USJ襲撃編については既に完成してるので、予約投稿で水曜から正午に1話ずつ更新していきます。
「
普通なら敵が現れるなんて有り得ない。教師は実際に活躍するプロヒーローだし、生徒もいずれヒーローになるべく学ぶヒーローの卵だ。中には即プロに通用する個性を持つヤツも居る。
「先生、対侵入者用センサーは!」
「もちろんありますが…!」
「現れたのはここだけか学校全体か…何にせよセンサーが反応しねぇなら、向こうにそういうこと出来る
「バカだがアホじゃねぇ。 これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」
推薦入学組、流石に状況判断が早いな…。
「13号避難開始!学校に
「先生は!? 一人で戦うんですか!? イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ。 正面戦闘は…」
「一芸だけじゃ、ヒーローは務まらん」
避難の為の指示を出す相澤先生。 緑谷が先生を心配するもそのままゴーグルを着け、敵を抑えに正面から突入していく。
俺は緑谷ほどヒーローに詳しい訳ではないが、しかし有名どころは勿論知っているし、好きなヒーローだって居るくらいだ。 世間的に有名ではなくとも、あまり類を見ない個性の“イレイザーヘッド”もまた、人並み以上には知っている。
個性が視界内の人間の個性を消す事、捕縛布を操った近接戦闘もむしろ得意とすること、こうした多対一で高い実力を発揮することも。
「皆さん、避難しますよ!」
「緑谷君、分析してる場合じゃない! 早く避難を!!」
飯田や13号先生が主導し、イレイザーヘッドが抑える間に避難を試みる。
イレイザーヘッドの得意分野は短期戦。先ほど本人が言ったように、プロヒーローならば得意不得意に甘んじることのない高い実力を身に付けているものだ。しかし不得意を押し付けられ、それでも無傷でいられるほど現実は甘くはない。少しでも早く、俺たちがこのUSJから避難するに越したことはないのだ。
「させませんよ」
13号を先頭に避難する俺達のもとへ現れた黒い靄。
「初めまして。 我々は
その靄が徐々に人の形を取り始める。
「せんえつながら…この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは」
そいつが敬語を以て語ったのは――
平和の象徴 オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして
―――トップヒーロー。 平和の象徴たるオールマイトの殺害の意思。
「私の役目はこれ」
そいつの体の靄が拡がり始め。
「その前に俺たちにやられることは考えてなかったか!?」
爆豪と切島が攻撃を加えた。
「危ない危ない……そう…生徒といえど優勝な金の卵――」
「ダメだどきなさい二人とも!」
13号が二人に叫ぶ。直後。
―――来る!
「――散らして嬲り殺す」
靄が急激に拡大。俺たちを覆い隠した。
◇◆◇◆
暴風・大雨ゾーンはUSJに入って右手にある巨大なドーム状の施設。内部では名称通りの暴風が吹き荒れ、大雨が降り注ぐ。現実にこんな天候であれば太陽も月もまずでないためか、この施設内も薄暗く視界は芳しくない。
「らぁぁ!」
後方から殴りかかってくる異形の大男の拳を避け、そのまま顔を一打ちして距離をとる。すかさず近くの敵がこちらを攻撃する素振りを見せたので、鉄球を投擲。
多目的ゴーグルで確保した視界内には、敵とおぼしき人影しかない。施設は広いのでもしかすれば俺以外にもここへ飛ばされた生徒がいるかもしれないが。
―――それにしても、数が多い…。
今のように近付かれたら、それは距離をとるのが正解だろう。俺には投擲するという遠距離攻撃手段があるし、相手の個性がもし危険なものならどんな目に遭うか知れたものじゃない。
しかし投擲して倒すにしても、鉄球の数は残り20球無い程度。一投で仕留められる敵ならまだしもそうでなさそうなのも居るし、まず数が多すぎる。
何か適当に造ろうにも材料となるものがあまりなければそんな隙は見せられそうにない…。
敵は若干乱れはあるものの、円を組むように取り囲んでいる。一応、近づいてきたヤツは衝撃で吹き飛ばしたり電流を流したりして牽制したのだが、しかしちょっとすると近づいてくる…。
―――あんまり使いたくはなかったんだが…。
手を打ち合わせる。マークは両手共に黄色。何を思ったか前後から二人近づいてくるものの、構う暇はない。
暴風・大雨ゾーンだけあって敵の全身も果ては地面までもが水に濡れ、多分に水分を含んでいるのだ。電流がかなりの効力を発揮できることは、さっき敵を直接感電させてやった時に実証済み!
