その代表的な一人遊びがお絵かきだ。
授業中や家にいる時、空き時間があるとついついシャーペンを走らせて落書きをする陰キャは多いと思う。
だから超うまいってレベルではないが、人並かそれ以上程度には絵心を持っている自負がある。
その点、ラビリット先輩は見るからに残念臭が凄い。
容姿だけ見れば金の長髪に豊満な胸とオタクの大好きそうなやつだが、何でもそつなくこなしそうな神夜姫先輩と違いラビリット先輩はドジで間抜けなポンコツうさぎだ。
絶対に理解不能な絵と珍回答を連発して最下位を独走するに決まってるね!
「普通にやってもつまらんだけじゃから、最下位は罰げぇむとして恥ずかしい台詞を言うのはどうじゃ?」
「賛成なのです! チャットで募集とか面白そうですね!」
「ま、まあ、負けなければいいだけなので……」
えっちなのはオッケーですか!?
「えっちぃのは勿論良いぞ」
「負けないからいいのです!」
ラビリット先輩が着実にフラグを立てていってるのだが、本当に大丈夫か?
メイン視聴者であるうちの視聴者はやると言ったら本当に容赦ないぞ?
「は、はじめます、ね」
「お手柔らかにの」
「よろしくなのです」
まず1問目。
描き手は神夜姫先輩だ。
「ほぅ、これは簡単じゃ」
そう言って早速線が引かれていく。
一切迷いのない筆だ。
するするーっと踊るように描かれて──え、ちょ、まって、予想以上にうまくない!?
「あっ、分かったのです!【猫!】」
「ん、正解じゃ」
そこにはマウスで描かれたとは思えないほど完成度の高い猫がいた。
思わず回答を忘れて見入ってしまった。
上手そうだとは思っていたけど、これは本職の人にも負けず劣らずの腕前だ。すごい。
まあ、まだ1問逃しただけだ。ここから余裕で挽回できるさ。
「あ、次はシャネルカなのです」
そして描き手が移る。
よーし次こそは正解するぞー。
「むむ、これは……」
難しそうな声を上げるが、それでも線が引かれていく。
取り敢えず何でもいいから回答しないと。
「【カンガルー】じゃな」
「えっ」
「お~正解なのですー」
「茶色の耳と袋ですぐに分かったのじゃ」
確かに最初に袋を描いて、次に耳へ移ったからカンガルーっぽいシルエットになっている。
いやしかし、それでもまだ答えに気づく段階じゃないだろ!?
思ったより線は綺麗だし完成品は可愛らしい女の子っぽい絵になりそうなイメージは湧くが、それにしたって、えぇー……。
黒猫さんがんばえー
こっからやぞ
今から罰ゲーム考えとくね
「ま、まだ負けてないし!」
取り敢えず描き手が回ってきたので描こう。
落書きを嗜んでいるんだ、良い感じに仕上げてやるさ!
「……のぅ、黒猫や。これはなんじゃ?」
「【ミミズ!】【ピカソ!】【アリの巣!】」
「ん、んぇえ、なんでわからないの!?」
「流石の妾もこれはわからんのぅ……」
どこからどう見ても機関車じゃん!
マウスで複雑な機関車は確かに描きづらい。
けどそれでも特徴的なフォルムは再現できてるし、ゴテゴテした装飾もしっかり描けている。
先輩だからって後輩いじめて楽しいか!?
草
画伯が見つかったな
黒猫さん……
一旦落ち着こ?な?
寝る前はホットミルク飲むといいよ
しばらく配信おやすみしよ?
な、なんでぇー!?
先輩の仕込みと思ってチャットを覗けばそこにはわたしの心配をする内容ばかり。
笑いものにされるならまだしも、本気で精神の心配をしてくる視聴者が多くて誠に遺憾である!
「ぁ、時間切れ……」
「機関車、機関車の。うむ、言われてみればそんな気がしてきたのぅ」
「【黒猫さんの心の中!】」
「これ、やめんかしゃねるか!」
ま、まあ?
ちょっと調子悪かったかな?
つぎ、次こそいけるから、よゆーだから。
「気を取り直して、うむ。これはちと難しいの」
「【うさぎ!】【きつね!】【いぬ!】」
「【フェネック】【アライグマ】【ツキノワグマ】」
まだ絵は完成していない。
凄い速さで描かれていくのだが、わたしたちはもう何でもいいから適当にシルエットから動物を連投するようになっていた。
「あ、わかったのです! 【木彫りの熊】」
「分かるか! クマでいいだろ!!」
「意地悪問題じゃったな」
で、ラビリット先輩の番になってデフォルメされた顔が2つ描かれたと思えば神夜姫先輩の【いないいないばあ】で正解を奪われて……。
続くわたしの手番は【肉球】で楽勝じゃん、と思ったら蟻地獄やらシロアリに食われた壁やら海外アニメのチーズ、ボロボロの肺とか散々な回答で不正解。
もしかしてわたしって絵心ないのか……?
