(ここから番外編α1の後となります。)
#22 春に降り続ける暖雪
季節は秋がすぎ、冬が終わり、春が来た―はずなのだが。
「今日も雪か…。」
魔理沙がぼやいていた。
既に5月。この幻想郷では、遅くても二月下旬には雪は止むものなのだが―
「積雪5cm…。まだ降るのかな。」
まだ雪が止んでいないのである。
「…このままじゃ花見もできないぜ…。」
魔理沙は完全にやる気をなくしている。
―と、一人で考え込む輪花。
「…ん?どうした、輪花?」
「……いや、何でもない。…僕、ちょっと博麗神社に行ってくる。」
「おうー。気をつけてなー。」
そして、魔理沙は寝返りをうった。
「…じゃあ、行ってくる。」
そう言って、輪花は外に出た。
―博麗神社。
「霊夢ー?いるのー?」
そう言って中に入る。そこには、
「あーいらっしゃ…。魔理沙は?」
こたつで完全にやる気がない、霊夢だった。
「いや、ちょっと、今動かすのは、ね。」
「…そう、…で、なんのよう?」
「これを見て。」
そう言って取り出したのは、表が書かれた紙。
「何かしらこれ…って、積雪量!?」
そう、輪花が渡したのは、三月に入ってからの6時、9時、12時、15時の毎日の積雪量。―それが。
「…なに、これ。3、4、5月の全日の6時がそれぞれ3cm、9時がそれぞれ5cm…。しかも…。」
その積雪量が同じ時間で全く同じなのだ。―そう、不自然なほどに。
「しかも、これ…。」
そう言って、輪花は雪を集めてきた。
「…なに、雪なんか。冷たくないの?」
「…いや、冷たくないんだよ。」
「…………本当ね。、こんなに冷えてるのに…。」
霊夢が雪に触ってみたが、冷たくなかった。
「…地軸の傾きには勝てないみたいだね…。」
そういう輪花。…そして霊夢はしばらく考えたあと、
「…これは、異変かもしれないわね…。」
―そう言って、支度を始める霊夢。
「…じゃあ、僕は魔理沙を…。」
「待ちなさい。」
「…なに?」
そして、霊夢はこう切り出した。
「今回は魔理沙はいいわ。」
「え?」
「だって、普通は、博麗神社に行くって言ったら飛び起きるでしょ?」
「う、うん…。」
雪が降っている空を見上げながら、霊夢はいった。
「―だから、そんな状態で魔理沙を行かせるわけにもいかないもの。」
「…そうだね。」
「それに、……魔理沙にずっといるのは、疲れるでしょう?」
「…うん。」
そう言って、お互いに苦笑する二人。
「たまには息抜きしなさいよ。」
霊夢がそういった。
「うん、そうする。」
輪花も賛同する。
―その時。
「まあ、あと一人来るしね。」
霊夢が突如、そういった。
「…え?」
その時、目の前に人影が。
「流石ね、霊夢。」
「…咲夜。」
紅魔館のメイド長、咲夜だった。
「…もうこの雪のせいで備蓄がなくなりそうなのよ。だからお嬢様に許可をもらってきたら、ちょうど良く話をしていたわけよ。」
「そうなんだ。」
そして、霊夢が取り仕切る。
「…じゃ、行くわよ。」
霊夢、咲夜、輪花―それぞれがそれぞれに頷く。
―終わらない冬の異変が始まった―。
作者「と、いうわけで春雪異変開始です!」
輪花「今回は魔理沙が欠席なんだね。」
作者「そう。平日に連続投稿できるとはね…。」
輪花「まあ、これ予約投稿でしょ?」
作者「そう。…では次回、#23『黒幕(偽)』、ここまで見て下さりありがとうございました!」
輪花「では!」