10years later・・・・
気が付けば俺は15歳になっていた。
靴底がすぐにすり減ってロングクローを困らせるのは相変わらずだけど、流石に成長したのか最近は靴代は自分で出すようにしたり、すり減ったところを自分で補強したりと工夫するようにしている。
でも、流石にサイズもデカくなったから当然ロングクローからもらう小遣いじゃ足りなくなる。靴代を出すようになってからは毎日食いに行っていたチリドッグも週に3回ぐらいに減ってしまった。だから、ここ最近俺は軽いバイトをするようになった。
「・・・・・・・」
午前4時半に起床。
ベッドから起きた俺は物音を立てないように準備し、港の方へと行く。港の方へ行くとちょうど船から積み荷が降ろされているところだった。
「よっ、じいさん。今日も稼ぎに来させてもらったぜ。」
俺は、積み荷の検査をしている船長のじいさんに声をかける。このじいさん、島と他の様々な場所を行き来しているベテランの船乗りでとても高齢とは思えないほど筋肉モリモリマッチョマンでポパイじゃねえかと疑いたくなるある意味謎の超人だ。こんな変態染みた格好のじいさんだけど丁度小遣いに困っていた俺に目を付けて給料を出す代わりに届いた荷物を宛先まで配達する仕事を任せてくれたいい人なんだぜ。
「おう、ソニック!相変わらず青いな!」
じいさんは、笑いながら俺に今日の配達リストを手渡す。とは言ってもそんなに遠くへ行くわけじゃないからリストを見れば大体の届け先は理解できる。まっ、要は牛乳や新聞配達のような感じさ。
「じゃあ、早速始めるぜ。」
「頼むぜ、何しろ今日はブレックファーストを取ったらすぐに出港だから、最終確認をしなくちゃならないんだからな。」
「えっ!?朝食の後すぐって・・・・・後50分しかねえじゃねか!?」
俺は腕時計を見ながら愕然とする。いくら小さい港とはいえこの積み荷の荷物を全部配達するには最低でも1時間以上はかかる。
「ハッハッハッハッ!この仕事はスピードが命なのよ!」
「いや、いくらなんでも無理なのは無理だぜ!!」
「なあに、間に合ったらいつもより報酬増やしてやるから!」
「だから、こんなに・・・・・」
「できたら、チリドッグ10個分の代金も追加しちゃおうかな?」
「ちくしょう!やってやるぜ!!」
チリドッグに釣られ、俺は急いで積み荷の配達を始める。
このじいさん、人を使うのがうまいぜ。
午前6時半。
「あぁ、全く人使いが荒いのかうまいのか・・・・・」
配達をなんとか時間内に終えた俺は、じいさんから報酬をもらうとレイのファーストフード店で朝食兼ねの軽い休息を取りに来ていた。店主のおっちゃんは、ここ数年前に息子さん夫婦の開いている料理店が危ないという話を聞いて出かけちまったきり、帰って来ていないんだってさ(手紙は定期的に送って来るんだけどそれでもまだ戻れないらしい)。
以降はレイが代わりに切り盛りをしていて島のみんなからはぶっちゃけ「レイの店」と言う認識になっている。おっちゃんの技術をみんなものにしていることもあって店は特に経営が傾くということもなく繁盛していて、毎日朝早く開いてくれるから早朝から働く俺にとってはありがたい存在だ。
「それにしてもソニックもソニックでよくあんな短時間で運べるよね。あの船長さんもこの間来たとき笑いながら褒めてたよ。」
レイは、そう言うと注文した品を持って来た。まだ、朝早いということもあって仕込みを終えた後は特に仕事がなくなるからこんな風に話せる時間がある。
「仕方ねえだろ。俺だって金が欲しいんだからさ。靴底がすぐにすり減っちまうから新しいの買うので金が回らないんだ。」
「ハッハッハッハッ・・・・・足の速いソニックには泳げないこと以外で唯一の弱点だからね。」
レイは笑いながら言うと注文していない新作バーガーまで俺の前に出してくれた。
「ん?俺、こっちは頼んでいないけど。」
「僕の驕りだよ。配達した荷物の中には僕が発注した材料まであるからね。」
「サンキュー、レイ!」
俺は早速新作バーガーを頬張る。
「そう言えばソニック、こんな噂話聞いたことがある?」
朝食も兼ねて一緒に食べているレイはひょんなことから俺に奇妙な話をし始める。
「噂?何のだよ。」
「この島の伝説だよ。」
「伝説?」
「このサウスアイランドには、実は大昔の文明が残した宝石や遺跡の宝庫であって、その中に全ての生物にエネルギーを与えるだけじゃなくて、6つ全部集めるとどんな願いでも叶える奇跡の宝石があるって。」
「どんな願いでも叶う?流石にそれは嘘じゃねえのか?」
俺は、嘘くさい伝承を聞きながら食事を続ける。ド〇ゴンボールやアラジンの魔法のランプじゃないんだからよ。
「そうかな・・・・・」
レイは、少し残念そうに言う。
食事を終えた俺は、そのまま急ぎ足で家に帰る。玄関に入るとちょうどロングクローが部屋から出てきたところだった。
「あら、ソニック・・・・・今帰ってきたの?」
ロングクローは、少し赤い顔で俺を見る。
「あぁ、ちょっとね。」
「もう、大きくなったんだから心配ないと思うけどあまり夜遊びとかしちゃダメよ・・・・コンコン!」
ロングクローは咳き込みながら言う。ここ最近ずっとこんな感じな気がするな。
「大丈夫かよ、ここ最近ずっと咳き込んでいないか?」
「そうかしらね?コンコン!」
少し額に手を触れると熱っぽい。
「風邪でも引いたんじゃないのか?」
俺は、心配して彼女を部屋に戻そうとする。
「朝飯まだなんだろ?なんか適当に作って風邪薬と一緒に持って行くから休んでろって。」
ロングクローはそう俺に言われると自分の部屋に戻って行った。俺はしょうがねえなと思いながら台所に行き、冷蔵庫の中身を確認する。
「えっと・・・・・流石に昨日の残りもんじゃまずいからな。とりあえず、野菜を細かく刻んで合わせた御粥の方がいいかな?」
俺は、早速料理を始める。料理ははっきり言ってうまい方じゃないけどロングクローの手伝いを何度もやらされていることもあるからそこそこは出来る。
そう言えば原作のソニックって料理できたんだろうか?
