「…ん?」
レミリアはゆっくりと目を覚ました。
―その目に写ったのは―膝をついている輪花だった。
「…あら?」
レミリアは慌てて周りを見る。が、沙紀の姿はない。
「…まさか……?」
呆然としていると、
「…どうなったんでしょう…。」
隣の咲夜がゆっくりと目を覚ました。
「輪花。」
レミリアは輪花を呼ぶ。輪花はその言葉に気がつき、振り向いたが―その目は、レミリアを見ていなかった。
「…沙紀は……?」
恐る恐る聞いたが、輪花からの返事はない。
「まさか、死んだ…?」
レミリアはゆっくりと輪花に詰め寄った。そして、胸ぐらを掴み、
「どうなったのよ!」
そう叫んだ。
「………た…。」
小さく輪花は言った。
「え?」
「…頼まれて……殺した。」
「!!?」
レミリアは驚きのあまり胸ぐらを離した。
「…嘘、よね?」
輪花に聞くが、輪花は力なく首を横に振った。
その時、ものすごい怒りがこみ上げてきた。そして、輪花を、蹴り飛ばした。
「っ!」
輪花はそのまま壁まで吹き飛ばされ、煙が上がる。そこにレミリアは突っ込んでいった。
「お嬢様!」
咲夜は叫ぶ。煙が晴れたとき―レミリアは輪花の首を掴んでいた。
「……どう殺されたい?」
レミリアは首に力をいれていく。
「それだけは聞いてあげる。…どう殺されたい?」
同じことを聞く。そして。
「…沙紀を殺したこと、死んで償え。」
右手にグングニルを出現させた。
「…………。」
輪花は、何も言わない。
―輪花side
―レミリアに首を絞められていく。
…ああ、このまま死ぬのかな。
どうなるんだろう。そんなこと考える気力も起きないな。
…でも、このまま死ぬのはなぁ…。
―その時。
―ガシッ
(「え?)」
レミリアは驚いている。いや、僕も驚いている。だって―
僕の体が勝手にレミリアの腕を掴んだから。
そしてそのまま―
「ふっ!」
もう一方の手でレミリアを殴った。
「くっ!」
レミリアはよろけ、首を絞めていた手を離す。そして―
「はぁっ!」
さっきレミリアがやったことと同じように、レミリアを蹴り飛ばした。
そして、上がる煙。
「…………。」
見ている咲夜が呆然としている。僕だって驚いてるよ。
《うるさいわね、少し黙れないの?》
わっ!?…誰?
《私よ、そのくらいもわからないの?》
…沙紀?なんで?
《意思の特権。時間制限ありで、勝手に人の体を操れる。》
はい?
《とりあえず、今、体借りてるわよ!あなた、今戦える状態じゃないでしょ。》
う、うん。分かった。
と、レミリアが吹き飛んだ方を見る。そこから赤い槍が飛んできた。
「おっと。」
僕はそれを体をずらしてかわす。
《…それと。》
なに?
《…もし戦える気力があるなら、彼女の動きをよく見て、指示をくれないかしら。》
…そうするしかないんだね。
《もちろん。じゃないとあなたは死ぬわ。》
―分かった。
こうして、僕は構える。
煙の中、ゆっくりと立ち上がる人影が。
「…おとなしく殺されなさいよ…。」
レミリアはそう言って僕を睨みつける。そして、
「咲夜!手伝いなさい!」
そう言って咲夜の方を見る。けれど、咲夜は固まったまま動かない。
「…咲夜っ!」
レミリアはそう叫ぶと、咲夜はビクッと反応して、
「は、はい!」
僕にナイフを構えた。
《咲夜は戦闘は無理ね。かと言ってこれ以上咲夜にダメージは与えられないわ。‥避けるしかないか。輪花、咲夜の動きを見て!》
分かった。
そして、レミリアは突っ込んでくる。それに、僕は動いた。
レイピアを抜いて、応戦している。
後ろから、咲夜がナイフを投げてきた。
…?なんで時を止めないんだろう?
沙紀、ジャンプ!
《分かった!》
そう言って僕は飛んで避ける。と、避けたことによってレミリアにナイフが。
「くっ!」
レミリアは爪で弾く。
「咲夜、横からよ!」
レミリアが咲夜を叱責した。
「は、はい。」
咲夜は僕の横にまわろうとする。
レミリアは僕の正面に突っ込んでくる。
レミリアが顔面を狙って爪を立てる。
僕はそれを体を反らして避ける。と、また足元に向かってナイフが。
沙紀、また足元にナイフが。
《…もしかしたら。》
そう言うと僕は足を動かさなかった。
え?
《いいから!レミリアの方に集中!》
わ、分かった。
すると、ナイフは全て足元にささり、一本もあたりはしなかった。
《咲夜はもうダメ。レミリアさえ蹴り飛ばせば!》
そう言われて僕もレミリアの方に集中した。
…基本はよけられる?
《ええ、なんとか。》
じゃあ、隙ができそうな時に指示するね。
《分かったわ!》
そう言ってしばらく肉弾戦をする。
《…あなた、結構できるじゃない。》
僕がダメなだけか。…!?
《?》
くるよ!
すると、レミリアは心臓に向かって爪を立ててきた。
体を傾けて!
そして、ギリギリで避ける。
今!
「はっ!」
そして、ガラ空きになった脇腹に向かって蹴り飛ばした。
「うっ!」
《ふう。じゃ、私は一旦抜けるわ。》
え、ちょっと―
疲労がたまっていたのか、僕は倒れた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「…っ!」
レミリアはゆっくりと立ち上がる。
「咲夜。輪花を十字架にかけておいて。私は一旦休むわ。かけ終わったら起こして。」
そう言ってレミリアは図書館を出ていった。
「………。」
咲夜は呆然としている。
《大変ね、あなたも。》
突然、咲夜の頭の中に声が響いた。
「!?」
《…でも、主の間違いを正すのもメイドの仕事じゃない?》
「…沙紀?」
《あなたは輪花が攻撃したところを見ていたわね。》
「……ええ。」
《まあ、輪花は縛っといたほうがいいわ。じゃないと…あなたが殺されるわよ。あなたが考えるのはそれからね。》
「…分かったわ。」
そう言うと、咲夜はそっと輪花を抱え、図書館を出ていった―
作者「はあー。つかれた。久しぶりに2000字突破した。」
輪花「沙紀ずるい。」
作者「といっても、フランの狂気はほかの人に取り付くことを考えなかったんだよな。」
輪花「じゃあ、次回、#56『全ての行動は―』ここまで見て下さりありがとうございました!」
二人「「では!」」