魔理沙の弟子は魔法初心者。   作:破片

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#54 親友の願い

―爆発が止んでいく。

「…霊夢…。」

 魔理沙はゆっくりとつぶやいた…。

―煙が晴れていく。そこには、霊夢と―沙紀が立っていた。

『………ふざけるんじゃないわよ。』

 沙紀がゆっくりと呟いた。

『こんなことで言いくるめられるとでも思ったの!?…私は、この…。この二重人格のせいでどれだけ苦しめられたかわかってるの!』

 大声で沙紀は叫んだ。

『…だったら……だったら止めて見せなさいよ!滅亡『ブラックホール』!』

 その言葉とともに、沙紀の目の前に巨大なブラックホールが現れた。

「っ!」

 霊夢は少しずつ吸い込まれていく。それを見た魔理沙が、

「!霊夢!魔符『スターダストレヴァリエ』!」

 高速で霊夢に近づき、霊夢を抱え遠くに離れようとしたが―

『…無駄よ。』

「…!!」

 ブラックホールに近づいただけでスターダストレヴァリエが強制的に終わり、魔理沙も徐々に吸われていった。

『これは光をも飲み込むブラックホール…。スペルなんてあっさりと吸うわよ。』

 沙紀は冷酷に言い放った。

「くそっ!一刀『斬撃―曲大鎌(まがりおおがま)―』!」

 風雅は大きく曲がる巨大な鎌のような斬撃を放つが―

『無駄だって言ってるでしょ?』

 斬撃は砂のように細かくなっていき、ブラックホールに吸われていった。

「っ!…まずい!」

 いきなり沙紀は吸引力を強めたので、近くにいた朱莉や風雅も引き込まれはじめる。

「!みんな!」

 輪花は転送魔法を貼ろうとしたが―

『隕石『the・スターハレー』。」

 目の前に彗星が襲ってきた。そして―

「わあっ!」

 思いっきり押されていく。

「…くっ!」

 しかし、ここから逆転できる術もなく―

「ぐわっ!」

 壁に大きく激突、そのまま輪花は落ちていった―

 

 

―輪花はゆっくりと目を覚ます。すると―

『あ、やっと起きたわね。』

 同じ場所に沙紀は立っていた。

「…!みんなは!?」

『そこに倒れてるわ。』

 あっさりと沙紀は言った。

 輪花は慌てて周りを見る。―霊夢、魔理沙、朱莉、風雅。全員が地に伏せていた。

『非殺傷って便利ねー。』

 平気な顔で沙紀は言う。

『…さ、後はあなただけね…。』

 そう言って沙紀は少しずつ近づいてきた、その時。

『…うっ!?』

 突然沙紀が苦しみ始めた。

『…っ!くそっ…!』

 なぜ苦しんでいるのかがわからない。その時、輪花の脳内に声が響いた。

《…輪花!》

「…!亜紀…?」

《そうよ…。お願いがあるの。》

「…なに?」

 その願いは、とんでもないものだった。

《…私をこのまま殺して!》

「…!!そんな…!」

 自分を殺せ。…とんでもないものだ。

《…私が悪いのよ。…みんなに迷惑かけないために、沙紀の案にのって、少しずつ沙紀を封じようとしたこと…。これが暴走の原因よ。》

「でも…。」

 それは沙紀の案である。

《いいえ。それに乗った私も悪い。…お願い。》

「ダメだよ!…そもそも、スペルカードは非殺傷なんだ。それは知ってるでしょ?」

《…簡単よ。簡潔に言うと、レミリアの神槍『スピア・ザ・グングニル』に、美鈴の能力で気をまとえば、気に当たるからスペルの攻撃じゃなくなる…殺傷能力ができるわ。》

「…!!」

 なぜ亜紀はこんなに自分を殺せとせがむのだろう。

《…あのね、暴走しているのは私たちも知らない、第三の人格よ。》

「…え?沙紀じゃないの?」

 すると、脳内に別の声が響いた。

《失礼ね。…そこまではできないわよ。》

「沙紀!?」

《あいつは性格が私なだけよ。…早く。…もう紅魔館の実力者全員の力を借りて!》

「…っ!…分かった。」

 そう言って輪花は次々と、ゆっくりと、一枚ずつスペルカードを取っていった。それは―

・日符『ロイヤルフレア』

・『咲夜の世界』

・神槍『スピア・ザ・グングニル』

・禁忌『レーヴァテイン』

 そして、美鈴の能力を使う。

 グングニルとレーヴァテインを組み合わせ、ロイヤルフレアをまとわせる。

 そして、それに美鈴の気をまとわせ、殺傷能力をまとわせる。

「…………。」

 もはや輪花は何も言わなかった。

《《早く!》》

 二人の声が重なる。

「………っ!」

 そして輪花はそれを投げた。そして、時を止めた。それが動き出した時―

 沙紀の周りに大量の槍が。それぞれの先端をつなぐと―

―綺麗な正二十面体になっていた。

『…………ありがとう。」

「!」

 最後に小さい声で、お礼を言われた気がした。

 そうして、槍が近づいていき―

 強大な爆発が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

「………………バカ。」

 小さく輪花は呟いた。

「…なんで、自分で…。」

 そう言って膝をつき、俯く。

「なんで自分で決めるの…。」

 そうして、輪花は泣き始める。

「わあああぁぁぁぁ!」

 下を向いたまま、輪花は泣き叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―…輪花は優しいね。最後のあの槍―直接当てずに、爆発で巻き込むなんて。まあ、殺傷能力はあるけど。

―そうね。…さあ、先に行きなさい。私はまだやることがあるわ。

―え、でも。

―いいから先に行って!…それじゃあ。

―…そうね。…じゃあ。―

―…!…―

『『またね』』

 

 

 

 

 

 

 そして光が止んだ時、沙紀の姿は跡形もなかった―




作者「はいおしまいですた。…亜紀、沙紀は消えました。…輪花は被害者でもあり加害者でもある。」
輪花「………。」
朱莉「…でも、この異変はそれだけじゃ終わらなかったのよ。」
作者「…次回、#55『友達のため?』ここまで見て下さりありがとうございました!」
三人「「では。」」
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