僕の彼女は曜ちゃんです⚠再編集中 詳しくはあらすじへ 作:ゆうきoog3
これからも頑張ります!!(*^^*)
今回は過激です…。
苦手な方はお勧めしません。
「どこから探そうか……。人目が少なくて、迷い込みやすい場所……」
雄飛は周囲を見渡しながら呟いた。
「バックヤード……いや、さすがにないよな。裏道や細い通路の方がまだ可能性あるか」
なんとなく嫌な予感がするといつもの歩幅から自然と速足になっていった。
――ある通路
人気のない細い通路に足を踏み入れると、冷んやりした空気が体を包んだ。
「……やっぱり、いないよな。どこに行ったんだ……」
焦りが少しずつ胸を締めつける。
“もう外に出てしまったのでは”という嫌な想像がよぎる。
(念のため曜に連絡しとくか)
電話をかけると“私も外を探す!”と食い気味に返ってきたが、雄飛は首を振った。
「ダメだ。万が一のことがある。生徒会長と一緒にいてくれ。外は俺が見てくる」
曜が不安そうに応じる声が、胸に引っかかる。
――とある路地
「*/・;@¥^……」
(ん?声……?)
濁った男の声と、か細い少女の声が聞こえた。
「お嬢ちゃん、この先にいいとこあるからよ。ついてきなよ」
「え、あの……ルビィ、水族館におねえちゃんが……」
(赤い髪……間違いない。あれがルビィちゃんか)
路地裏に足を踏み入れた瞬間、
雄飛は鋭い男の怒声と、怯える少女の声を聞いた。
「お前、、、いいから来いって言ってんだろ!」
「ぴ、ぴぎぃ……っ」
(やっぱりルビィちゃんだ……!)
男の腕に引っ張られ、ルビィの体が大きく揺らいだ。
震える瞳、こぼれそうな涙、引きつった息――完全に怯えている。
雄飛の胸の奥に、熱と冷たさが同時に走った。
(助ける……絶対に)
だが次の瞬間――
意識の奥底で、父の声が静かに蘇った。
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夜の庭先。
子どもの頃の雄飛は、倒れたまま木刀を握りしめ、必死に息を荒げていた。
「悔しくても、勢いだけじゃ勝てないぞ。雄飛」
迷彩服の上着を羽織った父は、優しくしかし厳しい目で雄飛を見下ろしていた。
「“守りたいもの”ができた時、人間はとっさに身体が動く。だがな――」
父は木刀を置き、雄飛の肩に手を置く。
「その時こそ、“頭”を使え。
無謀な正義感は、守りたい相手を余計に危険にさらす」
幼い雄飛は、涙をこらえながら問う。
「じゃあ……どうしたらいいの?」
父は少し笑って、雄飛の胸に指を当てた。
「いいか。
お前がやるべきことはひとつだけだ。
恐怖を飲み込んで、『動く理由』を見失うな。
それが、誰かを守る時の“覚悟”だ」
その言葉は、少年だった雄飛の心に深く残った。
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(……そうだ。
突っ走るだけじゃダメだ。
焦るな、俺が動く理由は――)
雄飛は強く息を吸った。
(――ルビィちゃんを守るためだ)
路地の奥、男の手に捕まれて震えるルビィ。
あまりの恐怖に足がすくみ、今にも崩れ落ちそうだ。
雄飛は一歩踏み込む前に、
まるで「戦闘前の判断」をするように、
相手の足の向き、手の力、周囲の狭さを一瞬で読み取った。
(まずは距離をつめて腕を外し、ルビィちゃんを確保――
その後、相手の反撃を最小限に抑えるため、体勢を崩す……よし)
腹が決まった。
父の声が、最後にもう一度胸の奥で響く。
『守れ、雄飛』
(助ける……だが何か相手に武器がある可能性も……。最悪、俺が盾になるしか……)
腹を括り、彼は路地へ踏み込む。
「おーい!こんなところにいたのか、ルビィ!」
「え……?」
男がこちらを見る。
「はぁ?誰だテメェ!」
「すみません!妹が迷惑を……返してください」
男の目つきが一気に鋭くなった。
「妹ぃ?……嘘くせぇんだよ!」
雄飛(やっぱりだめか)
男がルビィの肩をさらに強く掴む。
ルビィの体が小さく跳ね、痛みに顔が歪む。
雄飛のこぶしが震えた。
(我慢しろ……まだタイミングじゃない……ッ)
「てめぇ、警察呼ぶ気か?」
「いや……“呼ばれると困るのはそっちですよね”?」
わざと挑発気味に言う。
男はつり上がった目を深く細めた。
「調子に乗んなよ、クソガキ……殺すぞ」
懐から、鈍い銀が抜き出された。
短いが、迷いなく人に向けて使える刃。
(やっぱり持ってたか……!)
