魔理沙の弟子は魔法初心者。   作:破片

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#37 第二の弟子

「かくて世はこともなし、か…。」

 酒をついだ杯の上に桜の花びらが舞い降り、魔理沙はそれごと飲み干す。

「はあ…疲れたわー。…なんなのよの最後のあの桜!化物桜め。」

 霊夢がぼやく。

―ここは博麗神社。

 異変解決の宴会が、花見と共に行われている。

「主犯も来てるし…。」

 すると、霊夢が背にしている桜の木の裏から、幽々子が顔を出した。

「まあまあ、お詫びのしるしにね。」

 すると、魔理沙の横に妖夢が現れ、

「酒肴もお持ちしましたので。」

 そう言って妖夢は刺身を差し出す。

「おっ。」

 魔理沙はそれに目を輝かせている。

 

 

 

 

 

 

 

「あら、霊夢。」

「あ、咲夜。…レミリアもか。」

「どうも。…疲れてるわね。」

「全くよ…誰かさんのおかげでね。」

 そう言って、霊夢は遠くで完全に酔った幽々子を睨みつけた。

「まったくもう…。」

 霊夢は再びため息をつく。

「…輪花は?」

「…いや、見かけてないぜ?」

 近くにいた魔理沙も覚えがないらしい。

「ま、また屋根にでも登ってるんでしょう。…昼なのに。」

 そう霊夢は呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

「どーも。」

 そう言って輪花に声をかけてきたのは…。朱莉だ。

「…どうも。」

 輪花はアルコール度数が低めの酒を飲んでいるため、至って正常である。

「自己紹介、していいかしら?」

 輪花の返答も待たず、朱莉は言った。

「私は示唆朱莉。」

「…僕は後来輪花。霧雨魔理沙の弟子。」

 すると、朱莉は顔を近づけてきた。

「…な、なに?」

 輪花は若干引きながら聞く。すると、

「…あなたが魔理沙の弟子なのね。」

「何?魔理沙を知ってるの?」

 すると、朱莉は輪花から顔を離し、

「…知ってるもなにも、私は今回の異変で魔理沙に倒されたのよ。」

「ああ。じゃあ、魔理沙が酔った勢いで自慢したホラ話って…。」

 すると、朱莉は笑い、

「…かなり盛ったみたいね。」

「そう。朱雀の羽が生えただの、青龍が出てきただの、ファイナルスパークが強化されただの。」

 そう輪花はぼやいていたが、

「……それ、本当よ。」

「本当?だよねぇ。そんなことあるはずが…。……はいぃ!?え、何、本当なの!?」

 朱莉は、

「ええ。なら、証拠…見せようか?」

 そう言うと、朱莉は朱雀の羽を出した。その時。

「…ああ。」

 輪花が納得した素振りを見せた。

「……何納得してるの?」

 朱莉は聞く。すると、輪花が出したのは―白玉楼で拾った、赤い羽根。

「あ…。」

 朱莉はそれを見ていたが、

「…そう。そうだったの。…あなた、見抜いたのね。」

「そう。…ま、その前に妖夢に負けちゃったけどね。…なんでこの異変に加担したの?」

 輪花が聞くと、朱莉は両手を広げ、やれやれとポーズをとり、

「さあ?あの幽々子(主さん)が『暇なら手伝って~。』って言われたからよ。」

―沈黙。

「「…ふっ。」」

 そして、二人同時に笑いだした。

「言いそうだね、それ。かなり想像できる。」

「そう。おそらく…いや、絶対あなたの思ったとおりだわ。」

 ふたりはこのあともしばらく談笑していたが、

「…じゃあ、行く場所はないんだね。」

「まあ、私は動物でもあるから、森でも過ごせるけどね。」

「へえ。…でもなあ‥。」

 すると。

「私の弟子にならあいいじゃやいか~。私と性格が似てるし、いいじぇ~。」

 完全に泥酔した魔理沙がやってきた。

「「…………いいの!?」」

 二人が同時に詰め寄る。

「お、おう、別に…構わないぜ。」

 ふたりの勢いに一瞬酔いがさめた魔理沙。

「…じゃあ、お願いしても、いいかしら?」

「うん!これからよろしくね!」

 そう言って、輪花は手を差し出す。

「…ええ。よろしく。」

 朱莉は輪花の手を握る。

―こうして、二人目の弟子になった―




作者「はい、という訳で二人目、示唆朱莉です!」
朱莉「どうも!」
輪花「三人目追加された~!」
朱莉「…まさか、ずっと二人でやってたの!?」
作者「…序盤だけゲストがいて、後は自力で。」
輪花「…36回分メインMC二人だったね…。」
作者「おう!次章突入します!次回、#38『弟子の家』、はいどうぞ!」
朱莉「ええ!ここまで見て下さりありがとうございました!」
三人「「「では!」」」
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