「…悪あがき?…まあ、その通りですね。」
美鈴は輪花の真剣な表情に少したじろいたものの、すぐに笑みを見せた。
その通りなのだ。明らかに現状は美鈴の方が優勢。しかも輪花はスペルカードを持っているが、その数はわずか一枚。普通なら諦めるはず。
「…いくよ。」
「…逃げることをおすすめしますが、そこまで言うのなら仕方ありません。…ご覚悟を。」
輪花がレイピアをしまう。そして、動いた。
―スペルカード発動
「陣符『仭魔円』!」
そして輪花の両手には魔法陣が。
「…?」
輪花は、その魔法陣を―
「なぁ!?」
慌てて美鈴は避ける。そして、美鈴の後ろの塀に魔法陣が当たった―とき、塀は割れていた。
輪花は、魔法陣を高速回転させ、円刃のように扱っているのだ。
そして、輪花は、魔法陣を手元に戻し、言った。
「…いくよ!」
「…くそっ!背水の陣だ!」
輪花は二枚の魔法陣を発射させる。
美鈴は手刀で魔法陣を割ろうとしたが、回転がかかって勢いがついているため、はじかれてしまった。
―そして美鈴は、ある賭けに出る。
魔法陣が二つとも通りすぎたとき、輪花に突っ込んでいった。
もちろん輪花は魔法陣を戻そうとする。…が、それよりも美鈴の方が速い。
(間に合う!)
美鈴は構え直したときに、輪花は片足を上げていた。
その足の裏には―輪花が乗っていたはずの魔法陣。しかも、その中心には緑色の光が溜まっていた。
「!!くっ!」
慌てて美鈴は飛び、上から手刀を叩き込もうとしたが―
後ろの二枚が美鈴を襲った。
「…残念だったね。」
「…負けてしまいましたか。」
「予想通り飛んでくれたね。そのせいで失速した。だから魔法陣が追いつけたんだ。…あと、引っかかったね。」
「え?」
改めて輪花の顔を見ると、輪花はいたずらっ子が浮かべるような笑みをしていた。
「…僕、弾幕ヘタクソなんだよね。」
「え…あーっ!まさか、序盤に弾幕を打たなかったのは…!」
「そ。打てないから。だから光だけ貯めて、反応に賭けたんだ。」
「うう…。悔しいです…。」
「…じゃ、通っていいよね。」
「ええ、どうぞ。」
美鈴はあっさりと認めた。
「…いいんだね。」
「ええ。負けましたから。」
美鈴は負けた時はあっさりするものなのだ。
輪花が門を開ける。と、そこにいたのは…。
「…と、誰?」
「初めまして、私はこの紅魔館のメイド長をしております、十六夜 咲夜と申します。…先ほど、博麗の巫女より手紙を預かっております。」
「…………。」
「どうしました?ああ、なんで持ってるのか、ですか?私が博麗の巫女に負けて、「これ、次入ってくるやつに渡しといて。」と、言われたもので。」
…勝ったという理由で負傷者を雑用係にするのが霊夢らしい。
「あ…、分かりました。ありがとう。」
「いえ…。」
と、手紙を見ると、
『あんたは魔理沙の所に行って。図書館の場所はメイドに聞いて。』
…博麗霊夢。かなり人任せな正確である。
「あの、図書館の場所って…。」
心の中で咲夜に謝りながら、場所を聞いた。
「ここか…。」
結構大きな扉があった。
道中、たくさんの妖精メイド達が倒れていたが、おそらく魔理沙がやったのだろう。
「失礼しま…うわっ!!」
扉を開けた途端に、爆発がした。
「くっそ!流石2対1じゃ分が悪いぜ!」
「魔理沙!?」
すると、魔理沙は輪花に気がつき、
「おお、輪花!勝ったんだな!」
「うん。ところで、二人って…。」
ここで現状説明。
輪花の隣にいるのは、魔理沙。そして図書館の隅にいたのが、小悪魔。そして、煙の中に見えるのは、知識と日陰の少女―パチュリー・ノーレッジだ。
が、小悪魔は戦いを見ているだけで、自身は攻撃をしていないようだ。
「くっそ、あいつ…。なんだ?腕輪が光り出してから急に…。」
…どうやら、煙の中にあと一人いるらしい…。
そして、出てきたのは…。
「……新たな雑魚がやってきたわね…。」
青く光っている腕輪をした、少女だった…。
作者「はい、二人目の犠牲者(瞬殺者)は、咲夜さんでした!」
輪花「まさかの人気ランキング常に上位にいる(はず)の咲夜さんを瞬殺させるとはね…。」
作者「…そういえば、美鈴は弱くしてるんだった。」
輪花「あれで!?本当は!?」
作者「最初予定してたのは、魔理沙が『スターダストレヴァリエ』で突っ込むところを素手で受け止める美鈴を考えたね。」
輪花「…うそお。」
作者「さて、次回、やっと二体目のオリキャラです!」
輪花「次回、…おお、十話目だね。#10『操れない者と、操られる者』操れないものは私。あと一人は…あっと、ネタバレになるね。」
作者「ここまで見て下さりありがとうございました!」
二人「では!」