ルビィが完全に青ざめた。
「や、や……っ」
雄飛は静かに呼吸を整えた。
「ルビィちゃん、目を閉じてて」
怯えないようにやさしく声をかけた。
「え……?」
その瞬間――雄飛は地面を蹴った。
男が構えるより速く、雄飛の右拳が頬を捉えた。
「ぐっ!」
男が大きくよろめく。
だが雄飛は追撃しない――代わりに、ルビィの腕を掴んで引き寄せた。
「きゃ……!」
そのまま背中でかばい、後退する。
「テメェェェ!!」
男が怒号を上げて突っ込んでくる。
雄飛は咄嗟に壁を蹴り、身体をスライドさせて避ける。
だがルビィを抱えているため思い切った動きが取れない。
刃が頬の横をかすめ、風を切る音がした。
(くっ……!速い……!)
男は刃物を振り上げたまま、獣のように向かってくる。
雄飛はルビィを片腕で抱えたまま、もう片方の腕で受け流すように動いた。
「っ……!」
腕に衝撃が走り、しびれる。
刃が当たる寸前で逸らしたが、皮膚が薄く切れ、赤い線が浮いた。
ルビィが小さく叫ぶ。
「やっ……やめてぇ……!」
(守らなきゃ……!俺がやらなきゃ……!)
男の足が動いた。
蹴りだ。
「くっ!」
雄飛は身体をひねり、衝撃を最小限に受けながら後ろへ下がる。
壁に背中が当たった。
逃げ場がない。
「ほぉら、どうしたぁ!!?」
男が刃を構えながらニヤリと笑う。
雄飛はルビィをそっと地面へ降ろした。
「動くな。絶対に、目を閉じて耳塞いでろ」
「…!」
ルビィは黙ってうなずいた。
彼は立ち上がる。
足は震えていた。
恐怖もある。
だが、それ以上に――守らなきゃいけない理由が目の前にある。
「来いよ」
低く、静かに言った。
男が牙のように刃を振ってくる。
雄飛は紙一重で身を逸らし、肩に浅い切り傷を負った。
「っ……!」
痛みを無視し、逆の手で男の手首を掴む。
そのまま力任せにひねり、男の腕が大きくブレた。
「ウガっ!」
その隙に、雄飛の膝が男の腹へ入る。
「がっ……!」
男がうめき、半歩下がる。
(もう一発……!倒しきれ……!)
だがその時――
ルビィのすすり泣く声が耳に入った。
視線が一瞬そっちへ――
「隙だらけなんだよォ!!」
男の腕が大きく横薙ぎに振られた。
雄飛は気づいていた。
避けようと思えば避けられる。
だが――その背後にはルビィがいた。
もし避ければ最悪の場合ルビィに当たる…。
(……ここしか、ない)
雄飛はその場から動かなかった。
「――っっ!!」
鈍く重い衝撃が、腹の奥に突き刺さった。
熱い痛みが爆発するように広がり、足から力が抜ける。
白い服が、瞬く間に朱に染まっていく。
「や……だ……っ、やだぁぁ!!」
ルビィの泣き声が悲鳴に変わる。
男は震えていた。
ナイフを握る手が、明らかに動揺している。
「や、やべ……マジで刺しちま……っ」
雄飛は崩れ落ちながらも、必死に腕を伸ばしルビィを背に隠す。
「る……ルビィちゃん……逃げ……」
視界が揺れ、遠くでルビィで男でもないざわざわと声が聞こえ始めた。
意識が、暗闇へ吸い込まれるように薄れていった。
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今回はかげきなかんじになっちゃいました…。
そのお話が次回に当たります!
では、またお会いしましょう!