Marker   作:ワワ

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一応次回に設定ありますが、後半で個性の簡単な説明あり。




個性把握テスト

 「ハイ。静かになるまで17秒かかりました。時間は有限。君たちは合理性に欠くね。」

 

 

俺は今、猛烈に後悔している。まさか初日から喧嘩沙汰に発展しかけるとは……。別に必ずしも全員と仲良くやっていけなくとも、せめてヒーローを目指す上で支障のない範囲で楽しく過ごしたかった……。

 

 

 「てことは…この人もプロヒーロー…?」

 

 「担任の相澤消太だ。よろしくね」

 

 

やべぇな。もし雄英退学とかになったらどーしようか…。

どうやら、先ほど俺と金髪ツンツン頭――爆豪、というらしい。取り敢えず距離おいとこ―を拘束、喧嘩を防いだこの人は俺たちの担任らしい。てかさっきはなんか髪が逆立ってたのに今は降りてんな。目も普通の人同然だ。

 

 「早速だが、体操服(コレ)着てグラウンドに出ろ」

 

……え?入学式は?

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 「おいてめー。その内ぜってーブッ殺す」

 

 「いやすまん。さっきはカッとなっちまってたみたいなんだが、もう遠慮させてもらうわ。これ以上目をつけられたくない」

 

 「あ!?」

 

体操服に着替えてグラウンドへ向かう最中、早速爆豪にガンつけられた。これは幸先が悪すぎる……。

 

 

 「おう記田、ドンマイ!取り敢えず切り替えよーぜ!」

 

 「お、切島。またクラス一緒になったんだな。よろしく」

 

おう! ニカッと笑う切島の言葉でふと心が晴れる!やっぱ友人が居るってのは偉大だ。

その後グラウンドへ向かうまでに数人ほどと会話して、それなりに落ち着くことができた。案外なんとかなるかもしれない。

 

 

 

 

 

「「個性把握…テストォ!?」」

 

 「雄英は“自由”な校風が売り文句。 そしてそれら“先生側”もまた然り」

 

要するに入学式もガイダンスもすっ飛ばしてテストをするのだと。それも中学までの体力テストを個性ありで行うというもの。

そしてそのデモンストレーションをすることになったのがあの爆豪だった。

 

 

 「んじゃまぁ……死ねえ!!!」

 

……………死ね?

 

 「まず自分の『最大限』を知る」

 

それがヒーローの素地を形成する合理的な手段…だとか。

いや、爆豪殺気しかねぇなオイ!?

しかし個性を使って……。 まぁ…。

 

 

 「なんだこれ!! すげー面白そう(・・・・)!」

 

 「“個性”思いっきり使えるんだ!!流石ヒーロー科!!」

 

だよな。そうなるよな。個性なんてほとんど原則使用不可だし。滅多に思いきって使えるなんてないからテンション上がる!

 

 

 「……………面白そう…か」

 

相澤先生がポツリと言葉を漏らす…。 ん? なんだかヤな予感が。

 

 

 

 「よし。 トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し、“除籍処分”としよう」

 

 

 「「はあああ!?」」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 『50m走 4秒38』 『握力 69㎏』 『立ち幅跳び 3m98』 『反復横跳び 72回』 『ボール投げ 711m』 『上体起こし 41回』 『長座体前屈 27㎝』

 

 「ちなみに除籍はウソな。君らの最大限を引き伸ばす、合理的虚偽」

 

 「「はーーーーー!?」」

 

  『記田 刻己 トータル成績 20人中5位』

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 「いや合理的虚偽ってなんだよ! せっかく合格したのに除籍になるかと思ってヒヤヒヤしたじゃねぇか!」

 

 「直前に喧嘩沙汰になりかけただけあって、アレは冗談抜きにビビったわ」

 

 

個性把握テストを終え、俺は切島、上鳴、耳郎、爆豪の四人と下校していた。

 

 「あ? あれはてめーがじっとこっち見てたのが悪ィんだろーが」

 

 「まぁまぁ落ち着けよ爆豪」

 

 「それ言うならソッチがわざわざ絡んできたのが悪いんだろ」

 

 「記田、アンタも落ち着きなよ」

 

 

先ほどのぶり返しでまた喧嘩に発展しそうになるも切島が爆豪、耳郎が俺を抑えるような形となる。

ビー、クール。ビー、クール。

 

 「あー、そうだな。悪いな爆豪」

 

 「あ?なんだよソレ」

 

 「握手だよ握手」

 

