《行くわよ!》
「…ああ。」
魔理沙は生気のない声で返事をする。
―圧倒されていた。その姿。実力。それ相応の自身。完全に魔理沙は飲まれていた。
《…どうしたの?…もしかして、臆病になってるの?》
朱莉が挑発する。
「っ!そんな事ないぜ!」
《じゃあ…。》
続けて朱莉はこう言った。
《じゃあなんで、あなた、足がそんなに震えてるの?》
「……。」
そう。箒にまたがって浮いているとはいえ、完全に魔理沙の足は震えていた。
《「………。」》
沈黙がふたりを包む。そして、
《…つまらない。》
そう朱莉は言った。
「!?…今なんて?」
《つまらないと言ったのよ。この姿やいままで戦ったからって、そこまで臆病になるとは思わなかったわ。》
「…っ。」
《最初のあなたの自身はどこに行ったの?…まさか、ただの強がりなんて言わないわよね?臆病者。》
「なん…だとぉ…。」
魔理沙は俯き、拳を震わせていた。
すると、朱莉はいきなりこう言った。
《あーーもう!こんなこと言ってるんじゃなくってねぇ!そこの…魔理沙!》
「…なんだぜ?」
《私は最初の時のあなたと戦いたいの!そうやって『だぜ』口調で、
「…!!」
ようやく魔理沙は気づかされた。…そうだ。自分はこんなことで臆病になる自分ではない。
(そうだよな…。こんなことで臆病になっていたら、輪花に示しが付かないぜ…。)
そうやって、魔理沙は地面に降り立ち、ミニ八卦炉を構える。最初に対峙した時のように、堂々と。そして、魔理沙はこう言い放った。
「こんなことで臆病になる魔理沙様じゃないぜ!」
すると、青龍になった朱莉が笑ったように見えた。
《…そうよ!それよ!…じゃあ、準備はいいわね?》
「おう!」
そう言って、お互いスペルカードを出す。そして―
「《スペルカード発動!》」
《青龍『蒼き波動』!》
「魔砲『ファイナルスパーク』!」
青龍の口に青い波動が溜まり始める。
魔理沙のミニ八卦炉にも虹色の光が溜まり始める。
そして―
同時に二本の閃光が発射された。
そしてちょうど真ん中でぶつかる。
―が、朱莉の方が強い。
「く…そおっ…!」
魔理沙はありったけの魔力を注ぎ込む。が、徐々に押されていく。
《どうしたの!その程度?》
朱莉の声が頭の中に響く。
「ま…だ…だぜ…!」
そう言っているもの、足が地面にめり込んでいく。
そうして、青い閃光が魔理沙にも見えてきた、その時―
『…魔理沙…!』
(…?輪花…?…聞こえた…輪花‥?………)
「…フッ。」
魔理沙は笑っていた。
「…そうだよな…さっき思ったじゃないか!このまま…負けたら…!輪花に…、示しが…付かないんだ、ぜ…!うおおおぉぉぉぉー!」
そうして、ファイナルスパークのスペルカードの横に、新たなスペルカードが現れた。そうして。
「見せてやるぜ…私たちの、思いを!
そのスペルを唱えた刹那、虹色の閃光が緑色に変わった。
《!!…何!?》
そうして、青龍は閃光に包まれた。
「はあっ…。はあっ…。」
魔力を大量に消費した魔理沙は、地面に大の字になった。その時。
「…スペルカードが…。」
「…おっと、忘れるところだったぜ。」
そう言って、魔理沙は立ち上がり、朱莉の方へ近づいていった。朱莉は既に気がついていおり、大の字になっていた。
魔理沙も、朱莉の横で再び大の字になった。
「…最後、すごかったわ。」
そう言って、朱莉は魔理沙の方へ笑いかけた。
「どうやったの?」
その質問に、魔理沙は空を見上げたまま、こう答えた。
「輪花の…いや、弟子の声が聞こえたんだぜ。」
「そう…。良かったわね。」
そう言って、朱莉は空に向き直った。
「…私はいつも一人…。」
そう朱莉はつぶやいたともしらず、魔理沙はこう言った。
「輪花…やったぜ…。」
―魔理沙たちの辺り一帯は、閃光のエネルギーによって、雪は完全に溶けきっていた。
作者「場外戦、終了です。」
輪花「本当に一発で終わった…。」
作者「まあ、元からその予定だったけどね。」
輪花「次回は、私たちの方にもどるよ。」
作者「次回、#35『白玉楼』です。」
輪花「…ひどい。ネーミングセンスが…。」
作者「…今回ばかりはいいのが思いつかなかった…。タイトル変更の予定ありです…。」
輪花「ここまで見て下さりありがとうございました!」
作者「では!」