ドクターが記憶喪失になったので攻略します!   作:雨あられ

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File13.シデロカ

商売の原則は等価交換である。

 

それがミノスの、コリニアでの常識である。

商品、財産、将来性や人情を天秤に乗せ、秤に乗せた均衡が保たれた時、初めて商談は成立する。

 

……けれど、それは相手が『同等の価値』であると認めた一部の商人達だけのもので……。

 

相手が愚鈍であるのなら、天秤の傾きを誤魔化すことは問題にならない。

騙され、搾取される者こそが無能である。それもまた、コリニアでの常識だった。

 

少女は見てきた。

不平等と搾取的な行為で、涙に濡れる人々の姿を目にしてきた。

 

他人の不幸の分だけ、人は幸せになれる。

信頼が懐疑心に変わり、損益で憎悪が生まれる。

真実は隠ぺいされ、嘘つきだけが私腹を肥やす。

 

でも……こんな嘘だらけの世界は間違ってる!

 

少女は故郷を離れ、外の世界へと踏み出した。

いつか、この心を本物に出来る場所を求めて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

File 13 シデロカ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シデロカさん……ですか?」

 

食堂で偶然同席することになったドーベルマン教官は、カップの中に入ったコーヒーで唇を湿らせるといつもと変わらない能面のような表情で頷いた。

 

「彼女のことは知っているな?」

 

「はい、それはもちろん」

 

シデロカさんはミノス出身の傭兵であり、要員と貨物の護衛を得意とした前衛オペレーターです。ロドスとは長期雇用契約を結んでおり、地獄と評されるドーベルマン教官の訓練にも”前向き”に取り組む脳k……真面目な方です。

 

「実は最近の彼女はオーバーワーク気味でな。前線から外れて身体を休ませる口実が欲しい」

 

「口実ですか……」

 

「ああ、一時的に激しい運動のない仕事を与えたい。普通に休めと言っても聞かないのでな……」

 

シデロカさんは非常に仕事熱心な方です。

休暇の日にも自主的に訓練を行っているとお聞きしていますから、身体を休ませる機会がほとんどないのでしょう。それも、ドーベルマン教官が言うなんてよっぽどです。

 

「でしたら、暫く事務室で……」

 

 

「そこで、彼女にはしばらくドクターの秘書を任せたいと思っている」

 

 

「…………はい?」

 

ひしょ?……ドクターノヒショ?そう言いましたか?ドーベルマン教官。

秘書の交代についてはこの前の話でしたばかりですよ!?

 

「既に、ドクターには話を通してある。快く、承諾してくれた」

 

……ドクター?

 

「後は、念のため現秘書であるアーミヤにも話をと思ったが……」

 

そう、秘書と言えば以前の、ロサさんの件があります。

彼女はあれからというもの、度々ドクターに依存するような行動を見せています。いつもどこからかドクターを見つめていて……二人きりになるチャンスを伺っています。ドクターもドクターですよね、誘われたら仕事をほったらかしてコーヒーや紅茶を飲んで楽しそうに談笑したりなんかして……。

 

「あ、アーミヤ……?」

 

「……いえ、大丈夫です………………ですが、ドーベルマン教官。なぜ秘書なのでしょうか?他にも貿易所や後方支援部隊などのお仕事もあるかと思いますが……。そうです、秘書とは言わずシュヴァルツさんやスカジさんのような護衛の仕事だって……」

 

想定していた質問なのでしょう、ドーベルマン教官は小さく息を吐くと首を横に振る。

 

「これは、他でもない本人の希望によるものだからだ」

 

「シデロカさんの……?」

 

嫌な予感がします。

 

「ああ、ロサの一件を聞いて志望する気になったらしい。私としては、彼女は普段あまり自己主張をするタイプではないから、出来れば希望を叶えてやりたいと思っている」

 

「……それは」

 

「アーミヤ、これは良い機会だ。……君も休暇をとると良い。ここのところ、働きづめだろう?」

 

「……え、えっと」

 

で、ですが、そんなことになれば……きっと!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シデロカです。改めて、よろしくお願いします。ドクター。それから、アーミヤも」

 

紫色の髪に、フォルテ族独特の大きな角。豊満な体ではち切れそうなロドスのオペレーター服に身を包んだのはシデロカさん。いつもとかわらない、睨みつけたような目つきで私とドクターを見比べます。

ドクターはそんなシデロカさんに少しも怯んだ様子はなく笑顔を見せ、片手を上げながら気さくな挨拶を返しています。そして、私自身もよろしくお願いしますとお辞儀を一つ……。

 

ええ、休みは取りますよ。ドクターやケルシ―先生にも心配を掛けたくはありませんから……。

 

ですが、その前に私は見定めなければいけません。

 

シデロカさんが、ドクターに迫り寄る卑しい人材でないかどうかを……!

