食糧と列車を探していたら幼女を拾った。
何を言っているのか自分でもわからない。
怒鳴り声が聞こえたので追いかけてみれば女の子が暴行を受けていたので助けて、手当てをして今に至る。
「それで、なんで追いかけられていたんだ?」
「缶詰を持っていたから。それと、感染者だから。」
随分と簡潔な答えが返ってきた。感染者なのは手当てをしている時に分かったが、たかが缶詰一個で諍いが起きるほどこの町は退廃していたとは思わなかった。
「たかが缶詰一個、それもトマト缶でそこまでなるのか。随分と危険な町なんだな。」
「あなただって知ってるはず。この町が感染者に対して厳しい町だって。それに天災で町はあんな有様。あれで人が荒れないわけがない。」
天災。今までなんとなく気付いていたが無意識に避けていた結論だった。
おそらく眠らされていた間に起こったのだろう。親父はこれを見越してコーヒーに睡眠薬を仕込んだのだろうか。
「それはないか。」
少なくともあのクソ親父は自分のためにに息子に改造手術をする様な男だ。睡眠薬だって抵抗されないために仕込んだのだろう。
「やっぱ、起こってたかぁ天災。」
「まるで知らなかったみたいな言い方。何、気絶でもしてたの?」
「それに近いな。親父に改造手術を受けてた。」
「なにそれ。冗談ならもう少しマシなのを言って欲しい。」
「冗談じゃないぞ。背中に機械が生えてるだろ。緑色の光を出してるやつ。」
「それ、飾りじゃなかったんだ。」
「飾りだったらどんなによかったことか…」
そんな他愛もない話をしていると幼女の方から切り出して来た。
「なんで私を助けたの?」
一番答えにくい質問が来た。
「んー、難しいな。正直成り行きで助けたとしか言いようがない。」
大した理由もない。どうしても助けたかったわけでもない。
「強いて言うならこの町に詳しい人が仲間にほしかったからだな。」
「ふーん。それで私を助けたと。」
「そうだな。だから治療代として案内くらいはしてもらうぞ。」
「分かった。それじゃぁ名前教えて。」
「名前?」
「聞いていなかったから。」
「アリオス。龍門在住、年は今年で17。そっちは?」
「アーシェル。年は10歳。チェルノボーグ生まれチェルノボーグ育ち。」
「なら、これからよろしくなアーシェル。」
「こっちこそよろしく、アリオス。」
こうして二人はコンビとなった。
「アリオス、3人そっちに行った。引きつけて。」
「了解。射線が通ったら撃ってくれ。」
「了解。」
コンビを組んで、1週間が経った。
アーシェルには意外にもアーツ適正が高く、探知などで食糧や暴徒などの情報がいち早く分かった。これで他の人よりも早く行動することができた。
生き残った人は学校に避難しているようだが感染者や外の人間は入れないらしい。
あぶれた奴らは仕方なく残された資源を奪いあって生活している。そこで俺達は数少ないちゃんとした武器を持つ二人組として注目された。
高いアーツ適正を持つアーシェル。謎の光学兵器を使う俺。角材を持って喧嘩をしている他の連中からすれば十分羨ましい存在だろう。その為、狙われる事も多く、探索の半分が暴徒との戦闘で潰れてしまう事もある。
そんな事をしていたため、未だに列車のパーツは見つかっていない。
そんな事を言っているとアーシェルの
「アリオス、そっちは終わった?」
「あぁ、終わったよ。」
「じゃあ、あのガレキをどかすの手伝って。下に反応がある。」
「何か使える物だといいけどな。」
「できればアリオスの探してる列車の倉庫があると嬉しい。そろそろ新しい鉱石銃が欲しい。」
「今使ってるのレユニオンが残してった粗製のコピー品だからな。」
「そう。いい加減目視で狙うのをどうにかしたい。」
「じゃあどかすぞー。」
そして、ガレキの下から出てきたのは、レユニオンの残党だった。
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