美少女になってちやほやされて人生イージーモードで生きたい!   作:紅葉煉瓦

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#37 【カラオケ大会】全員集合!夏のカラオケ大会!(黒猫視点)【あるてま】・後

「不器用な僕らは不確かさを持ち合わせながら

 どこまで続くか分からない綱渡りをしてる

 戯けたピエロみたいに軽々進めたらいいけど

 どこまで落ちてしまうか怖くて仕方ないのさ」

 

 アルマ様! ふぉっしる

 お歌つよつよ勢だ! 通行人

 これなんて曲? 豆腐

 circusって去年の曲 うなぎゼリー

 やっぱりアルマパイセンは歌声綺麗やね KAKE

 

「アルマ先輩ってバンドしてるらしいよ」

 

 結が待機組のマイクに声を拾われないよう耳打ちしてきた。

 というのもこの企画、○○視点という風に各チャンネルで区切られているのは歌っていない間も舞台裏の様子が全部胸元のピンマイクによって声を拾われているのだ。

 カラオケだけを楽しみたい人は【あるてま公式】チャンネルを、推しの雑談(副音声)とカラオケの両方を楽しみたい人は推しのチャンネルを開く、というのがこの企画の楽しみ方だ。

 

 だから黒猫チャンネルを開いている視聴者は、アルマ先輩の歌とわたしの声の両方を聞いていることになる。

 

「一晩中音を止めないで

 一晩中僕と手を繋いで

 一晩中音を止めないで

 一晩中君を信じさせて」

 

「燦はあるてまだと誰が一番歌が上手いと思う?」

「祭先輩」

「そ、即答だね」

「祭ちゃんすこ」

 

 普段黒猫さんに同意できないけどこれは同意 雨夜 夢哉

 シャネルカちゃんが一番だと思うんですけど まめぞう

 やっぱりアルマ様でしょ

 黒猫さんも可愛い! ミキミキ

 そういえばにわさんの歌声って聞いたことないな

 

「私をおだてても何も出ないぞ?」

「素直に受け取りなさいよ……」

 

 だってさっきポカしたわたしが上手いわけないじゃん……。

 あ、けど可愛いなら同意できるな。何せ美少女だから、美少女だから!

 

「SOSに

 YESと言えずに」

 

 88888888 ログボニキ

 流石一期生。堂々としてた

 

「Thanks! いやぁこんな大勢の前で歌うのは久々だったからちょー気持ちよかった!」

「うんうん、アルマちゃんの歌声は何度聴いてもいいものだねー」

「次は私とデュエット」

「祭ちゃーん、そのデュエットは台本にないからダメだよー? あ、こら、スタッフさんに相談しちゃダメ!」

 

 見るとスタッフに詰め寄る祭先輩の姿が。

 そんな詰め寄ってもあるてまはちゃんと時間管理してるから、無茶振りに対応してくれないのに!

 

 マジでやってんのかw Nagisberry

 祭さん自由すぎw totto

 実はにわさんとシャネルカ除くと一番の暴走ガール説 ましろ

 にわさんとシャネルカは別格だから… 薮玉

 

「はぁん、最後まで振り回されるきりんが見えたな。ま、頑張れ!」

「アルマちゃん司会交代しない?」

「はっ、冗談だろ?」

「きりんさんはいつだって本気だけどー?」

「……大型企画の司会、なかなか悪くない提案だな」

 

 ちょ、司会交代ってマジ!? ヘイル

 アルまつ来たな 板猫

 台本にないことするなって言ったやつが率先してる件 らと

 

「きりんに捨てられた……」

「祭ちゃん!?」

「はっ、祭が拗ねるからこの話はやっぱりなしだな!」

「アルマと司会するなら、黒猫さんがいい」

「オイてめぇ!?」

 

 なんでこっちに飛び火してるんですかねぇ……。

 まだ続きそうなコントだったが、スタッフが出した「捲きで」のカンペにより進行が再開される。

 アルマ先輩は控室に戻って来て、入れ替わりで我王が出て行った。

 

「ふっ、我の美声に酔うが良いッ!」

 

 選曲は【virgin moon】

 チャットでは【勇者王誕生!】じゃないんかい、と総ツッコミを食らっていた。

 ……まあ、確かに我王だからガオガイガーって安直だけどイメージするよね。

 

 それから終理永歌、十六夜、戸羽乙葉、きりん先輩、相葉先輩がそれぞれ歌った。

 みんな歌上手いなぁ。

 