 「そうだ記田! 爆豪もしてやれよ握手くらい!」

 

 

落ち着け落ち着けとグローブを(・・・・・)外しながら(・・・・・)唱えて、爆豪に手を差し出す。爆豪は乗り気じゃなさそうだが、テンション高めな上鳴が横で爆豪に促している。そして嫌そうながらも爆豪が俺の手を握って……バチッ と。

 

 「チッ……あ!? 何しやがる!」

 

 「あ、悪い。今、グローブしてないんだった」

 

 「てめー今ここでブッ殺す!」

 

 「ちょっ、止めろ一旦抑えろ爆豪!」

 

 「………記田。 アンタ性格悪いって言われない?」

 

 「そうだぜ耳郎。記田は結構しつこいし性格悪いんだ」

 

 「なっ、失敬だな。 ただグローブを着け忘れてただけじゃないか」

 

 「いや握手する前に外してたじゃねぇか!」

 

 

ちょっとしたイタズラ。握手の際に掌の黄色のマークが爆豪に刻まれちゃっただけなのだ。故意じゃないぞ。そう、俺は落ち着いてるからな…。

ちなみにマークは効力を発揮し終えると消える。一回黄色が刻まれただけの爆豪の掌はピリッと一瞬だけ静電気こそ走っただろうが、それ以上の何でもないのでケガはさせてない。

 

 

 「しかし記田。 お前の個性って結局なんなの?今静電気出してたっぽいけど、もしかして俺と同じ感じ?」

 

 「ん、確かに静電気は出してたけど多分違うと思うわ。そいや俺まだ三人の個性はっきりとは知らねぇんだけど…」

 

 

そう。切島は長い付き合いだから詳しいぐらいだが、なんとなく耳郎が大音量を耳のイヤホンジャックから出すくらいしか俺は三人の個性について知らないのだ。

 

 「そーいや入試の時、あんまり時間なかったからほとんど言えてなかったっけ」

 

 「それなら俺もてめーの個性知らねぇぞ」

 

 「確か記田って、来たのクラスで一番遅かったもんな!」

 

 

それからしばらくはそれぞれの個性の話になった。上鳴の“帯電”、耳郎の“イヤホンジャック”、爆豪の“爆破”、そして俺の“刻印(マーキング)”。

 

 「んー、何それ強くね?つまり熱に風、衝撃に電気も出せるって事?4つの複合個性ってヤツ?」

とは俺に対する上鳴の評。

 

 「いや、確かに出来ることは多いけどそんな強い電気とかは出せねーよ確か」

 

な、記田。 概ね切島の言う通りである。出せると言っても基本はほんのりとした熱にそよそよとした風。電気も静電気程度で衝撃もツンツンした程度である。

 

 

 「ハッ、それでよく雄英に来れたなスタンプ野郎。やっぱ俺の方が強い!」

 

 

―――ん? スタンプ野郎、とは俺か? 俺だよな?

 

 「あれ。でも入試の時、記田って0P敵倒したよね。なんか即席の槍っぱいの造って」

 

 「え、記田あれ倒したのかよ!?」

 

 「アレくらい俺も倒したわ!!」

 

 「爆豪もかよすげぇな!?」

 

 

耳郎が入試の時の事を説明し、驚いた上鳴に爆豪が言い放つ。そう、確かに倒していた。

 

 

 「記田のマークって、重ねたら威力とか強くなるんだよ。あと組み合わせで磁石みたいなことしてたり」

 

マーク同士の引き付けと反発の事だ。これはまぁ磁力を持つ訳ではないのだが、だいたい切島の言う通りである。

 

 

 「そーなるな。ただ重ねるってのもその場ですぐはほぼ無理だし、だから速攻したりされたりするのは苦手だけどな」

 

 「でもなんだかんだ強くね? 俺とか放電しすぎたらアホになっちゃうんだぜ?」

 

ウェ~イってな。 ……上鳴、ドンマイ。

 

 

 「にしても、切島って記田の個性詳しいんだ。さっきから半分くらい切島が補足してるし」

 

 「まあな。俺と記田は小中一緒なんだよ」

 

 「それにクラスも去年以外はまず一緒だったしな」

 

 「へー、そうなんだ。なんか意外?」

 

 

それからもワイワイ話しながら、各自別れるところまで帰った。初日、それもクラスに入ってすぐに喧嘩してしまうまぁ悪いスタートを切ってしまったために色々と心配はあったが、この調子なら爆豪も含めて普通の、ないし楽しい学校生活になりそうだ。安心した。

 

 

 

 

 




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