 

「……?」

 

……既にそのお体が卑しいですよね?

 

シデロカさんの素行に問題があるとは思っていません。むしろ、他の一級危険人物たちよりも遥かに”信用”出来る方なのですが……全てが”はみ出そう”なほどの彼女の凶悪な身体によって、その信用が崩れ落ちていきます。

 

「あぁ、ドクター。動かないでください、服にゴミが……」

 

傭兵稼業をしているうちに身についたというムスッとした不機嫌そうな顔はあまり愛想が良い方だとは言えません。ですが、彼女は周りの小さな事にも気が利き、表情とは裏腹にとても優しい方……って

 

や、やっぱり危険ですよ!!ドクター!!

 

こ、ここはなるべく厳しく秘書の仕事を教えて諦めていただきましょう。

 

「……それでは、シデロカさん。早速秘書の仕事をお教えしますね」

 

「はい、よろしくお願いします!」

 

「……ではまず、コーヒーの淹れ方ですがこれにはコツがあって……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう、私から教えることはありません……!ドクターを、よろしくお願いします」

 

「はい!ありがとうございました!!」

 

はぁ、はぁ……私は確信しました。

彼女は、シデロカさんは……安全です!

 

私の厳しいしごきにも、目をキラキラとさせてついてくるシデロカさん。もっと仕事はないのかと、進んで残業まで……!

このように真っすぐで素晴らしい方が、卑しいはずがありません。

 

それに、オペレーターとしても経験豊富な彼女のことです。きっと、彼女ならドクターと適切な距離感を保ち、きっちりと秘書の仕事を十分にこなしてくれることでしょう!

 

私は初めての弟子を持ったような気持ちで秘書のいろはをバッチリと教えると、気分良く自分の仕事へと向かいました。

シデロカさんの表情を見ても、そこまでドクターに関心があるとは思えませんし……

 

 

後は彼女を信じて送り出すとしましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、既にドクターのことは好ましい人物だと思っている。

 

前線での指揮、他のオペレーターの皆との円滑なコミュニケーション、何よりは、戦場で自ら率先して救助活動に参加するあの慈愛の精神……ドクターは私が見習わなければいけない長所をたくさん持っており、尊敬している。

 

だから、この特別な機会を与えてくれたドーベルマンとアーミヤにはとても感謝している。

自らの雇い主が一体どういった人物なのか、改めて身近で確かめるまたとないチャンスをくれたのだから。

 

「ではドクター、これが本日のお仕事になります」

 

ドサドサっと、事前に”師匠”から言われていた書類の山を積み上げていく。

それにしても、流石はドクターですね。こんなにたくさんのお仕事をたった1日でこなしてしまうなんて……。

 

「ドクター?どうかしましたか?顔色が優れないようですが?」

 

……大丈夫だ。それより、シデロカ、今日は君も手伝ってくれるのだろうか?

 

「はい!任せてください。外で門番になって見張りをし、ドクターのお仕事の邪魔になりそうな不要な案件は全て断っておきます!ですのでドクターは安心して一人で業務に集中してください!」

 

ドクターは、口を大きく開けて喜んでくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遊びに来たというシルバーアッシュやイフリータといった来訪者に全てお引き取り頂き(中には実力行使したものもあった)、私が門番をしてから数刻が経った。

 

「よし、異常なし……そろそろドクターの新しいコーヒーを……?」

 

……む、何か、ドアの隙間から音が聞こえる……?

それに、微かに女性の声まで……!?

きゃー?やめて、逃げて?しんじゃう!?……ッ!???

 

「ドクター、失礼しますッ!!」

 

バキっとドアを蹴破って中へと突入すると、そこに居たのはテレビゲームを遊んでいるドクターと、その隣に座って見ているだけなのに楽しそうに声を上げている白騎士・グラベルの姿が……ッ!?

 

「ドクター、これはいったい……!?」

 

いや、これはなんというか……息抜きで。

 

「息抜き……?!まだお仕事が終わっていないようですが……」

 

ドクターの机の上には今朝よりほんの少しだけ減った書類の山が。

あれだけ時間があったのに、これだけしか仕事が進んでいないのは明らかにおかしい。

 

「でも、あんまりコンを詰めるのもあたしは良くないと思うわ~。ドクターは普段たくさん頑張っているのだから、ちょっとくらい息抜きさせてあげてもいいと思うのよね~」

 

サボっていたドクターの頭を撫でて全面的に肯定するグラベル。

そもそもあなたはいったいどこから、どうやってこの部屋に侵入を!