「じゃあ次はいよいよみんなお待ちかね!」

「私と黒猫さんのデュエット」

「ではなく! 黒猫さんと結ちゃんのデュエットです!」

 

 終始祭先輩のペースでございます

 いやぁ、祭視点だと全曲小声で歌ってるの面白いわ 通行人

 リースとえーか視点のてぇてぇも良かったよ totto

 べんとー先輩が本番前のロケ弁食わずに半額弁当持参して本番中に食いだすのは流石に流石に

 シャネルカVS神夜姫VS京介VSダークライは熱かった まめぞう

 ↑最後ダークライが勝ったんだよね…

 

 いよいよ2回目となるわたしの番がやって来た。

 最初の失敗があったせいで、控室を出る前から心臓がバクバクに暴れている。

 

「いける?」

「む、むり……」

「じゃあいこっか」

「にゃぁ!?」

 

 心配はするが答えは求めていない! 雨夜 夢哉

 ゆいまま式スパルタ配信

 燦ちゃんがんばえー ミキミキ

 失敗してもカラオケだから楽しめばえーんよ ログボニキ

 最悪ままに甘えろ

 

「ままじゃないけどね! 燦のことは任せて!」

「おなかいたい……」

 

 ずるずると手を引かれながら歌唱ブースへ。

 うぇぇ、歌いたくない……、そうだ!

 

「ま、祭先輩! 代わりに、歌って!」

「黒猫さんと歌える?」

「い、いや、私の代わりです……」

「無理」

 

 ぐ、ぐぇー最後の頼みの綱がいとも簡単に切り離された!

 

「じゃあ歌ってもらいましょー。ゆいくろで【深層マーメイド】」

 

 まるで退路を塞ぐかのようにきりんさんが早々に曲名を告げた。

 流れるイントロ。そうだった、この人は一見優しそうに見えてその実厳しい人だった!

 

「ほら、歌うよ」

「にゃーん……」

 

 ゆいくろ初デュエットですね 薮玉

 どう転んでも伝説の予感

 実は黒猫さんが文字通り転ばないかずっとハラハラしてる らと

 ↑僕も

 

「愛してるなんて 甘い台詞も

 本物じゃなきゃ 寂しいだけ」

「優しいウソも 不埒なキスも

 秘境の海の おとぎばなし」

「My boy  意地悪しないで そばにいてよ

 My love  泣きたくなるほど

 君じゃなきゃ 嫌」

 

 アッ(尊死)

 歌詞てぇてぇ

 黒猫さんちゃんと歌えてるじゃん!

 本番に強い陰猫だからな

 ままが隣にいるからだし

 

 今度はチャットをチラ見しない。

 視線は歌詞が書かれたカンペに集中、そして時折精神を落ち着けるために結の方へ投げるだけだ。

 あ、視線が合った……。

 

「ッ──Ah 今日を終わらせないで」

 

 危ない危ない、動揺から一瞬歌詞を間違えそうになった。

 視線はカンペだけに集中!

 

 噛みそうになった

 持ち直せてえらい! ミキミキ

 この猫、歌の中で成長している!? 板猫

 

「いっそ 嫌いになれたら楽なのかな

 なんて 果敢ない願い」

 

 所々危ない箇所はあったものの、次がラストのサビだ。

 きっとまた1人で歌っていたらこんな風に最後まで歌えなかったかもしれない。

 隣で歌ってくれている結に感謝しながら、ラストスパートに気合を入れて、

 

「ひゃん!?」

 

 ? 小波結

 どした

 まーた事故ったか

 最後の最後でさぁ…

 

 急に結に手を握られて、驚いて思わず声が漏れてしまった。

 非難するように結を睨みつけるけど、当の本人は口元に人差し指を当てて「しーっ」とポーズをするだけ。

 はぁー、裏でそういうことするなよなぁ……。

 これじゃあ絶対視聴者にはわたしがまた何かやらかしたように見えるじゃんか。

 

「Deep Blue Mermaid

 ねぇ 好きで 好きで 仕方がないの

 痛い くらい こころが騒ぐ

 辛い 未来 ねぇ 傷ついても かまわないから

 飽きれるくらいに 私をみて 視線で抱いて

 I here you, boy friends I really love you boy...」

 

 88888888 うなぎゼリー

 ゆいくろてぇてぇなぁ totto

 アンコール!アンコール! Nagisberry

 

「いやー黒猫さんと結ちゃんのデュエット良かったね!」

「次は私」

「祭ちゃんはそろそろ自重しようか!」

「あはは、配信で燦とデュエットするのは初だったから緊張しちゃいました」

「けどしっかり歌えてたよー。黒猫さんは途中で何回か噛みそうになってたけどね!」

「あぅ……あれは、えと、その、ゆ、結が悪いから……」

 

 

 人のせいにしちゃだめ 小波結

 もっと歌って練習しないとな 通行人

 だからもっと歌って♡

 

「う、うぅー、うっうー!」

 

 説明したいけど説明するのは凄い恥ずかしいから言えないもどかしさ!

