魔理沙の弟子は魔法初心者。   作:破片

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#36 優雅に散らせ、黒霊の桜

黒く染まった西行妖から、霊を吸い取らんとばかりに大量の弾幕が発射された。

「っ!なんて弾幕の量なの!?」

 霊夢と咲夜は避け始めるが、これまでとは比にならない量の弾幕に、咲夜と霊夢は既にスペルカードが尽きている。更に。

「はっ!」

 霊夢が幽々子に向かって御札を投げるが、

「…嘘!?」

 御札は幽々子をすり抜けた。…つまり、このスペルは避け続けることしかできないのだ。

 西行妖からレーザーが発射され、更にその間に大型の弾幕が発射される。

「なっ・・ろぉっ!」

 残るは気力と体力のみ。…ただそれで避け続けるしかないのだ。

 

 

 

 

 

「…どうしよう…。」

 輪花は再び妖夢の半霊と共に縁側に座り、西行妖をじっと見ていた。と。

「…桜の花びらが…!」

 桜の花びらが、徐々に散っていくのである。…出来るかはわからない。輪花は二人にこう言った。

「咲夜、霊夢!花びらの付け根を狙って!」

 

 

 

 

 

「はあ!?馬鹿言ってんじゃないわよ!」

 避けながら霊夢は叫び返す。

「…でも、それが多分…正解、なんで、しょ!」

 ギリギリで避けつつ咲夜がいう。

「全く…!咲夜!私の後ろに!」

 その言葉通り、咲夜は霊夢の後ろに行くと―

「警醒陣!」

 青い御札がバリアのように展開され、弾幕を打ち消していく!

「今よ、咲夜!」

「はあっ!」

 咲夜が正確に花びらの付け根を狙った。すると、花びらが散る。

「…で、どうなるのよ!輪花!」

 咲夜が届くように大声で聞く。

「その花びらが散りきった時がこのスペルの終わりだと思うんだ!」

「どれだけ長いのよ!」

 霊夢が叫ぶ。

「とりあえずやるわよ!」

 咲夜の言葉に後押しされる霊夢だったが、警醒陣を貼るのに必死である。

「警醒陣には限りがあるわ!咲夜、早く!」

「そんな簡単にできたら、苦労は、しない、わ、よっ!」

 ナイフを投げながら答える咲夜。

 しかし、西行妖から放たれる弾幕に弾かれていく。

 それでも、数本に一本のナイフは、花びらの付け根にあたっていく。

 自然に散っていく花びらもある。

 だから、咲夜はナイフを投げ続けた。

 

 

 

「…あと少し!」

 そう言って、ナイフを構え直す。が、

「咲夜…あと警醒陣、3枚よ!」

 霊夢が叫ぶ。咲夜は、

「分かったわ…そのうちに終わらせる!」

 そう言って、より正確に、より多くのナイフを投げ始めた。

「行くわよ…3!」

 霊夢は警醒陣を展開した。

「はああぁぁぁ!」

 次々とナイフが花びらを散らせていく。

「2!」

 残り二枚。

「くっ…まだ行ける!」

 が、このペースでは間に合わない。

「…1!」

 霊夢は最後の警醒陣を投げた。

「あと…二枚!」

 そう言って、咲夜は二本のナイフを投げた。―そして、

 1本は付け根に当たったが、あと一本は惜しくも外してしまった。

「あ…。」

 警醒陣が薄れていく。そして西行妖がふたりの方にビームを放とうとした。

 二人は避ける気力もなく、しゃがむ気力もなかった。

 そうして、西行妖から光が放たれた―

 

 

「…え?」

 霊夢は呆然としていた。

「生き……てる?」

 咲夜も立っていた。

 見ると、西行妖の最後の花びらが、地に落ちようとしている時だった。

「「「…はぁ~~~…。」」」

 咲夜と霊夢、遠くの輪花までもが安堵のため息をつき、その場にへたりこんだ。

―こうして、終わらない冬は終わり、始まらなかった春は始まろうとしていた―




作者「今更ながら咲夜のコントロールが異常。」
輪花「見てるだけなのがものすっごいもどかしかった!」
作者「最後に一枚は自然に落ちたんです。…本当にギリギリですね。」
輪花「作者が最初に考えてたのは、『反魂蝶 -九分九厘咲-』…だったよね。」
作者「…ははは( ̄▽ ̄;)。次回、#37『第二の弟子』ここまで見て下さりありがとうございました!」
輪花「では!」
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