 

「……とにかく、息抜きは終了です。午前中の仕事だけでも終わらせなければいけませんから」

 

「きゃ!もう……乱暴ね……ふふ、ドクター、また一緒に遊びましょ~」

 

軽く手を上げたドクターに対して、チュっと、投げキッスを返すグラベル。

でも、少し意外です。”あのドクター”にこんな不真面目な一面があったなんて。

部屋から侵入者を追い出し終えると、今度はドクターの遊んでいたゲームのコードを引き抜いてゲーム機を片付けます。

 

「え?せーぶ?……それは大切なことだったんですか?」

 

ふむ。どうやら、私は片付けにおいて間違いをしてしまったようだ。

 

「安心してください。こういう時は叩けば直ると聞いたことが……はぁーー!!」

 

バキっと、ゲーム機が真っ二つに割れました。ドクターが、声にならない悲鳴を上げています。

 

「…………よし、きっとこれで大丈夫です。応急処置は致しましたので、後は修理業者に見てもらいましょう。どうか、ドクターは安心して業務の続きを行ってください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドクター、なんですかその食事は……野菜もお肉も少なすぎです。栄養バランスが偏ってしまいますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドクター、本棚にある本についてですか……え?気に入ったものがあれば、お借りしても良い、ですか!ありがとうございます。良い重りになりそうです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドクター。この書類で聞きたいところがあるのですが……ふむ、どうしてそこまで熱心なのか?ですか。いえ、新しい知識を随時取り入れることは、傭兵としての必須科目です、それができなければ、いつ敵の新戦法に倒れてもおかしくありません、つまり、少しの怠慢も許されないというわけです。理解いただけましたか、ドクター。ドクター?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なるほど……。

ドクターは……私が思っているよりも相当だらしのない生活を送っているようですね。

 

執務机やパーカーのそこかしこに変なおやつを仕込ませており、業務の合間に隠れて食べているようですし、身体を動かす運動と呼べるようなものも、艦内の散歩などしか行っておらず不健康極まりないです。

 

秘書になった以上、私がドクターにしてあげられることと言えば……。

 

「今日は一日お疲れ様です。ドクター……僭越ながら言わせてください。ドクターには、適当な鍛錬が必要かと思います。……いえ、健康体操は体を解すだけです。私が言ってる鍛錬とは、健康的な食事や体脂肪を減らし筋肉をつけると言った、全面的な鍛錬のことですよ」

 

なるほど、と頷くドクター。

 

「ですからドクター。私と一緒にトレーニングをしませんか?はい、そうです。集中鍛錬です。安心してください。いきなり難しいことはしませんから、まずは基礎体力作りで足腰を中心に鍛えて軽くランニングから……え?嫌?」

 

身体を動かすのは苦手なので、遠慮しておく……?

 

「そ、そんなこと言わずッ…………ぁ!」

 

 

『……面倒くさいやつだ』

 

 

……

 

「い、いえ…………そう、ですか……すみません。越権行為でした。どうか、忘れてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バタンと、自室に帰ってくると、冷たいベッドへと横たわり、肘裏で目元を覆う。

 

 

『君はあれだな。』

 

『傭兵としては、2流だな』

 

『余計なお世話までして、あれこれ聞いてくるのが好きで面倒くさい』

 

『そんなことは、知る必要もなければ、やる必要もない』

 

『君たち傭兵は、与えられた任務をただ淡々とこなせばいいんだ。ただ、淡々とね』

 

 

以前、とある雇い主から言われたことだ。

結局その雇い主のもとはすぐに離れることとなったが、実際……私のこの性格は傭兵としては向いていないのだろう。他の寡黙で従順な傭兵たちを見ていると、そう思わずにはいられない。

 

今だって、本当はドクターに疎ましく思われているのかもしれない。余計なことばかりして、結局のところ、雇い主の本当の役には立てていない。

どれだけ、身体を鍛えたりしても、私には……本物なんてないのかもしれない。

 

口惜しさと、無力感からめいいっぱいシーツを握りしめているとコンコンと、ノックの音が響いてくる。

 

「……はい。今出ます……!ど、ドクター!?」

 

な、なんで……!?

