魔理沙の弟子は魔法初心者。   作:破片

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会話多いです。


#32 幽々子の目的・裏

「…いま、二人は戦ってるんだ…。」

 輪花はしばらく呆然としている。と、

「…ちょっと、起きて。」

 妖夢を起こし始めた。

「ん…。」

 幸い妖夢はすぐに起き、輪花に気がついた。

「…起きたんですか。…まあ、私も負けちゃいましたけど。」

 そういうと、妖夢は向こうのほうをじっと見ながら、こう呟いた。

「…行きたいのでしょうけど、ダメですよ。」

「え…?」

 腰をあげようとした輪花だが、妖夢の言葉に止まった。

「…一度脱落したものは、この戦いには参加できないんですよ。…博麗の巫女が決めたルールです。」

「そうなんだ…。」

…と、輪花が気がついた。

「あのさ、名前…。」

「ああ、名前ですね。私の名前は魂魄妖夢。白玉楼の庭師をやっております。」

「僕の名前は後来輪花。ここにはいないけど、霧雨魔理沙っていう魔法使いの弟子なんだ。」

「そうなんですか‥。あの…大変失礼なのは承知で聞きますが…。」

 妖夢は遠慮がちに、

「あの…。女性、ですよね…?」

「うん、そうだよ。」

「…ですよ、ね、はい。そうですよね。すみませんでした。」

「いや、いいよ。ところで、僕も聞いていいかな?」

「?…はい、どうぞ。」

「なんで敬語になってるの?」

「ああ、それは…。知り合いになった、からですから…。」

「あ、そうなの…。」

「「……………………。」」

―沈黙が続く。

「「なんだろうね(なんでしょうね)。」」

 向こうの戦いを見ながら二人はぼやく。

「向こうは必死に戦ってるけど…。」

「私たちはこんなふうにのんびり会話をしている。…普通なら私は逆の立場ですよ。」

「そうなんだ。」

 顔を見合わせ、苦笑する二人。

「はあ…。負けちゃったか…。」

 そう言って肩を落として下をみて、縁側の下が視界に入ったとき、物を見つけた―

「…なにこれ?」

 そう言って、拾って、よく見ると―

「赤い…羽…?」

 炎のように燃える赤だった。

 その横で、妖夢の表情がほんのわずかだが、硬くなったのを輪花は見逃さなかった。そして、こう言い始めた。

「知ってるよね?この羽のこと。」

「いえ…。」

 すぐに妖夢は表情を戻し、そう言ったが、

「へえ…じゃあ、なんで、ここにこんなものが落ちてるの?」

 ここは冥界。鳥など普通飛んでくるはずがない。そんな中で見つけたこの羽―さらに。

「君はさっきここの庭師だって言ったよね?だったらここら一帯の掃除をするはずだよね。…この羽、不自然に感じなかったのかなあ?」

「…知りません。」

 唇を噛んで否定する妖夢。しかし、構わず輪花は続ける。

「しかも不自然だと思ってたんだよね。見た感じ、もう地上には春はない。そう思っていたよ。‥でも、君が言った『貴様達のなけなしの春、全ていただこう』―この言葉で人にも春があることが分かった。…でも、普通の人からは春を取れるとしても、霊夢達みたいな実力者の春はどうやら気絶させないと取れないみたいだね。…かと言って、そこまでやってるのに満開にならない…。」

 そこまで言うと、輪花は頭を抱えた。

「…わからない。…だったらこの、赤い羽根をもった人がどこに行ったのか…。君らに関係がなくてもこの異変に関係がなかったら、君が表情を固くするはずがない…。」

「……。」

 妖夢はもうひたすらに黙っていることしかできなかった。…と、飛んできたのは、幽々子にはじかれた、咲夜のナイフ。

「危なぁ!?」

 慌てて輪花は避ける。白玉楼の壁にナイフが突き刺さった。

「物騒だ…。妖夢もいるんだからこんな物騒なのをこっちに弾くのは‥。」

…ん?

「物騒なの…物騒なもの…物‥?」

 その時、妖夢は閃いた。

「物!?そうか…物だ!」

 が、輪花は考え直す。だったらどうする?霊夢と咲夜は幽々子との戦闘で必死だ。輪花も既に満身創痍(リタイア)。残るのは…。

「…魔理沙…!」

 魔理沙に託すしかないのだ。

 

 

 

 

 

 

―博麗神社。

「輪花ー?霊夢ー?どこだー?」

 魔理沙は雪が止んだので、まだ帰ってこない輪花を心配して博麗神社に来た。しかし、二人は見つかっていない。その時。

 物が壊れる音がした。

「!?なんだ!?」

 慌てて外に出る魔理沙。そこには―

「…誰?」

 ボサボサの赤い髪に、狐の尻尾が生えている。…ここまで見ると、男のようだが、パッチリと開いた猫目に、黒くて丸い耳。…どうやら少女のようだ。そして、その少女の前には―霊夢の賽銭箱と思われる、残骸。

「…私の名前は霧雨魔理沙。…霊夢の賽銭箱に、なにしてるんだぜ?」

「…私の名前は示唆(しさ)朱莉(あかり)。…見ての通りよ。…もしかして、止めに来たの?」

「偶然見つけただけだが、壊すのはいけないぜ!」

 そう言って魔理沙がミニ八卦炉を構える。すると、朱莉は笑い。

「いいわよ!私は戦うのが好きなの!始めましょう!」

 そう言って構えたのは、やや長めのハンドクロー。さらに、爪を立てていた。

「二重の爪かよ…!やってやるぜ!」

 そうして、二人は激突した―




作者「朱莉の武器の名前を調べたのは秘密。」
輪花「今回は!?新キャラは!?」
作者「安心しろ、(後書き・コメに)出ることが確定した(`・ω・´)」
輪花「やったー!」
作者「まあ、あと少しかかるけどね。次回、#33『好戦的な獣者』、ここまで見て下さりありがとうございました!」
輪花「では!」
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