「ん…?」
ゆっくりと目を覚ます輪花。そこには、
「あ、気がついた?」
咲夜が立っていた。
「ここは…?」
「ここは紅魔館。今は…朝の7時頃、って頃かしら?」
「ええ!?僕、どのくらい気絶してたの!?」
「そうね…。11時間くらい?」
「はぁ!?」
困惑している輪花に、
「今日は一日中、ここにいていいわよ。」
「え?」
「お嬢様からの伝言…。『明日の朝、亜紀が決断するでしょう』、とのことよ。」
「…わかった。」
「とりあえず朝食、運ばせようか?」
「いいや、いいよ。」
―このあと、一時間くらいボーっとしていた輪花だったが、
「…いこう。」
紅魔館での一日が始まった‥。
「あら、きたわね。」
レミリアたちの朝食に合流する。既にみんな食べ始めているようだ。
「…いただきます。」
輪花はそう言うと、ゆっくりと食べ始めた。
「…美味しい…。」
「そうよ。咲夜は完璧なんだから。」
「お褒めいただき光栄です。」
口の中にふんわりとしたオムレツの食感が広がる。
―朝食後。
「…元気ないわね。」
咲夜が離れたあと、レミリアが聞いてきた。
「いや…。」
まだうつむいている輪花に対し、レミリアはひとつ、ため息をつくと、
「…ありがとね。」
「…え?」
「フランの…。狂気をなくしてくれて。」
「いや…。どうせ迷惑かけただろうし。」
「…とりあえず色々ここの中、散歩していいわよ。」
「わかった…。そうするよ。」
―地下、図書館内。
「あら、輪花、起きたのね。」
パチュリーが声をかけてきた。
「うん…。」
「………。」
「…?どうしたの?」
「あなた…。白髪とグレーの目になってから、印象が変わったわね。魔力の保有量も信じられないほど多くなってるわ。」
「…そうなんだ。」
その時、パチュリーの目が怪しく光った。
「…男装をさせてmむきゅっ!?」
「…パチュリー、何しようとしてたの?」
パチュリーを叩いた本人、亜紀が
「あ、いや、あの…。」
「ちょっと、今日限定の客人を…。ねえ?使うのは、ねえ?(#^ω^)」
「…。((((;゚Д゚))))」
「ちょっと来てね、パチュリー?」
「あ、ああ、あああ…………。」
哀れ、引きずられていくパチュリー。
「パチュリー様…。」
隣で小悪魔がやや呆れていた。
「…クスッ。」
……輪花は少し元気を取り戻したようだった。
―夜。夕食後。
「沙紀ー?亜紀ー?」
輪花は沙紀か亜紀を探していた。
「?どうしたの?」
そこに咲夜が通りかかった。
「あ、咲夜。沙紀か亜紀を知らない?」
「…多分、屋根だと思うわ。」
「…屋根?」
「そう。彼女、いつも夜になると屋根で寝転んで夜空を見上げているのよ。」
「へえ…。わかった、ありがとね。」
そう言って、輪花は、窓から屋根に行った。
「…………。」
有間亜紀は悩んでいた。このまま紅魔館の住民になり続けるか、新しい世界に出るか…。そこへ、
「やっぱりここにいた…。」
レミリアがやってきた。
「…レミリア。」
「…悩んでいるのね。『こんな二重人格の私が、出て行って問題を起こさないだろうか?』って。」
「…流石、わかってたのね。」
「そうよ。あなたが二重人格でなければ、すぐに決めてるはずだわ。」
「…そうなの。どうするか…。」
「……あなたが思ってる以上にいい子よ、輪花は。」
「…なんでわかるの?」
「そう感じたからよ。」
「…こんな二重人格の私を?暴走するかもしれない私を!?」
亜紀はいつの間にか声を荒らげていた。
「…落ち着いて。…もし、輪花がそんな人だったら、少しでも嫌な素振りや表情をするはずよ。…でも、あなたに会った時、そんな顔してた?」