黒猫さんズタボロで草
笑うなよ(真顔)
あんなでも必死にやってんだよぉ!
画伯助かる
「ぐすんぐすん」
「うむ、まあなんじゃ。主の絵は後年には評価されるやもしれぬな」
「シャネルカはそうは思いませんけどきっと世界には黒猫さんの絵が好きな人もいるのです!」
「ふぉ、フォローがフォローになって、ない!」
もう解散だ。
フラップイヤーは今日限りで解散である。
わたしに優しくない世界なんていらないんだよぉ!
「とりあえずあと一巡あるからやろうかの」
「黒猫さん、ワンチャンスですよ!」
「ねぇよ!!」
まあ結果はお察しの通りになった。
で、問題はここから。
「これもるぅる故、恨むでないぞ」
「はいはい黒猫さんに言ってほしい台詞打ってくださいよー、なんでもいいですよー」
私はクソザコメンタルポンコツ画伯猫です。
お前、私の女になれよ
あっ…///ん…///もうっ!耳、フーッてするの、禁止ッ!
ご主人様…私の事、壊しちゃっても良いんですよ?
もっと、お仕置き下さいにゃん♡゙
「お前らどっかからハズい台詞コピってきただろ!?」
「何が良いかのー。一つじゃ足りないのー」
「もっと過激な台詞が欲しいですねー」
「こんの万年発情期うさぎが……」
「皆さん聴きました!? もっとエッチなのが良いって黒猫さん言ってますよ!」
あぁー!
チャットが、チャットが爆速に!
「ん、これとかどうじゃ?【ゆいままのがほしいの】」
「あとは【ゆいまま、はやくベッドいこう?】とかもいいですね!」
「しんぷるに【ゆいまま大好き!】も捨てがたいのぅ」
「逆に【おい、結。私の女になれ。抱いてやるよ】も妄想が広がるのです!」
「ほれ、黒猫。好きなの選んで良いぞ」
「この中から選べと!? 後でどんな顔して通話すればいいんですか!?」
完全に友情崩壊の罰ゲームじゃないか。
というか罰ゲームはあくまで台詞を言うものであって、この中から選ぶものじゃなかったと思うんですけど?なんか増えてない??
しかしどんなに抗議の声を上げても先輩たちと視聴者は頑なに譲ってくれることはなかった。
譲歩とか人の心はないんですか……ッ!
「ぁ、ぅ……」
「ほれほれ、あと五秒じゃぞー」
「うぇえ!?」
「よーんさーんにーいーち」
え、え、えっとえっとえっとぉおお!?
「ゆ、結大好き!!!」
考える間も選ぶ暇もなく咄嗟に口から出たのはそれだった。
エンダー
キマシタワー
二人は幸せなキスをして
Happy End
なん 夏波 結✓
「なるほどなるほど、つまりそういうことなのじゃな」
「おめでとうございます! おめでとうございます!」
「ぅ、ううぅ、べ、別にゆいままなんて好きじゃないんだからね!」
「そんなに照れなくてもいいのですよー」
「くっふっふっ、では妾が黒猫を娶ろう」
「んな!? なんなんな!?」
「む、妾が嫁ぐほうが良いか? 旦那様はしょうがないのぅ」
この時代のコラボ立ち絵は動かないというのに神夜姫先輩の銀の長髪が揺れ、紅い瞳で見つめられながら舌舐めずりしている気がして背中がゾクッと粟立つ。
「これでも妾は最後まで尽くすたいぷじゃぞ? それはそれは甘々のとろとろに溶かし尽くしてやろう。それともやはり、黒猫は尽くされるより尽くす方が好きかのぅ?」
「わ、わたしは───」
「はいはいストップストーップなのですよー。シャネルカが仲間外れで疎外感を味わってますよー」
あ、あぶない!
まるで闇夜の光に誘われる虫のように、フラフラとトンデモナイ事を口走りそうになった!
やっぱりこの人とは相性悪いぞ! 相性最悪だ!!
「ほっほっ、やはり黒猫は面白いのぅ」
ドキドキした
脳が破壊されるかと
むしろアリでは?
いろんな解釈があってそれもまたヨシ!
「うぅ〜、ほら、もう1回しますよ! 次は私が勝つので!」
「幾らでも相手になろう」
「黒猫さんの自信はどこからくるんでしょうねー」
「正解すれば問題ないからな!!!」
「あ、あの、こんばんわ」
「う、うん。えっと、配信お疲れさま」
「ぅ~……」
「………ッ」
「きょ、今日はいい天気でしたね!」
「そうね! いい雨だった!」
「う、うぅ……」
「今日はもう落ちよっか……」
「……ううん。もうちょっとだけ、する」