「痺れろォ!」
地面に掌を当てて刻むマークは重ねることそれぞれ4つずつ。合わせて8つ同時に刻むのは反動がキツいが、その分威力を発揮した。
「「ぐああ!!?」」
先ほどまで立っていた敵たちは全て倒れ、動く気配はなかった。
数日前にも行ったばかりだが、やはり反動の脱力感と目眩は酷い。つい地面に踞る体勢になり、思考が白くなっていく…。
「…くっ、テメェー!」
―――まだ、敵が居たのか。
なんとか立ちあがるが、力は上手く入らない。
―――これはキツいな。
襲い来る影。俺はそれに対し――
◇◆◇◆
「皆!!」
最後に聞いたのは叫ぶ声。そして次の瞬間、俺は口田と共に暴風・大雨ゾーンにいた。
「へへ、来た来た」
「コイツらが俺たちの獲物か」
「ガキじゃねぇか」
敵が沢山居るな。あまり強者には見えないが…、まぁいい。
「出ろ!
「オォォ!」
ここは暗闇。しかし夜程ではなく僅かに光もあり、制御もなんとかなる程度。なんて都合の良い。これならば敵も俺一人で何とかなるだろう。
「やれ!」
「――!!」
「なっ!?」
「なんだコイツは! 強ぇぞ、本当にガキかよ!?」
敵が今の攻撃に恐れをなして距離を取り始めるも、射程内に入った者からやられていく。
凄いよ常闇くん! 全部倒しちゃったよ!
「静まれ
実際、場所によっては無力に等しくなっていた可能性もある。
取り敢えず、他にも飛ばされた人や敵が居ないか見ておこうよ。困ってる人が居るかもしれない!
「その通りだな」
その後敵に遭遇しては迎撃を繰り返しつつ、
今。…何か光らなかった?
「口田も視たか。俺もそう感じた」
一旦、向こうに行ってみよう。青山くんとか居るかもしれない。
「そうだな。
誰かが敵に囲まれてる!急いで助けないと!
「走るぞ口田!」
◇◆◇◆
「やれ、
「アイヨォォ!」
敵が何かに吹き飛ばされる。 いや、何かじゃない。今の声は―
「記田、大丈夫か」
「常闇…助かった。 ありがとな」
記田くん。怪我はない?
「口田も…心配してくれて、ありがとな」
どうやら常闇と口田も同じエリアへ飛ばされていたらしい。
「―ふむ。それならば俺が二人を守ろう。 おそらくは他の者たちも、俺たち同様にこの
僕が肩を貸すよ。掴まって。
「助かる…ふらついて歩くのもキツいんだ」
まだ敵が居るかもしれない。しかしいつまでもここに居ては何があるか分からないので、口田と常闇と共にここを出ることになった。
「ん、口田。そろそろ反動も治まってきた。離してくれて大丈夫だ」
大丈夫? 無理はしない方が良いよ?
「そりゃそうだが、別に無理してる訳じゃねぇから、大丈夫だ」
「そろそろ出るぞ」
中々広かった暴風・大雨ゾーンだが、ついに出口が見えてきた。そして先ほどまで相澤先生が戦っていたハズのセントラル広場では――相澤先生が、脳の露出した異形の大男に組み敷かれていた。
常闇くんはワードセンスがないと難しい…。まぁ好きだからどんどん出していくんですけどね。
ところで、アンケート見るに耳郎ちゃん回が人気なようで。
アンケートは今週木曜夜までで締めます。投稿は今週中にできると良いなレベル。