声が聞こえる。男性の声と...女の子の声?
声で意識が覚醒し、真っ暗だった視界はまぶたを上げると共に光が差し込む。
視界がぼんやりとしていて声の主が誰なのか分からなかったが、話している内容ははっきりと聞こえる。
「その男の様子はどうだ?」
「目立った怪我は無いようだし、そろそろ目が覚めるころだと思う。」
「そうか、しかしこの男なんでここに運ばれたんだ?こいつの家や病院とか寝かせておく場所なんていくらでもあるだろ。」
「ボスの指示なんだから仕方ない。詳しくは知らないけど選抜の候補なんじゃない?」
「こいつがねぇ、もしそうだとしたら、すぐにでも実力が分かるか。じゃあ、そろそろ行くわ。あとでな」
「うん」
途中からの話に全くついて行けなかった。こいつらは何を話しているんだ?寝たふりをして話を盗み聞ぎしていたが全く情報を得られなかった。
美玖さんは無事なのだろうか。頭は痛むし、話を聞く限り家でも病院でもないようだ。
不安と痛み、緊張で心臓の鼓動が早くなる。
そんな時だった、胸あたりに重みを感じた。何かを乗せられた?危険なのも?胸に何が乗っかったのか気になり、徐々に目を開けて確認する。いったい何が...
「「えっ?」」
声が重なる。一つは、想像していたものとかけ離れていたことによる驚きの僕の声。
そして、もう一つの声はもちろん驚きもあっただろうがもう2つ。焦りと羞恥心があったのだと思う。
なぜその二つがあると思ったのかって?なぜなら、僕の胸に顔をくっつけていたからだよ。
僕と少女は、顔を赤く染め距離を取り手で顔を覆った。
そしてこう叫ぶのだ。
「「キャーッ!ヘンターイ!!!」」
「言い訳を聞かせてもらおうか」
さっきまで寝かせていた体を起こし、胡坐をかき目の前で正座をする少女に圧を掛ける。
「いい筋肉だったから、感触を味わいたかった...です」
「すまん、君の気持ちは全く理解できないんだが性癖はよーく分かった。つまり君は筋肉フェチという部類の中でもより優れた変態ってことでいいのかな?」
「違います。違うんです!」
「違わないよ!というか君。僕に向かって変態って叫んでたけど僕が被害者だからね?」
「だって、あなただってオ〇二ーしてるところ見られたら叫ぶでしょ?それと同じです」
「そうか分かった、君が救いようのない変態だということが」
頬っぺたを膨らませ睨んでくるが、まったくもって怖くなどない。
気にせず僕は、聞いてみる。
「ここはどこなんだ?家でもなければ、病院でもない。ならここは。」
「それについては、後でわかります。私の口からは言いかねます。」
「なら何についてなら、教えてくれるんだ?」
少女は、あごに手を当てて悩みだす。
そして、話せる内容が見つかったのか顔を上げ満面の笑みで口にする。
「私の名前は、佳奈美。筋肉フェチの変態です!」
分かっていた。分かっていたが、もしかしたら色々なことを教えてくれるんじゃないかと期待していたのに...このロリは二度と期待しない。そう静かに心に決めた。
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