「この人、どうする?」
「どうすると言われても…助けるとしか…」
ガレキの下敷きになっていたのはレユニオンのメンバーだった。おそらく隊長クラスの人物だろう。普通の重装歩兵としては装備が豪華だった。このタイプの兵は見た事があったが、これほどの重装甲スーツは見た事がなかった。
「レユニオンの残党がいるのは知っていだけどこうして見るのは初めてだな。」
「そうですね。レユニオンの生き残りは今の町でも肩身が狭いですから。基本は夜に活動しているみたいですし。」
天災の時に置いていかれたメンバーはその多くが死に、生き残ったメンバーも徒党を組んではいるらしいが通常の感染者よりも強い非難を浴びている。その為、夜にしか活動していないらしい。
「しっかし、この装備からして重装隊の隊長クラスか。」
「たしかに。この装備はゴミ山でもあまり見た事がない。」
ゴミ山とは天災で壊れた建物の残骸や死んだ兵士の死体をひとまとまりにした場所の事だ。アーシェルの銃もそこで拾ったものだ。
「なら壊れていてもこのスーツには利用価値がある。」
「この厚さなら何処の部位を使っても良い装備ができる。」
「とりあえずこのスーツ脱がそうぜ。そうじゃないと分解も出来ないし。」
「まずは着ている人の確認が先。」
「分かってるよ。」
眩しい。スーツを着ている時にはなかった感覚だった。四六時中スーツを着ていたせいか
直接光に当たる事がほとんどなかったからだろうか。あの時、私の隊は味方の逃走ルートの確保を命じられていた。指揮官らしい白髪の子供からは
『君達にはこのまま僕たちが逃げ切るまでここを死守しておいてよ。』
と言われ、それでは自分達の隊は全滅すると反論したところ近くの建物を爆破させて自分達を生き埋めにしようとしてきた。
なんとか隊のメンバーは倒壊から逃れる事ができたが自分は生き埋めになってしまった。
その後、天災が起きた。幸いにも直撃する事はなかったので生き残る事は出来たがもう身動きも取れない自分にはできる事はなかった。背中にある生存栄養水は3日分しかなく、少しずつ飲んでも1週間ももたない。その間に救助が来ると良いと思っていたが、運良く助け出されたようだ。
「うわっ!起きたぞこの人。」
「生きてる事は知っていただろう。」
「いやだってさ、死んだように寝てたじゃんこの人。」
子供の声がした。少なくとも自分の隊のメンバーが助けてくれたわけではなさそうだ。
「助けてくれたところで申し訳ないがまだ目が慣れていない。ここは何処だ?」
「俺達の暫定家だよ。お姉さん。」
「地下にある列車の一部らしい。」
なるほど。子供達は恐らく二人で生活しているのだろう。
「もう少ししたら私も動けるようになるだろう。そうしたら君たちと行動を共にしたい。
物資のある場所を知っている。」
「ほんとですか!やったな。これで当分の間食事には困らないぞ!」
「武器も有ればなおいい。」
「武器もあったはずだ。これで助けてくれた礼になるかは分からないが。」
「いや十分だよ。ありがとうお姉さん。」
「いや、命の恩人に対する礼としては足りないくらいだ。」
「じゃあ自己紹介しないと。俺はアリオス。
こっちにいる女の子がアーシェル。お姉さんは?」
「私の名前はアレイオン。レユニオンで重装部隊の隊長をしていた。」
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