見慣れない運動着を着たドクターは、いつものように気さくに手を上げた。

 

「そ、その格好……!」

 

さっきは試してもいないことを、いきなり断るのは失礼だと思った?

今からでも良ければ一緒にトレーニングしないかって……

 

 

「………フフっ」

 

 

「アハハハハっ!!」

 

 

何時振りかわからないくらい、大きな声を出して笑った。

 

いつもむすっとしている私が突然大笑いしたものだから、ドクターも口を開いてポカンとしている。

 

だって、こんなことって……嬉しすぎる。

あの頑なに服を着替えたがらないドクターが、仕事で疲れているはずのドクターが、わざわざスポーツドリンクまでもってやってきたのだ。

 

……私のために。

 

「ありがとうございます。ドクター。では、すぐに用意するので、早速トレーニングにいきましょう!」

 

私はすぐにでも走り出したい気持ちを抑え込みながら準備に取り掛かろうとすると、

 

ガシッと

 

ドクターに二の腕を掴まれる。

 

心拍数が、上がっていく……。

 

「ど、ドク……ター?」

 

……その代わり、シデロカ。やるからには君には――――

 

「……え、えぇッ!!?」

 

それは、つまり…!!??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドーベルマン、私はもう上がります」

 

「……ふむ、そうか。まぁ、既にノルマは終わっているようだから好きにすると良いが……」

 

「はい。では、失礼します!」

 

そそくさと去ってしまったその背中を見て、私は複雑な気持ちを抱かずにはいられない。

あれだけ苦心していたシデロカの自傷行為とも言えるあのオーバーワークが、こうも簡単に止まってしまったのだから。

 

「見た?あの表情……趣味が定時後の鍛錬だった彼女が……信じられないわ」

 

そう言って近寄ってきたのはトレーニングを終え、タオルで額の汗を拭うA6の苦労人、オーキッド……。

 

「あぁ……すっかり疲れは取れてきているようだし、表情も柔らかくなった。秘書の業務は良い気分転換になったのだろう」

 

「……それだけじゃないでしょ”アレ”は」

 

「……」

 

聞いた話によると、シデロカは秘書の任を降りた後も、献身的にドクターの身の回りの世話をしていて、掃除に洗濯、なんと慣れない手料理まで振舞っているという。一体どういう心境の変化なのか……。

 

「差し詰め、通い妻と言ったところかしら」

 

「か、通いッ!?」

 

そ、そんな破廉恥な……!!

 

「……ふぅ、なんだか飲みたい気分だわ、ラテラーノの良いワインが手に入ったの。この後……」

 

「……同席しよう」

 

訓練所を後にする二つの背中は、どこか哀愁を帯びていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドクター。今日も食事をご用意しました。シュヴァインスブラーテンです。甘い豚肉と酸味のあるザワークラフトが美味しいですよ……え?匂いだけでも既に美味しそうだって?ふふ、それは用意した甲斐があるというものです」

 

今日もドクターの部屋へとやってくると二人で料理を囲んで食事をとります。

 

確かに食事も重要だとは言いましたが、こんなにちゃんとした料理をするのなんて人生で初めてのことでした。

 

レシピ通り作るために、いろんな人に協力してもらって……初めはそこまで美味しく出来ませんでしたが、少しずつ練習を重ねて……やがて、ドクターがおかわりまでして喜んで食べてくれるようになりました。

 

私は、頬が緩んでしまうほどにそれが嬉しくてたまりません。

 

「もう食べ終わったんですか?はい、おかわりです。その代わり、約束は守ってくださいね」

 

頷いてお皿を受け取ると、再び料理にかぶりつくドクター。

食べ終わって休憩したら、また鍛錬です。ドクターはサボり癖があるので、私がちゃんと見てあげないといけません。まぁですが、ドクターは、約束をして破ったことは一度もありませんから、料理を振舞った今日逃げたりすることはないでしょうけど。

 

「……フフ」

 

少しずつ、筋肉のついてきたドクターの身体。

毎日、楽しみになっているドクターと一緒にとる食事。

何をしていても、いつの間にか笑ってしまう私自身……。

 

こんな楽しみを知ってしまった傭兵を、もう雇ってくれる雇い主なんていませんよ。

ですから……どうか、最後までお傍に置いてください……。

 

「え……何かいいことでもあったのか?ですか、はい……それはもう」

 

そうして、シデロカは再び幸せそうにはにかんで見せる。

 

 

偽りのない、本物の気持ちで。

 

 

 

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