 くそぅ、結め。絶対狙ってやっただろ……。

 

「じゃあ黒猫さんはそのまま残って、次はフラップイヤーで歌ってね!」

「んぇえ!?」

「燦、ガンバ!」

 

 そう言って結は良い笑顔で控室へ戻っていった。

 入れ替わりに神夜姫先輩とラビリット先輩がやって来る。

 

「漸く妾たちの出番じゃの」

「待ちかねたのですよ!」

「いいなぁ……」

「祭ちゃんはこの次出番だからねー」

「ワクワク」

「ちなみに黒猫さんとデュエットね」

「聞いてない!?」

 

 そんなこんなで三連続で歌うことになった。

 おなかじゃなくてのどがいたいよぉ……。

 

 ◆

 

「いやーいっぱい歌ったね!」

「満足」

 

 それから数時間。

 入れ替わり立ち代わり、みんなで歌い合った。

 途中からは控室に戻るのが面倒で全員で歌唱ブースに集まって、雑談しながら合いの手を入れたり歌ったりと、本当に好き勝手やりたい放題になっていた。

 

「そういえばこれって大会だけど、誰が優勝なんだ?」

「えっとー、スタッフさーん」

 

 きりん先輩の呼びかけに答えてスタッフが小さな紙切れを持ってきた。

 どうやら既に投票の集計は終わっているようだ。

 

「第一回、全員集合!あるてまカラオケ大会!の優勝者は~」

「じゃかじゃかじゃかじゃん」

「祭ちゃんです!」

 

 ぱーんぱーん、とスタッフが密かに持ってきていたクラッカーが鳴る。

 急な破裂音に肩がビクッとなったけど、何とか悲鳴はこらえることが出来た。

 これって凄い成長だと思いません?

 

「びっくり」

 

 祭ちゃんおめでとー! ミキミキ

 めでてぇ! KAKE

 まあ僕は祭ちゃんが優勝するって分かってましたけど ヘイル

 司会やってお歌うたって場を引っ掻き回して大活躍だったからにゃー 板猫

 

「はい、祭ちゃんには運営さんへのおねだり券が贈呈されまーす。ぱちぱちー」

「……何に使おう」

「悩むならシャネルカが貰うのですよ!」

「すてい、しゃねるか」

 

 シャネルカに渡すと何するか分からないな

 「フラップイヤーで全国ツアーするのですよ!」 まめぞう

 ↑黒猫がしんじゃう! うなぎゼリー

 ↑↑やめたれw

 まあ祭ちゃんならおいしいもの食べたいとかに使いそう らと

 ↑わかる

 

「じゃあ最後にー、サプライズ!」

 

 ほん?

 そういえば始まりと終わりにサプライズあるって言ってたな

 始まりって全員分のアイドル衣装がサプライズだよな

 じゃあなんじゃらほい

 

「あるてま3期生、募集します! 募集要項は私たちとあるてまで一緒にVtuberをやりたい! ただそれだけ! みんなー応募待ってるよー!」

 

 キタ━(゚∀゚)━! ふぉっしる

 は、え、マジ? ましろ

 そろそろ来るかもって思ってたけどついに来たか!

 このメンバーで年内超えると思ってたけどやっぱり新人いるよね!

 応募する!前回落ちたけど 小波結

 一期生と二期生があれだから三期生は… 薮玉

 あるてまの合格ラインってやべーやつでしょ? 板猫

 俺には合格することが出来ないようだ…

 てか例のごとくサイト落ちてるな

 

「うんうん、やっぱり公式サイト落ちてるよねー! また後で公式Twitterの方でも詳しい説明があると思うのでしばらく待っててね! じゃあそういうわけで、ばいばーい……なーんて、まだちょっと続きます!」

「全員で歌う」

「ラストはこの曲【オトノナルホウへ→】」


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