五味は突然一花から「手伝ってほしいことがあるけど良い?」とメッセージが来てバイトも休みであるため藤田さんに送迎をお願いし、車の中でコーヒーを飲みながら中野家に向かう。中野家に着くと一花が出てきた。
「五味君。久しぶりね。」
「一花さん。お久しぶりです。僕に手伝ってほしいことは何ですか?」
「ああ〜。部屋に来ればわかるよ。」
「はぁ……。」
一花の部屋に入ると五味は驚いた。服や菓子、ペットボトルのゴミがあちらこちらに散らばっており部屋がカオスな状態になってた。
(よく…この部屋で過ごせますね…。オレから無理だ…。)
「見てわかると思うけど…掃除手伝ってくれないかな?男の子だから力仕事も出来ると思って。」
「一花さん。一言言っていいですか?」
「何?」
「ちゃんと整理整頓してください!ゴミもちゃんと捨てる!」
「は〜い。」
それから一花と五味は2人で部屋の掃除を始める。まず…ゴミ袋をとりゴミの分裂をしながらゴミを捨てる作業から始める。次々とポテチや菓子パンのゴミが出てきて臭いも強烈。
(何日間…ここにゴミをほったらかしにしてるんだ…。)
五味はあまりの臭いに耐えなくなり一旦ベランダに出て新鮮な空気を吸いにいく。
「しかし…あれだけ散らかっている部屋を見るのは人生初だ…。オレ達男兄弟だけど…あんなに部屋は散らかっていなかったぞ…。」
「五味君。」
「うあ!一花さん!驚きました!」
「そんなに驚かなくて良いじゃない〜。ごめんね。無理矢理手伝ってもらって。」
「いえいえ。むしろ一花さんの部屋を綺麗にしたい気持ちが芽生えました。」
「はははっ。五味君は相変わらず真面目だね。」
「そろそろ掃除を再開しますか…。時間がかかりそうなので。」
「そうね。早く終わらせないと日が暮れちゃうわね。」
その後。いらないゴミを捨てていき部屋の中が少し綺麗になる。一花は散らかっている服畳んでもらい布団カバーや枕カバー、クッションなどを洗濯してもらうことにした。五味は床掃除やタンスの上のホコリ。化粧台に散らかっている化粧品を入れたりする。しばらくすると部屋の中が少しスッキリする。
「化粧品や洋服が沢山ありますね…。収納するスペースがないです…。」
「女優だからファッションや化粧は仕事道具みたいなもんだから…沢山持ってるんだ。」
「確かにそうですね…。今から100円ショップに行きましょう!収納ボックスを買ってどこにどの洋服があるか…化粧品があるか…わかりやすい方が良いですね!そうすれば部屋の中が見栄えが良くスッキリすると思います!」
「五味君。やる気になってるわね…。」
一花と五味は100円ショップに向かい収納ボックスを買いに行き中野家に戻って洋服や化粧品を収納ボックスを入れていく。すると…掃除する前の部屋と比べて部屋がスッキリした。
ここまでかかった時間は6時間。あっという間に日が落ちる時間帯になる。五味も一花もお疲れの様子だった。
「あとは…布団カバーや枕カバーを乾くのを待つだけですね…。」
「はぁ〜。疲れた〜。女優の仕事より疲れたよ〜。五味君のおかげで部屋が綺麗になったし良かったよ〜。」
「これからはゴミはちゃんと捨てて…整理整頓してくださいね…。また…汚くなって掃除するのは困りますから…。」
「わかったよ。五味君に手伝ってもらったから何かご馳走するよ。」
「いえ。大丈夫です。」
「遠慮しないでさ〜。手伝ってもらってお礼しないのもあれだからさ…。五味君は何が食べたい?」
「…。なら遠慮せずに…久々に寿司が食べたいですね。」
「わかったわ。これから中野家御用達の回らない本格的な寿司屋を紹介するよ。私も掃除したらお腹空いちゃったから行こう!」
「えっ…。え〜!!」
五味は一花に連れられ中野家御用達の高級寿司屋に行くのである。
後日談ー部屋の掃除 完結
後日談5話分完結です!
これにて「5人の姉妹と冴えない男」は完全完結します!
今まで読んで頂きありがとうございました!
皆さんに感謝です!