一花はすぐ五月に電話をかけたが出なかった。メールを送ったが30分経っても返信が来なかった。
「もう…。23時よ!何をしてるの!五月は!」
「落ちついて!二乃!」
いつもなら晩ご飯前に帰ってくる五月がいつになっても帰ってこない。何かあったのではないかと姉妹達は心配する。
その頃。五味は家に到着しドライバーの人にお礼をして家に入ろうとしたが…五味は小腹が空いていたため徒歩で200m先にあるコンビニに行く。コンビニの前にある公園のベンチで倒れている女性を見かけた。五味は急いで倒れている女性のところに駆けつけると苦しそうにうなだれている五月だった。
「五月さん!大丈夫ですか!!」
しかし、話すことが出来ないほど苦しそうにうなだれていた。
五味はすぐ119番に電話して救急車を呼んだ。電話が終わると一花に電話をかけた。
「もしもし!五味です!五月さんが公園のベンチで倒れていたので救急車を呼びました!一花さんの電話番号を伝えたので病院の方から電話が来るかもしれません!」
「!!。わかった!五味君が見つけたの!?」
「たまたま近くのコンビニに寄ろうとしたら倒れている女性がいたので話しかけたら五月さんでした。」
「そうなんだ!ありがとう!五味君!」
五味は電話を切ると彼はジャケットを脱いで五月の身体が冷めないようにした。次に、急いで近くにあった自動販売機で水を購入し五月に水を飲ませようとしたが…口が開かなかったため無理矢理口を開かせて水を飲ませた。彼は救急車か来るまで必死に看病した。
10分後。救急車が到着して五月は担架で乗せられ病院に運ばれた。救急隊の人に一通り説明して救急車を見送った。そして、再び一花に電話をかけた。
「今、五月さんは〇〇病院の方に運ばれました。今日はもう時間が遅いので明日様子を見に行ってきてはどうでしょうか?」
「わかった。私達…みんな五味君の電話が来るのを待ってた。いろいろ対応してくれてありがとうね。五味君も疲れたでしょ?」
「もう必死でした…。まさか…五月さんが倒れているなんて予想していなかったので…。だいぶ疲れましたね。」
「お疲れ様…。またなんかあったらよろしくね。」
「はい。」
五味は電話を切ると時刻は0時を過ぎていた。五月の看病で時間を気にする余裕がなかった。五月が運ばれると五味は腰が抜けたように座り込む。
「良かった…。自分が出来る最大限の対応をすることが出来た。五月さんが無事なことを祈ります。」
すると、五味のスマホに母からお怒りのメールが来てた。
「そりゃ…そうだよな…。未成年がこんな時間に家に帰って来なかったら…キレるよな…。」
五味は母に事実を説明してコンビニで缶コーヒーを買ってトボトボ帰るのであった。
その頃。中野家では公園で倒れている五月が救急車で病院に運ばれたことを一花が姉妹達に伝えると安心したように息を吐いた。
「良かった…。本当に良かった…。」
「良かった…。」
「五月…。良かったです…。」
「五月が倒れているところを発見したのが五味君だったから良かったよ。彼…必死だったと思う。皆んな五味君に感謝しないとね。」
「一花!そうなの!あいつが…五月を助けたの!?」
「やっぱり人は外見じゃ判断したらダメだよ。二乃。」
「それとこれは関係でしょ!三玖!」
「でも…五月が助かって良かったです…。五味さんに感謝です!」
「でも…五味君から聞いた話によると話も出来ないぐらい苦しんでいたみたい。まだ安心はできないよ。」
他の3人は黙り込んだ。
「とりあえず明日にならないとわからないから今日はもう寝よう。」
「そうだね。私も眠い…。」
翌日。
中野家の姉妹達は五月が運ばれた病院に行く。病院に着くと看護師に病室を聞き出し五月が寝ている部屋に入る。そこには五月が元気が良さそうに食事をとってた。
「このサラダ。美味しいですね!おかわりはないのかしら?」
二乃は五月にビンタをする!
「あんた!心配したのよ!」
一花は止めようとする。
「二乃!やめなさいよ!」
五月は涙を流した。
「ごめんなさい…。私…貧血で倒れたみたいなんです…。だから…皆んなに迷惑をかけてごめんなさい…。」
「私は五月がいつもどおりにご飯を美味く食べている姿を見て安心した。他は大丈夫なの?どっか頭を打ったとか?」
「三玖…。貧血で倒れただけで他は何も問題はありません。」
「全く…心配をかけさせる妹ですね!まっ…私は何回も怪我をして皆んなに迷惑かけたことが何回かありましたけどね…。はははっ…。でも!五月が無事で何よりです!」
「四葉はいつも怪我してましたからね…。」
「ねぇ。五月。昨日の夜のことは知らないの?」
「いやっ。覚えていませんわ。朝起きた時になんで病院で寝ているのかわからなかったので…。」
「そう…。五月が倒れていることろを見つけたの五味君なんだよ。」
「五味君が!」
「うん。救急車が来るまで一生懸命看病してくれたみたいよ。」
「そうですか…。五味君に後で感謝しないといけませんね。」
「五月。今日中に退院できるの?」
「検査をして何も問題が無ければ退院は出来るので…。」
「わかったわ。入院代はパパに頼んであるから気にする事はないわ。」
「一花。二乃。三玖。四葉。そして…五味君。本当にありがとうございます…。この恩は忘れません…。」
「本当よ!今度!イチゴパフェを奢りなさいよね!」
五味は朝7時から夕方の16時までバイトをした。
バイトが終わるとすぐ五月のことが気になり病院に駆けつける。
病院に着くと五月がいる病室が見当たらなかったため看護師に聞くと退院したと知らされる。その言葉を聞いて安心した。
(本当に良かった…。)
五味は家に帰るとそこに五月がソファーに座っていた。
「五味君!昨日は…本当に…本当に…ありがとうございました!」
「まさか倒れていたのが五月さんだと思っていなかったのでビックリはしましたが…。大した怪我や病気でなく良かったです。安心しました。」
「つまらない物ですが…これを受け取ってください!」
A5ランクの和牛1kg分で五味の母と五男は驚いた。今までA5ランクの和牛を生で見たことがなかったのである。
(さすが…中野家…。恐るべし…。)
すると…五味の母は五月に話しかける。
「五月ちゃん。今日…すき焼にするから一緒に食べるかしら?」
「すき焼ですか!是非!食べたいです!」
「決まりね。五男…。ちょっと来なさい。」
「なんだよ!」
五味は母にキッチンに呼び出された。
「五月ちゃん。可愛いじゃないの。彼女?」
「そんなんじゃないよ!ただの友達だよ!友達!」
「あらっ…。そう…。あんた…今まで友達を作ったことがないからお母さんは嬉しいわ。」
「……。うるさいわ。」
その後。五月と五味の母と五味の3人ですき焼を食べることにした。
五月の幸せそうにすき焼を食べる姿に五味は嬉しかった。
(五月さんが幸せそうに食べる姿が好きなんだよな…。)
次回話に続く…。