五味は四葉に先程起きた出来事について語る。
四葉は真剣に五味の話を聞いてた。四葉はこの計画に協力していた部分があったため何も言い返せなかった。そして、一花が全てを計画してた事実を知り五味は思わず笑ってしまう。
「一花さんがホテルの予約や三玖さんを利用してデートに誘った。僕が風呂に入ってる時に三玖さんが来るように指示し丁度良いタイミングで姉妹達が部屋に入る。五月さんの性格上…あーゆうことをしてた僕達を拒みすぐ部屋を出て僕が誤解を招かないように止めに行くところで五月さんが告白しやすい環境を作った。一花さんはさすが女優だな…。まるで恋愛ドラマのような展開だな…。はははっ……。」
「まっ…。そんな感じでしょうか…。一つ気になったんですが…一花って女優やってるんですか!!」
五味は思い出した。一花が女優をしてることを姉妹に秘密にしてほしいと言われていたことに。話の流れで四葉に思わず話してしまった。
(あっ…。やばっ…。)
「あっ…。今のはなしで…。」
「五味さーん。私…今!はっきり聞きましたよ!一花が女優をしてるって!」
「だから…なんでもないですって!」
「今更誤魔化しても無駄ですよー!!」
「……。」
(やらかしたわ…。オレ…。)
「一花が女優をしてるのも気になりますが……今は……五月のことです!!私達が五味さんにこのようなことをしてしまったのは謝ります!だけど…五月は真剣なんです!!ずっと五味さんの話をしてましたから!!」
「そうなんですか…。」
(確かに…嘘を言ってるように思わなかった。五月さんは真剣なんだ…。オレは今まで女の子に告白したことないし…逆に…告白されたこともなかった。だから…告白された時は信じられなかった。)
五味はこの時思った。
五月と初めて出会ったことがキッカケで自分の世界観が変わった。今までは学校とバイトだけの何も刺激がない高校生活を送ってきたが、しかし、放課後に友達と勉強したりラーメン屋に行ったりして普通の高校生らしいことをしたことによって考え方が変わった。
そのキッカケを作ってくれた中野家の五つ子達に感謝しないといけないと改めて感じた。
「冷静になって考えたのですが、五月さんや二乃さん、一花さんに四葉さんや三玖さんと出会えて僕は幸せだなと感じてました。友達もいなく…ずっと学校とバイトだけの生活を過ごし…高校生活はそれで良いと思っていましたが…それは違った。もちろん…勉強やお金を稼ぐことも大事かもしれない…。しかし…高校生活は一生で3年しかない。だから…今を楽しみ悔いなく過ごすことがどれだけ大事だと最近わかりました。時間は戻らないし戻せない。なら…僕は悔いを残したくない。もちろん…五月さんのことも。」
四葉は五味が発した言葉に自信が溢れていて見惚れてしまった。四葉はこんなことを感じた。
(五月が五味さんのことが好きな理由が良くわかりました。)
「五味さん!ホテルに戻りましょう!!皆んなが待ってますし…悔いを残したくないなら五月に言うべきではないですか!五味さんの気持ち!」
「そうですね…。男としてケジメをつけないとカッコ悪いですからね…。行きましょう!!」
四葉と五味はホテルに戻っていくのである。
その頃。一花と二乃、三玖と五月は部屋に戻り四葉と五味が戻ってくるまで何も話さずただひたすら待っていた。
しばらくすると四葉と五味が部屋に入ってきた。
「約束通り五味さんを捕まえましたー!!ミッションコンプリートです!!」
真っ先に四葉と五味に駆けつけたのは一花であった。
「五味君。私が全部計画したことなの。五味君に不快な思いをさせてごめんなさい…。」
「四葉さんから全部聞きました。だから…気にすることはないですよ。そのおかげでこんなに立派なホテルに泊らせて頂いてるから。」
「……。本当にごめんなさい…。」
「だからもう良いですよ…。過ぎたことなので…。」
「私も謝るわ。一花の計画にのった私も共犯だから。」
「私もごめん。五味君を騙して。」
「二乃さんも三玖さんも僕はもう気にしてないので大丈夫です。」
「それに…皆さんにお願いがあります。五月さんと2人きりで話したいことがあるのでいいですか?」
「五月。あんたは五味と2人きりで大丈夫?」
五月は首を縦に振り再び下を向いた。
「わかったわ。あんた達行くわよ!」
五味と五月以外は部屋を出て行った。
そして、五味は五月の隣に座り五月の顔を真剣に見つめる。
「五月さん。単刀直入に言います!さっきの件ですが……。」
次回話に続く…。