「…………でも…。」
亜紀は今にも泣きそうな顔をしている。
「…亜紀。沙紀。」
「…なに?」
分裂『グレイズ』を使用して、出てきた沙紀にも声をかける。
「それに…。それにね、辛かったら、帰ってきてもいいのよ。」
「…え?」
「…もし、辛くなったら帰ってきてもいいの。私たち紅魔館の住民一向は、いつでもあなたたちを受け入れるわ…。」
「…レ、ミリア…。」
「レミィ、でいいわよ。」
終始、
「レミィ…。ごめん。本当にごめん…。」
そして、ついに亜紀は泣き出した。
「…いいのよ。今日は、思いっきり泣きなさい。」
そう言って、レミリアは母親のように優しい笑顔になり、亜紀を抱きしめた。
「うん、ごめん…。本当にごめんね…。」
「なんで謝るのよ。別にいいのよ。」
「………。」
そして沙紀は、亜紀の中に入った…。
「……………。」
その屋根の反対側。輪花は一部始終を聞いていた。
「…あ。」
もう戻ろうと思って空を見上げると、
「綺麗…。」
満天の星々があった。
「…僕も夜、こうしようかな…。」
そう言って、屋根を降りていった…。
―しばらくのち。
泣き止んだ亜紀。
「…でも、レミィ。ちょっと、いい?」
「なに?」
「実は………。」
―朝。
「一日ありがとう!」
輪花は紅魔館の門前で紅魔館の人々と話していた。
「いや、こちらこそ。」
「それで…。亜紀。どうするの?」
輪花は笑顔で聞いてきた。が、亜紀は俯き、言った。
「…ごめん。」
「え?」
意外で、流石に驚いた輪花。亜紀は続ける。
「…しばらく私は、地下のフランの部屋で、考えようと思ってるの。…本当に沙紀と、二人きりで。この人格を離すかどうか。」
「…そうなんだ。わかった。」
「…え?」
「深いことは聞かないよ。じゃあ次は、亜紀と沙紀が監禁状態か。」
「え、ええ、そうするようにレミィにお願いしたの。」
「OK。…あ、ところで亜紀、あの星を見上げるの…。私もやっていい?」
「ええ、もちろんよ…。って、え?ええ?あーっ!もしかして…。聴いてた?」
「…うん。泣いてるとこまで。」
「ああ…。見られた…。」
「…レミリア。」
いきなり話を振られ、レミリアは驚いた。
「な…なによ?」
「ありがとう。亜紀を導いてくれて。」
すると、レミリアはいつもの笑顔で、
「…ええ。もう立派な紅魔館の住民だもの。…あなたもね。」
「…ありがとう。」
「…輪花。」
と、亜紀が声をかけてきた。
「なに?」
「いいわよ。しばらく星を見れない私たちに変わって…。毎日、見て。」
「…OK。わかった。…それじゃ、ありがとうございました!」
「またね!」
こうして、紅魔館での生活は終わった…。
―その後、魔理沙宅。
「…………ま~り~さ~!?」
「お、おう、輪花。どうしたんだ?」
「どうやったらこんな数日で部屋が散らかるのっ!?」
輪花、珍しく激怒。
帰って一度目のトークが説教になってしまった、魔理沙であった…。
作者「屋根の時のレミリアのカリスマ性が異常、作者です。」
輪花「あの時のレミリアがものすごく眩しく見えた、輪花だよ。」
作者「どうしようかな…。」
輪花「何が?」
作者「いや、ここに亜紀たちだそうかな…。って。」
輪花「…いや、出さなくていいんじゃない?」
作者「…だな。本当に仲間になってから、だね。…次回は、キャラ紹介、かもしれません。次回、#A『memory of aki/saki(キャラ紹介)』です。監禁生活が始まった亜紀と沙紀が書く日記です。では、」
二人「「ここまで見て下さりありがとうございました!」」
※結局予約投稿はやめましたw