黒く染まった西行妖から、霊を吸い取らんとばかりに大量の弾幕が発射された。
「っ!なんて弾幕の量なの!?」
霊夢と咲夜は避け始めるが、これまでとは比にならない量の弾幕に、咲夜と霊夢は既にスペルカードが尽きている。更に。
「はっ!」
霊夢が幽々子に向かって御札を投げるが、
「…嘘!?」
御札は幽々子をすり抜けた。…つまり、このスペルは避け続けることしかできないのだ。
西行妖からレーザーが発射され、更にその間に大型の弾幕が発射される。
「なっ・・ろぉっ!」
残るは気力と体力のみ。…ただそれで避け続けるしかないのだ。
「…どうしよう…。」
輪花は再び妖夢の半霊と共に縁側に座り、西行妖をじっと見ていた。と。
「…桜の花びらが…!」
桜の花びらが、徐々に散っていくのである。…出来るかはわからない。輪花は二人にこう言った。
「咲夜、霊夢!花びらの付け根を狙って!」
「はあ!?馬鹿言ってんじゃないわよ!」
避けながら霊夢は叫び返す。
「…でも、それが多分…正解、なんで、しょ!」
ギリギリで避けつつ咲夜がいう。
「全く…!咲夜!私の後ろに!」
その言葉通り、咲夜は霊夢の後ろに行くと―
「警醒陣!」
青い御札がバリアのように展開され、弾幕を打ち消していく!
「今よ、咲夜!」
「はあっ!」
咲夜が正確に花びらの付け根を狙った。すると、花びらが散る。
「…で、どうなるのよ!輪花!」
咲夜が届くように大声で聞く。
「その花びらが散りきった時がこのスペルの終わりだと思うんだ!」
「どれだけ長いのよ!」
霊夢が叫ぶ。
「とりあえずやるわよ!」
咲夜の言葉に後押しされる霊夢だったが、警醒陣を貼るのに必死である。
「警醒陣には限りがあるわ!咲夜、早く!」
「そんな簡単にできたら、苦労は、しない、わ、よっ!」
ナイフを投げながら答える咲夜。
しかし、西行妖から放たれる弾幕に弾かれていく。
それでも、数本に一本のナイフは、花びらの付け根にあたっていく。
自然に散っていく花びらもある。
だから、咲夜はナイフを投げ続けた。
「…あと少し!」
そう言って、ナイフを構え直す。が、
「咲夜…あと警醒陣、3枚よ!」
霊夢が叫ぶ。咲夜は、
「分かったわ…そのうちに終わらせる!」
そう言って、より正確に、より多くのナイフを投げ始めた。
「行くわよ…3!」
霊夢は警醒陣を展開した。
「はああぁぁぁ!」
次々とナイフが花びらを散らせていく。
「2!」
残り二枚。
「くっ…まだ行ける!」
が、このペースでは間に合わない。
「…1!」
霊夢は最後の警醒陣を投げた。
「あと…二枚!」
そう言って、咲夜は二本のナイフを投げた。―そして、
1本は付け根に当たったが、あと一本は惜しくも外してしまった。
「あ…。」
警醒陣が薄れていく。そして西行妖がふたりの方にビームを放とうとした。
二人は避ける気力もなく、しゃがむ気力もなかった。
そうして、西行妖から光が放たれた―
「…え?」
霊夢は呆然としていた。
「生き……てる?」
咲夜も立っていた。
見ると、西行妖の最後の花びらが、地に落ちようとしている時だった。
「「「…はぁ~~~…。」」」
咲夜と霊夢、遠くの輪花までもが安堵のため息をつき、その場にへたりこんだ。
―こうして、終わらない冬は終わり、始まらなかった春は始まろうとしていた―
作者「今更ながら咲夜のコントロールが異常。」
輪花「見てるだけなのがものすっごいもどかしかった!」
作者「最後に一枚は自然に落ちたんです。…本当にギリギリですね。」
輪花「作者が最初に考えてたのは、『反魂蝶 -九分九厘咲-』…だったよね。」
作者「…ははは( ̄▽ ̄;)。次回、#37『第二の弟子』ここまで見て下さりありがとうございました!」
輪花「では!」