―時間を少し戻す。
白玉楼。
「やっと付いたわね…。」
そう言って霊夢は地面に足をつけた。面倒だったので、霊夢と咲夜は飛んできたのだ。それでも結構な時間がかかってしまったのだが。
そこには―
「あなたが親玉ね…。それと、あなたの後ろの桜、何…?ものすごい妖力が感じられるけど…。」
霊夢が開口一番、このような事を聞いてきた。目の前にいる、華胥の亡霊―西行寺幽々子に向かって。
「ええ、そうよ。…それで?何か用かしら~?」
幽々子は、のんびりとしているのが、遠くからでもわかるほど、のんびりした性格だった。
「…食料の備蓄がつきそうなんですよ。だから、春を返して欲しいのよ。」
咲夜がそういうと、
「ごめんなさいね~、私もあと少しなのよ~、待ってくださる~?」
幽々子はのんびりと、そういった。
霊夢はその態度にイラっとしたのか、
「うるさいわね、こっちは異変だと思ってるからさっさと解決したいのよ!」
そう言うなり、霊夢は大量の御札を投げてきた。しかし、
「ふわふわ~」
あっさりと避ける幽々子。
「なぁにがふわふわよ!こんなろっ!」
霊夢は追尾する御札―博麗アミュレットを投げた。だが、
「それ~」
幽々子の弾幕にあっさり相殺される。その時、
「幻符『ザ・ワールド』!」
咲夜の声が響き、幽々子を囲うように大量のナイフが設置された。
「ほいっ!」
そして幽々子は襲ってきた大量のナイフの一部を扇で弾き、そのできた隙間を使い抜け出した。
「危ないわねえ。そんなものを振り回して、物騒よ~。」
幽々子はまだ余裕があるのか、のんびりしていた。
「そんなナイフを弾く扇を持っている方が物騒だと思うけど…。」
咲夜もやや冷静さを欠いている。さらに、
「行くわよ、咲夜‥。」
そう言って大量の御札を構える霊夢にも影響されたのか、
「…こうなったら、最終手段よ!」
そう言って、咲夜が手を掲げると、咲夜の周りに紫色の球体に白い星が入っているものが二つ出てきた。
「…なにそれ、咲夜?」
流石に霊夢もポカンとしてしまっている。想像して欲しい。細い体付きのキリっとした従者の周りを、さきほど説明した弾が二つ、浮いている姿を。…余りにもミスマッチである。
「パチュリーが作ってくれた、ここからナイフが無限に出せる魔法道具なのよ。」
「そ、そうなの…。‥まあ、行くわよ!」
そう言って、霊夢と昨夜は構えた。
「いいわよ~来なさい~。」
そう言って幽々子は広げた扇を掲げると、大きな扇が幽々子の後ろに現れ、弾幕を打ち始めた。
「!っ!」
いきなり出てきた大量の弾幕に少し驚くも、二人は一度も被弾せずに避けていく。そうして、幽々子は一度目のスペルを発動させた。
「亡舞『生者必滅の理 -死蝶-』」
大量の弾幕に、大玉が二人をめがけて襲ってくる。
「霊符『夢想封印』!」
霊夢がいきなりスペルカードを発動させた。刹那、
「時符『プライベートスクウェア』‥。」
咲夜もスペルカードを発動、時が止まった。
―時が再び動き出したその時には、夢想封印が幽々子に直撃するように、幽々子への弾幕がない綺麗な一本道が出来ていた。そして、
「はああぁぁぁぁ!」
霊夢の夢想封印が幽々子に向かっていった。しかし、
「…まだスペルブレイクはさせないわ。」
なんと幽々子は、夢想封印に自ら向かっていったのだ。しかも、かなりの速さで。
そして、幽々子に、夢想封印が二発程度しか当たらなかった。
「…なんで…?」
驚く霊夢に、煙の中から出てきた幽々子が説明を始めた。
「だって、外側は私に向かうのが遅くなるわけでしょ?だから、外側が回り込んでくる前に中に潜りこんでおけばいいのよ。」
そう言うと、幽々子は再び弾幕を打ち始めた。
「くそっ!」
霊夢は構える。が、その弾幕はすぐに消えた。
「…あら、油断しちゃった。」
後ろの咲夜が幽々子にナイフを当てたのだ。よって幽々子はスペルブレイクとなった。
「ふう。ありがと、咲夜。」
「いいのよ。…強いわね、彼女…。」
その時、
「あら、妖夢。終わったのね。」
幽々子が二人の後ろに話しかけてきた。何事かと後ろを振り向くと―
輪花を抱えた、妖夢が歩いてきた。
「「…輪花!?」」
「…安心しろ。彼女は向こうに置くだけだ。」
そう言うと、妖夢は白玉楼の縁側に輪花を寝かせた。
「……幽々子様、お待たせしました。」
そう言って幽々子の前にひざまずいた。
「いいのよ~。さ、始めましょう?」
幽々子の合図が、不利な戦闘の始まりを告げていた…。
作者「投稿遅れて申し訳ありません…。」
輪花「なんで?」
作者「高専の準備で忙しい。」
輪花「あ、そうなの…。」
作者「さあ、次回予告。#31『幽々子の目的』ここまで見て下さりありがとうございました!」
輪花「では!」