「風邪薬は・・・・・ヤバッ、切らしてる。買い足しに行かないとな。」
風邪薬が切れていたため、俺はとりあえずできたお粥を器に盛り、部屋の前まで持って行く。
「ロングクロー、風邪薬切れてなかったからとりあえず朝飯だけ持ってきたぜ。」
「ありがとう・・・ちょっと待って。」
少し経った後、彼女は部屋のドアを開けて中に入れてくれた。彼女の机の上には何か作業をしていたのか小道具が置いてあったが作ったものが置いてなかった。散らかしたままって言うのはロングクローらしくないけど。
「俺、また港に行って薬買ってくるから。」
「ごめんなさいね・・・・本当にここ最近調子があまり良くなくて・・・コン、コン!!」
咳き込むロングクローのことを気にしながらも俺は、薬の買い足しに出かける。
「ん?」
行く途中、俺は聞き覚えの無い機械音を耳にした。
この辺は確か手付かずの土地のはずだから工事とかしないはずだ。なのになんでこんな工事現場に様な音がするんだ。
俺は、道を外れてグリーンヒルの方へと向かってみる。
「わあっ!?何なんだこりゃ!?」
俺が目にしたのは普段は小鳥や小動物たちがその辺でのんびりしているはずのグリーンヒルが何かによって堀荒らされた痕だった。
「なんだよこれ!?誰がこんなことを・・・・・・」
『ホ~ホッホッホッホッホッ~!!』
少し離れたところから誰かの高笑いする声が聞こえる。俺は速足で声のした方へと走って行くとそこには奇妙な円盤のような乗り物に乗った卵みたいな体型をした髭を蓄えた男がいた。
「ついに手に入れたぞ!組み込めばあらゆる兵器に超パワーを与える奇跡の宝石『カオスエメラルド』!!後、4つ集めればワシの夢見た理想郷、『エッグマンランド』の建設の日はすぐ間近じゃ!!」
男の手には綺麗な色の宝石が握られていた。まさか、アレを手に入れるためだけにこんなことをしやがったのか?あの髭卵、許せねえ!!
「おい、そこの髭卵!!」
「ん?」
俺の声を聞いて髭卵(仮)は、眉間に皺を寄せて振り向く。
「なんじゃ、貴様!?それにワシのことを髭卵とはなんという言い方じゃ!」
「綺麗なグリーンヒルをこんなにメチャクチャにしやがって。宝石泥棒するなら他所でやれよ!!」
俺は体を丸めながら勢い良くジャンプをして体当たりを仕掛ける。
「うおっ!?このハリネズミめ!このワシに喧嘩を売るとは!」
「勝手に人の家の近くを荒らしたのはお前だろ!この髭卵!!」
「誰が髭卵じゃ!?IQ300!この世に並ぶ者はいない天才科学者Dr.エッグマン様じゃ!」
エッグマンと名乗った髭卵(仮)は円盤の中からチェーン付きの巨大な鉄球を出す。
「この悪の天才科学者が自ら相手をしてやるからサービスとして名前を聞いてやろう。貴様、名は?」
「ソニック!ソニック・ザ・ヘッジホッグだ!!」
「ソニックか・・・・・・フッフッフ、ソニックよ。ワシに喧嘩を撃ったことを後悔させてやるぞ!ホーホッホッホッホッホッホッ!!」
次回、エッグマンとの初対戦(多分)。
この作品を呼んで思ったことをどうぞ。
-
普通
-
まあ、面白かった
-
続きが気になる