「くそっ!」
輪花は完全に苦戦していた。自分はスペカが打てない、弾幕打てない、相手は転送魔法が分かっている、様々な攻撃がある。完全に防戦一方だ。
「ほら、まだ打つわよ!」
現在、沙紀が使用しているスペカは、雨符『レイニング・レイン』。
雨のようにかなり細かい弾幕が大量に降ってくるのである。いくら一発が弱くても、それは確実な疲労に変わっていく。しかも、雨のように濡れるので、体温が奪われていき、疲労が加速している。
「はあっ、はあっ…。」
「まだ生き残ってるのはすごいわね…。まだ行くわよ!」
「…いいよ、来なよ!」
そのころ、もう一方。
「くっそー、流石に二対一はきついぜ…。」
「さてと…いくわよ、こあ!」
「はい!」
こちらは小悪魔が入ってきたので、再び二対一となる。
「土符『レイジィトリリトン』!」
大量の弾幕が魔理沙を襲う。
「くっそ、星符『メテオニックシャワー』!」
星型の弾幕がぶつかり、弾幕をかき消そうとする。が、
「上ですよ!」
上から小悪魔の弾幕が襲ってくる。
「ちっ!」
そのせいで、魔理沙は少しずつ後ろに下がってしまっている。
…と、不意にパチュリーが言った。
「ところであなた。私たちがただ押してるとでも?」
「なに…。」
「あなたから見て右、見てみなさい。」
「右…?!」
そこには、押されている輪花の姿。
「いくわよ…。日符『ロイヤルフレア』!」
そしてパチュリーはスペルカードを使用した。―
「!!しまった!」
「…え?」
突如、左が赤くなり始めた。何かと思って左を見る。と、
「!えぇぇぇぇぇ!?」
大きな火球が襲ってきた。
「ちょっ、と!」
慌てて転送魔法を展開する。が、魔法陣が押されている。
このままではこっちが負けてしまう。
「くっ…!こうなったら!」
そう言って、輪花は魔法陣を回転させようとした。回転させて、はじき飛ばそうという考えだ。―が。
「!?…何が起こったんだろう?」
不思議と、魔法陣がロイヤルフレアを
「…何が起こったのかしら?」
遠くで見ている沙紀もそのことに気づいていた。
一方、パチュリーと魔理沙は、
「あら、防がれたみたいね。」
「流石、輪花だぜ!…さあ、行くぜ!」
「…来なさい!」
二人は戦闘を再開した…。
一方、輪花は。
「……………。」
不思議な感覚に包まれていた。
体から沸き上がってくる力。これは一体何なのだろう―
その時だった。
「!!」
輪花がロイヤルフレアの炎に飲み込まれた。
「!なに、自滅!?」
沙紀も自滅となってしまっては、後味が悪いと考えたのか、雨を降らせようとした。―だが、そんなことは心配なかった。
炎が晴れたとき、輪花は、目と髪色が赤くなっていた。
「!?…なによ、次から次へと!」
そう言って、沙紀は輪花のもとへ行った…。
「…スペカが…。」
輪花は目と髪が赤くなっていたことに驚くよりも、スペカの名称が変わっている事に驚いていた。
・似非『日符〈ロイヤルフレア〉・+α』
・似非『日符〈ロイヤルフレア〉・fall』
など、今まで『unknown』と載っていたものが、全て『日符〈ロイヤルフレア〉』となっているのである。
さっき、魔法陣で吸収したのもロイヤルフレアと、考えれば―
「これが、僕の能力…?」
「…何かあったの?」
声をかけられ、我に帰る輪花。と、
「…いいや、わかったんだよ。自分の能力が。」
輪花は薄く笑っていた。
「…どうやらスペカは持っているようね…。いいわ、いくわよ!」
スペルカード発動―
「太符『小太陽』!」
沙紀がスペルと唱えると同時に、かなり大きな火球が襲ってきた。いくら小太陽とはいえ、かなりの大きさだった。
が、輪花は動じる風もなく、
「似非『日符〈ロイヤルフレア〉・+α』―」
ロイヤルフレア、いや、正確には、ロイヤルフレアに似た、しかも強力な炎で小太陽を相殺した。
「…!!うそ!あれ、快晴の中でかなり強力な方なのに…!まって、そもそもなんで彼女がロイヤルフレアを使えるの?」
沙紀が動揺している間に、
「似非『日符〈ロイヤルフレア〉・fall』!」
輪花がスペルカードを発動。
と、沙紀の上から、ロイヤルフレアが大量に降ってきた。どうやら自動的に転送魔法と分身魔法が発動したらしい。
「!!きゃあっ!」
沙紀にヒットする。
ロイヤルフレアはパワータイプ。一撃あたっても痛いが、それが連続でヒットしたのだ。ひとたまりもない。
輪花の能力、それは―
『吸収した力を応用する程度の能力』
さらに、輪花の魔法陣で塞がれていたはずの左目が、魔法陣が消え、開いていたのだ―
「くっ!なんであんな奴に…!」
ボロボロの沙紀が悔しがっている。と、
(沙紀、もうやめよう、こんなこと…。)
沙紀の頭の中に響く声。この体の本当の持ち主、有間 亜紀だ。
「うるさいわね!…こうなったらアンタの能力、借りるわよ!」
(!!)
亜紀が驚いている気配がするが、沙紀はそんなことは気にしない。
「行くわよ。スペルカード…」
沙紀が唱えようとする。が、
(分裂『グレイズ』…)
「!!あなた…。」
沙紀の目の前に出てきたのは、沙紀と瓜二つの姿、違うのは髪の色と目の色が全てを落ち着かせるような綺麗な青色だということ―
そう。これが本当の人格、有間 亜紀である。
亜紀は構わず続けた。
「春符『
「!!な、ちょっと―」
沙紀はスペルカードをまともに喰らい、昏倒した。
「…さてと…。」
亜紀は沙紀を担ぎ、輪花の元へと行った…。
作者「2000字超えた…。」
輪花「やっと能力使えるー!」
作者「まて、その前にやることがある。」
輪花「あ、そうだったね。ちょっとネタバレすると、次回僕の体に異変が起こるんだ!」
作者「では次回、#12『亜紀からのお願い』、ここまで見て下さりありがとうございました!」
二人「「では!」」